し‐まつ【始末】

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・・・何でも相手の浪花節語りは、始末に終えない乱暴者だそうです。前に馴染だった鳥屋の女中に、男か何か出来た時には、その女中と立ち廻りの喧嘩をした上、大怪我をさせたというじゃありませんか? このほかにもまだあの男には、無理心中をしかけた事だの、師匠・・・<芥川竜之介「一夕話」青空文庫>
・・・「私は実はこちらを拝見するのははじめてで、帳場に任して何もさせていたもんでございますから、……もっとも報告は確実にさせていましたからけっしてお気に障るような始末にはなっていないつもりでございますが、なにしろ少し手を延ばして見ますと、体が・・・<有島武郎「親子」青空文庫>
・・・ だって、今だから話すんだけれど、その蚊帳なしで、蚊が居るッていう始末でしょう。無いものは活計の代という訳で。 内で熟としていたんじゃ、たとい曳くにしろ、車も曳けない理窟ですから、何がなし、戸外へ出て、足駄穿きで駈け歩行くしだらだけ・・・<泉鏡花「女客」青空文庫>
・・・燃材の始末、飼料品の片づけ、為すべき仕事は無際限にあった。 人間に対する用意は、まず畳を上げて、襖障子諸財一切の始末を、先年大水の標準によって、処理し終った。並の席より尺余床を高くして置いた一室と離屋の茶室の一間とに、家族十人の者は二分・・・<伊藤左千夫「水害雑録」青空文庫>
・・・受け出すのは、心配なくおッ母さんが来て始末をつけると言ったじゃアないか?」「だから、おッ母さんが来ると言ってるのでしょう――」 それで分ったが、おッ母さんの来るというのは、女優問題でわざわざ来るのではなく、青木という男に受け出される・・・<岩野泡鳴「耽溺」青空文庫>
・・・ 由来我々筆舌の徒ほど始末の悪いものはない。談ずる処は多くは実務に縁の遠い無用の空想であって、シカモ発言したら々として尽きないから対手になっていたら際限がない。沼南のような多忙な政治家が日に接踵する地方の有志家を撃退すると同じコツで我々・・・<内田魯庵「三十年前の島田沼南」青空文庫>
・・・この金で死後の始末をしてもらい、残りは、どうか自分と同じような、不幸な孤独な人のために費ってもらいたい。」 こういうようなことが書いてありました。終生独身で過ごした、B医師はバラック式であったが、有志の助力によって、慈善病院を建てたのは・・・<小川未明「三月の空の下」青空文庫>
・・・すると、そのうちに今度の戦争が押ッ始まったものだから、もう露西亜も糞もあったものじゃねえ、日本の猟船はドシドシコマンドルスキー辺へもやって来るという始末で、島から救い出されると、俺はすぐその船で今日まで稼いで来たんだが……考えて見りゃ運がよ・・・<小栗風葉「深川女房」青空文庫>
・・・かったというものの、勘当されている身の上を考えれば、やはり少しはましな人間になって、大手を振って親きょうだいに会えるようになりたい、そのためにはまず貯金だと思っていたのですが、酒のためにそれもできない始末でした。 ところが、その年も押し・・・<織田作之助「アド・バルーン」青空文庫>
・・・それなら何故俺の始末をしなかったろう? 此処は明放しの濶とした処、見えぬことはない筈。それに此処でこうして転がっているのは俺ばかりでもあるまい。敵の射撃は彼の通り猛烈だったからな。好し一つ頭を捻向けて四下の光景を視てやろう。それには丁度先刻・・・<著:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ 訳:二葉亭四迷「四日間」青空文庫>
・・・母も姉たちもいるのだが、彼女の腹の始末をつけてくれようとは、実家では言ってくれなかった。「よそへでもやって産ませるくらいなんだから、嫁もいることだし、お産の世話はできないから……」母にこう言われて、彼女もさすがに悄然とした気持で帰ってきたの・・・<葛西善蔵「死児を産む」青空文庫>
・・・花が枯れて水が腐ってしまっている花瓶が不愉快で堪らなくなっていても始末するのが億劫で手の出ないときがある。見るたびに不愉快が増して行ってもその不愉快がどうしても始末しようという気持に転じて行かないときがある。それは億劫というよりもなにかに魅・・・<梶井基次郎「泥濘」青空文庫>
・・・てお言い、坊やわかりますよッて』 右の始末に候間小生もついに『おしゃべり』のあだ名を与えてもはや彼の勝手に任しおり候 おしゃべりはともかくも小供のためにあの仲のよい姑と嫁がどうして衝突を、と驚かれ候わんかなれど決してご心配には及ばず・・・<国木田独歩「初孫」青空文庫>
・・・実際イデアリストの道は危険の道であり、私自身恋愛のために学生時代にひどい傷をつくって、学業も半ばに捨て、一生つづく病気を背負ったような始末である。私は青年学生に私の真似をせよと勧める勇気はもとより持っていない。しかしそれだからといって、学業・・・<倉田百三「学生と生活」青空文庫>
・・・したように御維新の後は財産を亡くしたという訳では無かったですが、家は非常に質素な生活を仕て居て、どうかすれば大工の木ッ葉拾いにでも遣られようという勢いでしたから、学校へ遣って貰うのさえ漸々出来たような始末で、石筆でも墨でも小さくなったからと・・・<幸田露伴「少年時代」青空文庫>
