つくり【作り/造り】

  1. ものをつくること。また、つくられたようす。つくりぐあい。「店の―を変える」「みごとな―の家具」
  1. よそおい。身なり。化粧。「はでな―の女性」
  1. からだつき。体格。「がっしりした―の男」
  1. 刺身。つくりみ。おつくり。「鯛 (たい) の―」
  1. 状態を示す名詞の上に付けて、わざとそのふりをする意を表す。「―笑い」
  1. 耕作すること。また、農作物。
    • 「あの村鳥の多さでは、―がたまる事ではござらぬ」〈虎明狂・鳴子
[下接語]
(お)作り塚造罪作り庭作り(づくり)校倉(あぜくら)造り厚作り粗造り(いき)作り生け作り石造り一木造り一夜作り糸作り入母屋(いりもや)造り内室(うちむろ)造り大作り大鳥造り懸け造り香椎(かしい)造り春日(かすが)造り片流れ造り合掌造り皮作り寒造り祇園(ぎおん)造り木造り切妻造り蔵造り黒木造り黒作り格子造り小作り(こわ)作り権現(ごんげん)造り(さか)造り・霜降り作り・書院造り白壁(しらかべ)造り白木(しらき)造り寝殿造り神明造り数寄屋(すきや)造り巣造り住吉(すみよし)造り浅間(せんげん)造り大社造り田作り角屋(つのや)造り手作り出作り天地根元造り土蔵造り流れ造り荷作り(はし)作り・畑作り・八幡造り日吉(ひえ)造り火造り比翼造り平作り方形(ほうぎょう)造り細作り招き造り役作り(や)造り八つ棟造り寄せ木造り寄せ棟造り両流れ造り煉瓦(れんが)造り若作り
  1. つくりあわせ【作り合(わ)せ】
    • 二つの合掌形の屋根が接した所。作り合い。
    • 赤身の刺身と白身の刺身とを、一皿に調和よく盛り合わせること。
  1. つくりうた【作り歌/作り唄】
    • 世の出来事などを題材とした俗謡。
      「その名さまざまの―に、遠国までも伝へける」〈浮・五人女・二〉
  1. つくりえ【作り絵】
    • 大和絵の技法の一。墨線で下描きし、その上から彩色を施し、最後に人物の顔貌や衣の輪郭などを墨線で精緻(せいち)に描(か)き起こすもの。平安時代の源氏物語絵巻が典型的な例。
  1. つくりえだ【作り枝】
    • 金銀などを草木の枝に似せて作ったもの。贈り物・献上物などをつけるのに用いた。
      「梅の―に雉(きじ)を付けて奉るとて」〈伊勢・九八〉
    • 手を加えていろいろの形に作った枝。
      「松の作り木、―」〈浄・傾城酒呑童子〉
  1. つくりかえ【作り替え】
    • つくりかえること。また、そのもの。
    • 中世、利息の制法を逃れるために、利息を元金に書き加え、改めて作った借用書。作替借書(しゃくしょ)
  1. つくりがお【作り顔】
    • とってつけたような不自然な顔つきをすること。また、その顔つき。
  1. つくりかた【作り方】
    • つくる方法。こしらえかた。「菓子の―を教わる」
    • つくったようす。できばえ。できぐあい。「この服の―は粗雑だ」
  1. つくりかわ【作り皮/革】
    • 毛を取り去った獣皮。なめし革。〈和名抄〉
    • 漢字の部首の革偏(かわへん)の異称。また、「革」の字を「皮」と区別していう語。
  1. つくりきょうげん【作り狂言】
    • 能狂言などを新しく作ること。また、その作品。
    • 作りごとの芝居。ふつう、歌舞伎狂言をいう。
  1. つくりご【作り子】
    • 中世、種子・肥料・農具などを地主から借り受けて耕作した小作農民。地主のためのさまざまな労役義務を負った。名子(なご)
  1. つくりご【作り碁】
    • 囲碁で、中押(ちゅうお)でなく、最後まで打って、地(じ)を作り直して数える碁。また、そのように、地合いの差が接近している碁。作碁(さくご)
  1. つくりごえ【作り声】
    • 地声でない、こしらえた声。また、ある人や動物に似せた声。「―で電話する」
  1. つくりごと【作り言】
    • 実際にはないことを、あるかのように言うこと。また、その言葉。そらごと。うそ。「―にだまされる」
  1. つくりごと【作り事】
    • 実際にない出来事をあるかのように作り出した事柄。こしらえごと。「この手記は大部分が―だ」
    • 人工を加えて作ったもの。
      「この岩根の松も、こまかに見れば、えならぬ―どもなりけり」〈・少女〉
  1. つくりこみ【造り込み】
  1. つくりざかや【造り酒屋】
    • 酒を醸造して卸す店。小売りの酒店に対していう。
  1. つくりざけ【造り酒】
    • 酒を醸造すること。また、醸造した酒。醸酒(じょうしゅ)
  1. つくりじ【作り字】
    • 日本で、漢字をまねて作った文字。「峠」「辻(つじ)」「畑」など。国字。
    • 自分勝手に作った字。
    • 物などを並べて文字の形を作ること。また、その文字。
  1. つくりだ【作り田/佃】
    • つくだ(佃)1」に同じ。
      「―の刈るべき君が御代なればいなふさ山の豊かなりけり」〈夫木・二〇〉
  1. つくりだおれ【作り倒れ】
    • 不作のために身代の倒れること。
      「こちの隣に分限者(ぶげんしゃ)の―があったげな」〈浄・八百屋お七
  1. つくりたけ【作り茸】
  1. つくりだち【造り太刀】
    • 木で太刀の形に造ったもの。木太刀。
  1. つくりたて【作り立て】
    • つくり終えて間のないこと。また、そのもの。こしらえたて。「―のみそ汁」
