かぎり【限り】

  1. 時間・空間・数量・程度などの境や限界。また、終わり。最後。「―ある命を生きる」「学問の世界に―はない」「今を―と鳴きしきる蝉 (せみ) 」
  1. (活用語の連体形や名詞に直接、または名詞に「の」の付いた形に付く。副詞的にも用いる)ある範囲・制限の内にあることを表す。
  1. ㋐その範囲の内。あいだ。「私の聞いた―では、そうではなかった」「命ある―忠誠を尽くします」
  1. ㋑その制限の内。「本日―の大安売り」「チャンスは一回―だ」「緊急の場合はこの―ではない」
  1. ㋒その範囲内すべて。全部。「見渡す―の大平原」
  1. ㋓そのことの限度いっぱい。限界まで。「力の―戦う」「心強い―である」「乱暴の―を働く」
  1. (接続助詞的に用いて)…するあいだは。…である以上は。…するからには。「君がここにいる―僕も付き合う」「正直に言わない―帰さない」
  1. 命が絶える時。臨終。
    • 「国に行き着きければ、―なる様になりにけり」〈今昔・三一・二八〉
  1. 葬式。野辺送り。
    • 「―の有様さへはかなげにて、煙も多くむすぼほれ給はずなりぬるも」〈・総角〉
  1. 特定の場合・物事を限定していう。だけ。
    • 「牛の―引き出でて往 (い) ぬる」〈・二五〉
  1. さだめ。きまり。規則。
    • 「祭りのほど、―ある公事に添ふこと多く」〈・葵〉
[下接語]
有らん限り有る限り命限り命の限りお見限り(こん)限り身代限り(そ)の場限り・骨限り
  1. 限りある位
    • その人の身分の中で許される最高の位。
      「春宮に、―なりとも、このごろ譲り聞えて」〈栄花・歌合〉
  1. 限りある道
    • 死出の旅路。
      「ただ―の別れのみこそ後ろめたけれ」〈・初音〉
  1. 限りある世
    • この世。現世。
      「別れてはいつ相見むと思ふらむ―の命ともなし」〈後撰・離別〉
  1. 限りを尽くす
    • あるだけ全部を出し尽くす。また、極める。「力の―・す」「贅(ぜい)の―・す」
  1. かぎりづき【限り月】
  1. かぎりのこと【限りの事】
    • 死者を葬るための行事。葬儀。
      「御心地をあながちにしづめ給ひて、限りの御事どもし給ふ」〈・御法〉
  1. かぎりのたいこ【限りの太鼓】
    • 江戸時代、上方(かみがた)の遊郭で大門をしめる時刻を知らせるために打った太鼓。門限は、寛永(1624~1644)は四つ(午後10時ごろ)、貞享・元禄(1684~1704)ごろには九つ(午前零時ごろ)、宝永(1704~1711)初年には八つ(午前2時ごろ)であったという。
  1. かぎりのたび【限りの度】
    • 最後の機会。
      「あやにくに―しも入れ奉らずなりにしよ」〈・蜻蛉〉
  1. かぎりのたび【限りの旅】
    • 《命には限度があり、どうしても行かなくてはならない旅の意から》死んであの世へ行くこと。死出の旅。
      「はかなき御悩みと見ゆれど、―にもおはしますらむ」〈・椎本〉
  1. かぎりのつき【限りの月】
    • 12月の異称。極月(ごくげつ)。師走。かぎりづき。