・・・若しも上田の進ちゃんまでやられたとすれば、事件としても只事でない事が分るし、又若しまだやって来ていないとすれば、始末しなければならない事もあるだろうし、直ぐ知らせなければならない人にも、知らせることが出来ると思ったからである。争われないもの・・・<小林多喜二「母たち」青空文庫>
・・・へ特筆大書すべき始末となりしに俊雄もいささか辟易したるが弱きを扶けて強きを挫くと江戸で逢ったる長兵衛殿を応用しおれはおれだと小春お夏を跳ね飛ばし泣けるなら泣けと悪ッぽく出たのが直打となりそれまで拝見すれば女冥加と手の内見えたの格をもってむず・・・<斎藤緑雨「かくれんぼ」青空文庫>
・・・の時分にはありがちなことながら、とかく兄のほうは「泣き」やすかったから、夜中に一度ずつは自分で目をさまして、そこに眠っている太郎を呼び起こした。子供の「泣いたもの」の始末にも人知れず心を苦しめた。そんなことで顔を紅めさせるでもあるまいと思っ・・・<島崎藤村「嵐」青空文庫>
・・・佐吉さんでも居なければ、私にはどうにも始末がつかなかったのです。汽車賃や何かで、姉から貰った五十円も、そろそろ減って居りますし、友人達には勿論持合せのある筈は無し、私がそれを承知で、おでんやからそのまま引張り出して来たのだし、そうして友人達・・・<太宰治「老ハイデルベルヒ」青空文庫>
・・・吾等の祖先から二千年来使い馴れたユークリッド幾何学では始末が付かなかった。その代りになるべき新しい利器を求めている彼の手に触れたのは、前世紀の中頃に数学者リーマンが、そのような応用とは何の関係もなしに純粋な数学上の理論的の仕事として残してお・・・<寺田寅彦「アインシュタイン」青空文庫>
・・・ そこで上官の方にもお目にかかって、忰の死んだ始末も会得の行くように詳しくお話し下すったんですよ。その時お目にかかって、弔みを云って下さったのが、先ず連隊長、大隊長、中隊長、小隊長と、こう皆さんが夫々叮嚀な御挨拶をなすって下さる。それで・・・<徳田秋声「躯」青空文庫>
・・・田崎が事の次第を聞付けて父に密告したので、お悦は可哀そうに、馬鹿をするにも程があるとて、厳しいお小言を頂戴した始末。私の乳母は母上と相談して、当らず触らず、出入りの魚屋「いろは」から犬を貰って飼い、猶時々は油揚をば、崖の熊笹の中へ捨てて置い・・・<永井荷風「狐」青空文庫>
・・・「それじゃあとはおらが始末すっからな」 棒をそこへ投げ棄てて二人は去った。血は麦藁の上にたれて居た。三次の手には荒繩で括った犬の死骸があった。太十はあとでぽさぽさとして居た。彼は毛皮を披いて見て居た。彼は思いついたように自分の家に走・・・<長塚節「太十と其犬」青空文庫>
・・・我々はもっとずっと、擦れてるから始末が悪い。と云ってあすこがつまらないんじゃない。かなり面白かった。けれどもその面白味はあの初菊という女の胴や手が蛇のように三味線につれて、ひなひなするから面白かったんで、人情の発現として泣く了簡は毛頭なかっ・・・<夏目漱石「虚子君へ」青空文庫>
・・・監獄も始末がつかなくなったんだ。たしかに出さなかったことは監獄の失敗だった。そのために、あんなに騒がれても、どうもよくしないんだ。 やがて医者が来た。 監房の扉を開けた。私は飛び出してやろうかと考えたが止めた。足が工合が悪いんだ。・・・<葉山嘉樹「牢獄の半日」青空文庫>
・・・幼少の時より不整頓不始末なる家風の中に眠食し、厳父は唯厳なるのみにして能く人を叱咤しながら、其一身は則ち醜行紛々、甚だしきは同父異母の子女が一家の中に群居して朝夕その一父衆母の言語挙動を傍観すれば、父母の行う所、子供の目には左までの醜と見え・・・<福沢諭吉「女大学評論」青空文庫>
・・・すると、議論じゃ一向始末におえない奴が、浅墓じゃあるが、具体的に一寸眼前に現て来ている。――私の心というものは、その女に惹き付けられた。 これが併し動機になったんだ。勢い極まって其処まで行ったんだが、……これが畢竟一転する動機となったん・・・<二葉亭四迷「予が半生の懺悔」青空文庫>
・・・たまに只来た奴があると石塔をころがしたりしやアがる。始末にいけない。オー寒いぞ寒いぞ。寒いッってもう粟粒の出来る皮もなしサ。身の毛がよだつという身の毛もないのだが、いわゆる骨にしみるというやつだネ。馬鹿に寒い。オヤオヤ馬鹿に寒いと思ったら、・・・<正岡子規「墓」青空文庫>
・・・ さて、むかし、とっこべとら子は大きな川の岸に住んでいて、夜、網打ちに行った人から魚を盗ったり、買物をして町から遅く帰る人から油揚げを取りかえしたり、実に始末におえないものだったそうです。 慾ふかのじいさんが、ある晩ひどく酔っぱらっ・・・<宮沢賢治「とっこべとら子」青空文庫>
・・・「勝手に始末しても悪かろうと思って――私が持って行って上げましょう」 縞の着物を着、小柄で、顔など女のように肉のついた爺は、夜具包みや、本、食品などつめた木箱を、六畳の方へ運び入れてくれた。夫婦揃ったところを見ると、陽子は微に苦笑し・・・<宮本百合子「明るい海浜」青空文庫>
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