    • つくりあげること。また、新たにつくること。
      「恵嵩と云ふ僧が、詩―をして、自負して」〈中華若木詩抄・下〉
  1. つくりつけ【作り付け】
    • 家具などを壁や床に建物の一部として作ること。また、そのもの。「―の食器棚」
  1. つくりつち【作り土】
    • 耕地の上層の土。耕作する部分の土壌。
    • 園芸用に各種の土壌をまぜ合わせて作った土。
  1. つくりて【作り手】
    • 作る人。製作者。「映画の―」
  1. つくりどり【作り取り】
    • 田畑の収穫物を年貢として納めず、全部自分の所得とすること。また、その田畑。江戸時代、新田開発などの直後から一定期間免税措置としてとられた。さくどり。
  1. つくりな【作り名】
    • 本名とは別に、本人が作って用いる名。号・字(あざな)など。また、いつわりの名。偽名。
  1. つくりなき【作り泣き】
    • 悲しくもないのに泣くふりをすること。また、その泣き方。うそなき。そらなき。
  1. つくりにわ【造り庭】
    • 庭師などの手を加えて風情(ふぜい)のあるようにつくった庭。
      「―の灯籠の灯影」〈秋声・足迹〉
  1. つくりばな【造り花】
    • 紙や布地などで花の形に似せて作ること。また、その花。ぞうか。
  1. つくりばなし【作り話】
    • ないことをいかにも本当らしく作った話。また、事実ではなく想像で作った話。うその話。「―にまんまとのせられる」
  1. つくりひげ【作り髭】
    • 髭のない人が髭のあるように見せるためにつけるもの。かりひげ。つけひげ。
    • 昔、蝋(ろう)と松脂(まつやに)をまぜたものをつけて髭の形をととのえたもの。
    • 江戸時代、(やっこ)などが鍋墨や紙で顔につけた髭。
      「―の奴(やっこ)に草履もたすなど」〈浮・一代女・二〉
  1. つくりびたい【作り額】
    • 額ぎわの毛を抜いたりそったりして、形よく作った額。
  1. つくりびと【作り人】
    • 作った人。作者。つくりぬし。つくりて。
    • 農作物を作る人。百姓。
  1. つくりびょうき【作り病気】
    • 偽って病気であるかのようなふりをすること。つくりやまい。仮病(けびょう)
      「見す見す―と知れていても」〈魯庵・社会百面相〉
  1. つくりぶみ【作り文】
    • 内容をいつわって書いたり、人の名をかたって書いたりしたような、にせの手紙。
      「ある日―して持たせやるに」〈浮・諸艶大鑑・五〉
  1. つくりぼとけ【作り仏】
    • 木や石などで作った仏像。
      「めでたきもの…―の木画(もくゑ)」〈・八八〉
  1. つくりまなこ【作り眼】
    • わざといつもと違う目つきをすること。
      「臂(ひぢ)を張り、―する者にてぞあるらんと覚えたる武士七八人」〈太平記・三九〉
    • 色目をつかうこと。
      「―して召し使ひの女などに言葉やさしくかけて」〈浮・新可笑記・三〉
  1. つくりまゆ【作り眉】
    • まゆをそり落として、墨でまゆの形をかくこと。また、そのまゆ。昔、既婚の女性が行ったもの。
  1. つくりみ【作り身】
    • 魚の切り身。
    • 刺身。つくり。
  1. つくりみず【作り水】
    • 一度沸かしたうえでさました水。湯ざまし。におもい。〈和名抄〉
  1. つくりみち【作り道】
    • 新しくつくった道。新道。
      「廻廊あり、楼門あり、―十余町見くだしたり」〈平家・八〉
  1. つくりみょうが【作り冥加】
    • 農作物に対する神仏の加護。
      「商ひ冥加、―、よろづの幸ひあらする釣り針を」〈虎明狂・夷毘沙門〉
  1. つくりもの【作り物】
    • 人の手で実物そっくりに作ったもの。まがいもの。人造物。模造品。「―のダイヤの指輪」
    • 事実に基づかず、虚構によって作り出した事柄、または文学作品。
      「何だか小説か―のようで」〈逍遥当世書生気質
    • 能や狂言で、舞台に据える簡単な装置。山・舟・宮殿・釣鐘など。小道具にもいう。
    • 歌舞伎などの芝居で、舞台装置のこと。大道具。
    • 祭礼などで、趣向をこらした人形などの飾りもの。
    • 田畑で作るもの。農作物。
      「あの者が―少しも損ねざるやうに」〈浮・桜陰比事・二〉
  1. つくりものがたり【作り物語】
    • 仮作の物語。つくりばなし。
    • 平安時代の物語の一種。古来の民間伝承や漢文にみる伝奇などから発展した、虚構性・伝奇性の強い物語。竹取物語宇津保物語など。
  1. つくりやまい【作り病】
    • いつわって病気のふりをすること。仮病(けびょう)
      「ある時、―をして、隠れ家にてみづから食物を調へけるに」〈咄・きのふはけふ・上〉
    • 自分から病気をつくりだすこと。また、その病気。
      「上の御心より起こったる―」〈浄・聖徳太子〉
  1. つくりやまぶし【作り山伏】
    • 山伏の姿をよそおった、にせの山伏。
      「判官殿十二人の―となって、奥へおん下りのよし」〈謡・安宅
  1. つくりわらい【作り笑い】
    • [名](スル)おかしくもうれしくもないのに、わざと笑うこと。そら笑い。「―してその場をつくろう」