1. 五十音図ナ行の第2音。歯茎鼻音の有声子音[n]と母音[i]とから成る音節。[ni]

  1. 平仮名「に」は「仁」の草体から。片仮名「ニ」は「二」の全画。

洋楽音名の一で、日本音名の第2音。

  1. 数の名。1の次、3の前の数。ふた。ふたつ。「1プラス1は—」

  1. 2番目。第2。つぎ。あと。「—の句」

  1. 三味線で、二の糸

  1. (弐)大宰府の次官。大弐少弐がある。

[補説]「弐」は金銭証書などで、間違いを防ぐために「二」の代わりに用いることがある。

土。特に赤土。

「櫟井 (いちひゐ) の丸邇坂 (わにさ) の—を端 (はつ) —は膚赤らけみ」〈・中・歌謡

《「土 (に) 」と同語原》

  1. 赤い色。丹色。「—塗りの鳥居

  1. 赤い色の顔料に用いる赤土。

    1. 「丹生 (にふ) の郷 (さと) 。昔時 (むかし) の人、此の山の沙 (すなご) を取りて—に該 (あ) てき」〈豊後国風土記

[名]《「比丘尼」の略》出家して戒を受けた女性。あま。
[接尾]出家した女性の名の下に添えて用いる。「蓮月—」
  1. 運搬するようにまとめた品物荷物。「—を運ぶ」

  1. 責任。また、負担。「約束を果たして—が軽くなる」「病人世話が—になる」

煮ること。煮えること。また、そのもの。にえ。「—が足りない」「クリーム—」

玉。特に、赤く美しい玉。

「五百箇 (いほつ) の御統 (みすまる) の—の綸 (を) を」〈神代紀・上〉

[助動]

  1. 断定の助動詞「なり」の連用形》⇒なり[助動]

  1. 《完了の助動詞「ぬ」の連用形》⇒[助動]

[格助]名詞、名詞に準じる語、動詞の連用形・連体形などに付く。
  1. 動作作用の行われる時・場所を表す。「三時—間に合わせる」「紙上発表する」

    1. 「熟田津 (にきたつ) —舟 (ふな) 乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」〈・八〉

    2. 「二十一日、卯 (う) の時ばかり—船出 (い) だす」〈土佐
  1. 人・事物存在出現する場所を表す。「庭—池がある」「右—見えるのが国会議事堂です」

  1. 動作作用の帰着点・方向を表す。「家—着く」「東—向かう」

    1. 「蟻のごとくに集まりて、東西—急ぎ、南北—走 (わし) る」〈徒然・七四〉

  1. 動作作用・変化の結果を表す。「危篤—陥る」「水泡—帰する」

    1. 青葉—なり行くまで、よろづにただ心をのみぞ悩ます」〈徒然・一九〉

  1. 動作作用目的を表す。「見舞い—行く」「迎え—行く」

    1. 「白馬 (あをうま) 見—とて里人は車清げにしたてて見—行く」〈・三〉

  1. 動作作用の行われる対象相手を表す。「人—よくかみつく犬」「友人—伝える」

    1. 「人—若菜給ひける御歌」〈古今・春上・詞書

  1. 動作作用原因理由・きっかけとなるものを示す。…のために。…によって。「あまりのうれしさ—泣き出す」「退職金をもとで—商売を始める」

    1. 「春の野に若菜摘まむと来 (こ) しものを散りかふ花—道はまどひぬ」〈古今・春下〉

  1. 動作作用の行われ方、その状態のあり方を表す。「直角—交わる」「会わず—帰る」

    1. 「桐の木の花、紫—咲きたるはなほをかしきに」〈・三七〉

  1. 資格を表す。…として。「委員—君を推す」

    1. 「はじめより我はと思ひあがり給へる御方々、(桐壺ノ更衣ヲ)めざましきもの—おとしめそねみ給ふ」〈桐壺

  1. 10 受け身・使役相手対象を表す。「犬—かまれた」「巣箱子供たち—作らせる」

    1. 「ありがたきもの、舅 (しうと) —ほめらるる婿」〈・七五〉

  1. 11 比較割合基準や、比較対象を表す。「君—似ている」「一日—三回服用する」

    1. 「御袴着 (はかまぎ) のこと、一の宮の奉りし—劣らず」〈桐壺

  1. 12場所を示す用法から転じて、多く「には」の形で)敬意対象を表す。「博士—は古稀 (こき) の祝いを迎えられた」「先生—はいかがお過ごしですか」

    1. 「うへ—も聞こしめして渡りおはしましたり」〈・九〉

  1. 13動詞・形容詞を重ねて)強意を表す。「騒ぎ—騒ぐ」

    1. 「風いたう吹き、海の面 (おもて) ただあし—あしうなるに」〈・三〇六〉

  1. 14 「思う」「聞く」「見る」「知る」などの動詞に付いて状態内容を表す。

    1. 「この継母の有様をあたらしきもの—思ひて」〈・帚木〉

  1. 15 比喩 (ひゆ) の意を表す。

    1. 逢坂をうち出でて見れば近江の海白木綿花 (しらゆふはな) —波立ち渡る」〈・三二三八〉

[接助]活用語の連体形に付く。
  1. あとの叙述の前置きとして続ける意を表す。…と。…ところ。「考えてみる—庶民のための政治は当分望めそうにない」「こともあろう—警官にけんかを売るとは」

    1. 「あやしがりて寄りて見る—、筒の中光りたり」〈竹取

  1. 理由原因を表す。…ので。…だから。

    1. 「渡し守、はや舟に乗れ、日も暮れぬと言ふ—、乗りて渡らむとするに」〈伊勢・九〉

  1. 逆接の確定条件を表す。…けれども。…のに。…だが。

    1. 「日中の照りに乾いて、きょうは道が好かった—、小庭の苔はまだ濡れている」〈鴎外・蛇〉

    2. 「よろしうよみたりと思ふ歌を人のもとにやりたる—、返しせぬ」〈・二五〉
  1. 添加並列を表す。…のに加えて。…の上にさらに。

    1. 「旅の空を思ひやるだにいとあはれなる—、人の心もいと頼もしげには見えずなむありける」〈かげろふ・上〉

[補説]接続助詞「に」は、用言の連体形に付く格助詞「に」から転じたもので、1口語では多く「要するに」「こともあろうに」などの慣用的表現として用いられる。
[終助]
  1. 《上代語》活用語の未然形に付く。他に対してあつらえ望む意を表す。…てほしい。

    1. 「ひさかたの天路 (あまぢ) は遠しなほなほに家に帰りて業 (なり) をしまさ—」〈・八〇一〉

  1. 《近世語》活用語の終止形に付く。軽く注意を促したり、とがめたりする意を表す。…のにな。…のだぜ。

    1. 「飯をたいたら、かゆになってしまうわな。米をたくといへばいい—」〈滑・膝栗毛・初〉

[並助]並列列挙添加・取り合わせを表す。「バター—チーズ—牛乳」「月—むら雲、花—嵐」
    1. 「有識 (いうそく) —公事 (くじ) のかた、人の鏡ならんこそいみじかるべけれ」〈徒然・一〉

語素体言の下に付いて、そのものに似ているさまを表す。「母親—」「他人の空—」
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