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きょ‐こう【虚構】例文一覧 22件

  1. ・・・本の伝統的小説である身辺小説のように、簡素、単純で、伝統が作った紋切型の中でただ少数の細かいニュアンスを味っているだけにすぎず、詩的であるかも知れないが、散文的な豊富さはなく、大きなロマンや、近代的な虚構の新しさに発展して行く可能性もなく、・・・<織田作之助「大阪の可能性」青空文庫>
  2. ・・・一刀三拝式の私小説家の立場から、岡本かの子のわずかに人間の可能性を描こうとする努力のうかがわれる小説をきらいだと断言する上林暁が、近代小説への道に逆行していることは事実で、偶然を書かず虚構を書かず、生活の総決算は書くが生活の可能性は書かず、・・・<織田作之助「可能性の文学」青空文庫>
  3. ・・・談の中に出て来る人には名高い人もあり、勿論虚構の談ではないと考えられるのである。 定窯といえば少し骨董好きの人なら誰でも知っている貴い陶器だ。宋の時代に定州で出来たものだから定窯というのである。詳しく言えばその中にも南定と北定とあって、・・・<幸田露伴「骨董」青空文庫>
  4. ・・・これは私の創作「虚構の春」のおしまいの部分に載っている手紙文であるが、もちろん虚構の手紙である。けれども事実に於いて大いに相違があっても、雰囲気に於いては、真実に近いものがあると言ってよいと思う。或る人その人から私によこした手紙のような形式・・・<太宰治「帰去来」青空文庫>
  5. ・・・「随筆には虚構は、許されないのであって、」と書きかけて、あわてて破る。どうしても、言いたい事が一つ在るのだが、何気なく書けない。 目的の当の相手にだけ、あやまたず命中して、他の佳い人には、塵ひとつお掛けしたくないのだ。私は不器用で、何か・・・<太宰治「作家の像」青空文庫>
  6. ・・・というのや、また「虚構の春」などという作品を書いた。どうしてもその家から引き上げなければならなくなった日に、私は、たのむ! もう一晩この家に寝かせて下さい、玄関の夾竹桃も僕が植えたのだ、庭の青桐も僕が植えたのだ、と或る人にたのんで手放しで泣・・・<太宰治「十五年間」青空文庫>
  7. ・・・「虚構の彷徨」という私の第二創作集に、この写真を挿入しました。カモノハシという動物に酷似していると言った友人がありました。また、ある友人はなぐさめて、ダグラスという喜劇俳優に似ている、おごれ、と言いました。とにかく、ひどく太ったものです。こ・・・<太宰治「小さいアルバム」青空文庫>
  8. ・・・それでは読者にすまぬと、所謂、虚構を案出する、そこにこそ作家の真の苦しみというものがあるのではなかろうか。所詮、君たちは、なまけもので、そうして狡猾にごまかしているだけなのである。だから、生命がけでものを書く作家の悪口を言い、それこそ、首く・・・<太宰治「如是我聞」青空文庫>
  9. ・・・ その他、来春、長編小説三部曲、「虚構の彷徨。」S氏の序文、I氏の装幀にて、出版。 この日、午後一時半、退院。汝らの仇を愛し、汝らを責むる者のために祈れ。天にいます汝らの父の子とならん為なり。天の父はその陽を悪しき者・・・<太宰治「HUMAN LOST」青空文庫>
  10. ・・・との秘めたる交情も、不逞の私の、虚構である。それは、私に於ては、ゆるがぬ真実ではあっても、「葛原勾当日記」原本に於ては、必ずしも、事実で無い。はっきりした言いかたをするなら、それは、作家の、ひとりよがりの、早合点に過ぎぬだろう。けれども私は・・・<太宰治「盲人独笑」青空文庫>
  11. ・・・長兄は、謂わば立派な人格者なのであって、胸には高潔の理想の火が燃えて、愛情も深く、そこに何の駈引も打算も無いのであるから、どうも物語を虚構する事に於いては不得手なのである。遠慮無く申せば、物語は、下手くそである。何を書いても、すぐ論文のよう・・・<太宰治「ろまん燈籠」青空文庫>
