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ひん‐かく【品格】例文一覧 15件

  1. ・・・いや、むしろその蒼白い顔や華奢な手の恰好なぞに、貴族らしい品格が見えるような人物なのです。翁はこの主人とひととおり、初対面の挨拶をすませると、早速名高い黄一峯を見せていただきたいと言いだしました。何でも翁の話では、その名画がどういう訳か、今・・・<芥川竜之介「秋山図」青空文庫>
  2. ・・・生存し難き人間である以上、それを知りつつもお手の物なる金銭の力により、下劣浅薄な情欲を満たして居るのであろう、仏者の所謂地獄に落ちたとは彼等の如き境涯を指すものであろう、真に憐むべし、彼等は趣味的形式品格的形式を具備しながら其娯楽を味うの資・・・<伊藤左千夫「茶の湯の手帳」青空文庫>
  3. ・・・可憐で優しくてそうして品格もあった。厭味とか憎気とかいう所は爪の垢ほどもなかった。どう見ても野菊の風だった。 しばらくは黙っていたけれど、いつまで話もしないでいるはなおおかしい様に思って、無理と話を考え出す。「民さんはさっき何を考え・・・<伊藤左千夫「野菊の墓」青空文庫>
  4. ・・・ 又た少女の室では父と思しき品格よき四十二三の紳士が、この宿の若主人を相手に囲碁に夢中で、石事件の騒ぎなどは一切知らないでパチパチやって御座る。そして神崎、朝田の二人が浴室へ行くと間もなく十八九の愛嬌のある娘が囲碁の室に来て、「家兄・・・<国木田独歩「恋を恋する人」青空文庫>
  5. ・・・甲府では、最も品格の高い街であろう。「デパアトは、いまいそがしいでしょう。景気がいいのだそうですね。」「とても、たいへんです。こないだも、一日仕入が早かったばかりに、三万円ちかく、もうけました。」「永いこと、おつとめなのですか?・・・<太宰治「新樹の言葉」青空文庫>
  6. ・・・源蔵の妻よりもどこか品格がよくて、そうして実にまた、いかなる役者の女形がほんとうの女よりも女らしいよりもさらにいっそうより多く女らしく見える。女の人形の運動は男のよりもより多く細かな曲線を描くのはもとより当然であるが、それが人形であるために・・・<寺田寅彦「生ける人形」青空文庫>
  7. ・・・面影は青白く窶れてはいるが、どことなく品格のよい気高い婦人である。やがて錠のきしる音がしてぎいと扉が開くと内から一人の男が出て来て恭しく婦人の前に礼をする。「逢う事を許されてか」と女が問う。「否」と気の毒そうに男が答える。「逢わせま・・・<夏目漱石「倫敦塔」青空文庫>
  8. ・・・娼妓じみないでどこにか品格もあり、吉里には二三歳の年増である。「だッて、あんまりうるさいんだもの」「今晩もかい。よく来るじゃアないか」と、小万は小声で言ッて眉を皺せた。「察しておくれよ」と、吉里は戦慄しながら火鉢の前に蹲踞んだ。・・・<広津柳浪「今戸心中」青空文庫>
  9. ・・・ゆえに学者の考にしたがえば、今の学者の品格は政府よりも高くしてはるかにその右に出で、政府は愚にして学者は智なりというべし。智愚はまずここに定まりたり。然らばすなわちかの水掛論は如何すべきや。余輩あえて政府に代りて苦情を述べん。政談家はさまざ・・・<福沢諭吉「学者安心論」青空文庫>
  10. ・・・我は清し、汝は濁る、我は高し、汝は卑しと言わぬ許りの顔色して、明らさまに之を辱しむるが如きは、唯空しく自身の品格を落すのみにして益なき振舞なれば、深く慎しむ可きことなり。或は交際の都合に由りて余儀なく此輩と同席することもあらんには、礼儀を乱・・・<福沢諭吉「新女大学」青空文庫>
  11. ・・・しかれども洒堂のこれらの句は元禄の俳句中に一種の異彩を放つのみならず、その品格よりいうも鳩吹、刈株の句のごときは決して芭蕉の下にあらず。芭蕉がこの特異のところを賞揚せずして、かえってこれを排斥せんとしたるを見れば、彼はその複雑的美を解せざり・・・<正岡子規「俳人蕪村」青空文庫>
  12. ・・・ その人の品格を下げると同時に、「なあんの事だ とその話全体をけ落して見させてしまう。 気をつけるべき事である。<宮本百合子「雨滴」青空文庫>
  13. ・・・ところがこの老博士は今年八十四五歳であり、君子であり品格をもった国宝的建築家でありますが、現実の社会事情からは些か霞の奥に在る。ために国男はじめ所員一同具体的な生活的な面で安心して居られず、という有様です。せちがらさを、この老大家は道徳的見・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  14. ・・・それも真白な髪を小さい丸髷に結っていて、爺いさんに負けぬように品格が好い。それまでは久右衛門方の勝手から膳を運んでいたのに、婆あさんが来て、爺いさんと自分との食べる物を、子供がまま事をするような工合に拵えることになった。 この翁媼二人の・・・<森鴎外「じいさんばあさん」青空文庫>
  15. ・・・従って味の高下や品格などについては決して妥協を許さない明確な標準があったように思われる。外見の柔らかさにかかわらず首っ骨の硬い人であったのはそのゆえであろう。 何かのおりに、どうして京都大学を早くやめられたか、と先生に質問したことがある・・・<和辻哲郎「露伴先生の思い出」青空文庫>