[動サ五(四)]《「まおす」の音変化》
  1. 主として会話に用い、聞き手に対し、「言う」を改まって丁重表現する丁寧語。

    1. ㋐「言う」対象が聞き手(または尊者)の場合には、対象を敬う気持ちも残るが、現在対象を敬う謙譲語は「申し上げる」である。「昨日、先生に—・したとおりです」

    2. ㋑単に「言う」を改まり丁重にいう場合。この場合にも、謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。現在、「先生が申された」のような言い方は適切でないとされる。「父がこのように—・しております」「私は鈴木と—・します」「一口に日本と—・しましても」

  1. 1のへりくだる気持ちが失せて、「言う」を改まり重々しくいう。「そうは—・しておらん」

  1. 動作対象を敬う謙譲語。

    1. ㋐「言う」の謙譲語。申し上げる。古くは、改まって言上する場合に多く用いられた。

      「(帝ニ)翁 (おきな) のありさま—・して」〈竹取

    2. ㋑神仏、朝廷などにお願い申し上げる。また、所望申し上げる。

      「母君の御行くへを知らむと、よろづの神仏に—・して」〈玉鬘

    3. 「いけずき(=馬ノ名)を—・さばやとは思へども」〈平家・九〉
    4. ㋒その人の名前・官位などを、人々が…と申し上げる。

      「田邑 (たむら) の帝と—・す帝おはしましけり」〈伊勢・七七〉

    5. ㋓「する」「なす」の謙譲語。…してさしあげる。「御助勢を—・しましょう」

      路次でお茶なりと—・さう物を」〈虎明狂・餅酒〉

  1. (補助動詞)動詞の連用形、現代語では「お」などを冠した動詞の連用形や動作をいう名詞に付いて、謙譲の意を表す。「お送り—・します」「御相伴—・します」

    1. 文覚が流さるる国へ迎へ—・さんずるものを」〈平家・一二〉

[可能]もうせる
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