  12.  最初の創作集は「晩年」でした。昭和十一年に、砂子屋書房から出ました。初版は、五百部ぐらいだったでしょうか。はっきり覚えていません。その次が「虚構の彷徨」で新潮社。それから、版画荘文庫の「二十世紀旗手」これは絶版になったよう・・・<太宰治「私の著作集」青空文庫>
  13. ・・・夫が不実をしたのなんのと云う気の毒な一条は全然虚構であるかも知れない。そうでないにしても、夫がそんな事をしているのは、疾うから知っていて、別になんとも思わなかったかも知れない。そのうち突然自分が今に四十になると云うことに気が附いて、あんな常・・・<著:プレヴォーマルセル 訳:森鴎外「田舎」青空文庫>
  14. ・・・どんな虚構、どんな作為のファンタジーにしても、それが文学として実在し、読者の心に実在感をもってうけいれられるためには、力をつくして、そのファンタジーや、ディフォーメーションにそのものとしての現実性を与えることに努力しているのである。〔一・・・<宮本百合子「新しい文学の誕生」青空文庫>
  15. ・・・偶然によってではなくて、はっきりした考えをもって、芸術の虚構の効果をあげている。 宗達の作品もいろいろであろうが、この作品のように清明で、精気こもった動的な美しさは、心から私たちをよろこばすものの一つだと思う。人間の艷、仕事の艷というも・・・<宮本百合子「あられ笹」青空文庫>
  16. ・・・インフレーションやアルバイトときりはなして、今日のわたしたちの学習生活が存在しないとおり、もし、今日の若い人々が経済事情をけとばしたような抽象的な学生生活を語るなら、その虚構の観念性を、誰よりも先ず若い人たち自身が軽蔑するであろう。 先・・・<宮本百合子「生きつつある自意識」青空文庫>
  17. ・・・母親の愛の感情が拡大され得る場合について考えても、これは私たちにとって決して虚構な希望ではないのである。 パストゥールの努力を描いた「科学者の道」という映画が今日なお私たちに与えている深い感銘も、この点にふれているからこそのことであろう・・・<宮本百合子「科学の精神を」青空文庫>
  18. ・・・ 嘘偽でかためた報道、虚構の現実ばかりを知らされ、今日はそれが虚構であった、ということだけを又手おくれに知らされて経済破局に面している日本の人々が、己れの幻滅につながるものとして、この真実のよりどころを殺戮されて還って来た兵士の精神の苦・・・<宮本百合子「逆立ちの公・私」青空文庫>
  19. ・・・「文学の虚構の真実」にしろ、「芸術至上主義の現代的悲劇」にしろ、「現代の創作方法論」にしろ、いずれもそれが云える。 文学において、創作の方法というものは、何とまざまざとその作家の社会的で芸術的な生きかた全幅を示すものであろうかということ・・・<宮本百合子「作家に語りかける言葉」青空文庫>
  20. ・・・川口検事が立って、検察側はだんじて拷問、人権蹂躙を行っていない。虚構誇大、事実をまげて検事裁判官、裁判所を誹謗し、演説会で宣伝する。これは侮辱、名誉毀損、恐喝、恐迫等の犯罪を構成する。適当な機会に断固たる処置をとりたい。数十名の弁護人ならび・・・<宮本百合子「それに偽りがないならば」青空文庫>
  21. ・・・つねに存在の最上級に居り、永遠に醒めている、互に誤解することさえない СССРが何故Dの作品を出版しないか その理由は、彼の芸術におけるこの危険にとんだ二重性による おどろくべき迫真力と虚構との。 それこそドストイェフスキー・・・<宮本百合子「ツワイク「三人の巨匠」」青空文庫>
  22. ・・・バルザックの人物を典型的という名でよぶ習慣が、いつか文学の世界に入って来ているが、私たち人間そのものの動きに立って、バルザックの文学における虚構の真実をふわけするならば、彼の人物たちは、典型というよりも寧ろ原型にちかい。 利慾、狡猾、打・・・<宮本百合子「バルザックについてのノート」青空文庫>