」の濁音。軟口蓋の有声破裂子音[ɡ]と母音[a]とから成る音節。[ɡa]ただし、現代共通語においては、一般に語頭以外では鼻音の頭音をもつ[ŋa]となる(これを鼻濁音の「が」ともいう)。

[補説]歴史的仮名遣いの合拗音「ぐゎ」は現代仮名遣いでは「が」と書く。「ぐゎか(画家)」は「がか」、「ぐゎいこく(外国)」は「がいこく」など。
  1. われ。自分自我。「—の意識

  1. 自分意志や考えを言い張って、人の言葉に従わないこと。わがまま。「あくまでも—を張り通す」

  1. (梵)ātmanの訳》仏語。人間の個体そのもの。また、その個体の中心生命。

絵。絵画

  1. 喜び祝うこと。祝い。「米寿の—」

  1. 勅撰 (ちょくせん) 和歌集の部立ての一。祝賀の歌をおさめる。

鱗翅 (りんし) 目の昆虫のうち、チョウ類を除いたものの総称。主に、夜間活動し、胴が太く地味な色で、触角糸状・羽毛状・くしの歯状などをし、静止するときにチョウのように翅 (はね) を立てないものをいう。幼虫毛虫芋虫が多く、さなぎになるときにを作るものが多い。日本には約5000種が分布カイコガハマキガドクガスズメガヤガシャクガヒトリガなど。 夏》

馬が引く車や駕籠 (かご) 。

[名・形動]みやびやかなこと。奥ゆかしいこと。また、そのさま。風流。
    1. 「馬が尿 (いばり) するのをさえ—な事と見立てて」〈漱石草枕

[名]詩経」の六義 (りくぎ) の一。王朝儀式宴席でうたわれた詩歌大雅小雅に分かれる。
[接]《接続助詞「が」から》前に述べた事柄と相反する内容を述べるのに用いる語。だが。けれども。「早朝だった。—、多くの人が集まっていた」
[格助]名詞または名詞に準じる語に付く。
  1. 動作存在状況主体を表す。「山—ある」「水—きれいだ」「風—吹く」

    1. 兼行 (かねゆき) —書ける扉」〈徒然・二五〉

  1. 希望好悪・能力などの対象を示す。「水—飲みたい」「紅茶—好きだ」「中国語—話せる」

    1. 「さかづき—たべたいと申して参られてござる」〈虎明狂・老武者〉

  1. (下の名詞を修飾し)所有所属分量同格類似などの関係を示す。

    1. 所有。…の持つ。「われら—母校

      「君—名もわ—名もたてじ難波なるみつとも言ふなあひきとも言はず」〈古今・恋三〉

    2. 所属。…のうちの。

      「上 (かみ) (=上級)—上はうちおきはべりぬ」〈・帚木〉

    3. 分量

      「この二三年—うちの事なるべし」〈今昔・二七・三七〉

    4. 同格。…という。

      「明日—日、眼 (まなこ) をふさぐとも」〈浄・宵庚申

    5. 類似。…のような。

      象潟 (きさかた) や雨に西施 (せいし) —ねぶの花/芭蕉」〈奥の細道

  1. (準体助詞的に用いて)下の名詞を表現せず、「…のもの」「…のこと」の意を表す。

    1. 「この歌はある人のいはく、大伴のくろぬし—なり」〈古今・雑上・左注

  1. 形容詞に「さ」の付いたものを下に伴って、それとともに感動を表す。…が…(であることよ)。

    1. 「塵泥 (ちりひぢ) の数にもあらぬ我ゆゑに思ひわぶらむ妹 (いも) —かなしさ」〈・三七二七〉

  1. 連体句どうしを結んで、その上下の句が同格であることを表す。…(なもの)であって…(なもの)。

    1. 「いとやむごとなき際 (きは) にはあらぬ—、すぐれて時めきたまふありけり」〈桐壺

  1. (「からに」「ごとし」「まにまに」「むた」「やうなり」などの上に置かれ)その内容を示す。

    1. 「吹く風の見えぬ—ごとく跡もなき世の人にして」〈・三六二五〉

[補説]2は、中古末期に生じた。対象語とよぶ説や連用修飾語とする説もある。3は、現代語では、文語的表現や、「それがために」などの慣用的表現に使われる。なお、古語で、人名や人を表す体言に付く場合、「の」に比して、「が」は親しみを込めたり卑しんだりする意を表すといわれる。5は、上代に限られ、連体格助詞から主格助詞への過渡的用法とみられる。6は、連体格または体言相当句中の主格を示すものとみる説もある。
[接助]4用法から発達して中古末期に確立した》活用語の終止形(古語では連体形)に付く。
  1. 単に前の句をあとの句へつなぐ意を表す。「すみません—、しばらくお待ちください」

    1. 「御むすめのはらに女君二人男君一人おはせし—、この君たちみな大人び給ひて」〈大鏡道隆

  1. 相反する句をつなげる。けれども。「昼は暖かい—、夜はまだまだ寒い」「走りつづけた—、間に合わなかった」

    1. 「昔より多くの白拍子 (しらびゃうし) ありし—、かかる舞はいまだ見ず」〈平家・一〉

  1. 推量の助動詞に付いて)それに拘束されない意を表す。「行こう—行くまい—、君の勝手だ」

[終助]
  1. 言いさしの形で用いる。

    1. ㋐ある事柄実現することを願う意を表す。「この風がやめばいい—」

    2. ㋑はっきり言うのをためらう意を表す。「こちらのほうがよろしいと思います—」

      「なるほどさう聞きや、おまへのがほんまにもっともらしい—」〈滑・浮世風呂・二〉

    3. 不審の意を表す。「おかしいな、八時に集合のはずだ—」

  1. (多く体言体言の下にののしる意の接尾語「め」を伴ったものに付いて)ののしりの感情を強める。「このあほうめ—」「あいつめ—」

    1. 「敵 (かたき) の回し者め—」〈伎・幼稚子敵討〉

  1. 助詞「も」に付き、多くは下に感動助詞「な」「も」などを伴って)感動を込め、実現できそうもない願望を表す。…があったらなあ。…であってほしいなあ。→もがもがな

    1. 「あしひきの山はなくも—月見れば同じき里を心隔 (へだ) てつ」〈・四〇七六〉

[補説]1は接続助詞「が」でとめ、下を省略した形から生じた用法3は「てしか」(てしが)「にしか」(にしが)の「か」「が」と関係づける説もある。

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2023年11月