ひんけつ【貧血】<女性の病気>
| 鉄 | ヘモグロビンの構成要素 | レバー、ブリ、アサリ、カキ、コマツナ、パセリ、シソ、カツオ、シジミ、ハマグリ、ホウレンソウ、シュンギク、セリ、ヒジキ |
|---|---|---|
| ビタミンC | 鉄分の吸収を促進する | ブロッコリー、ピーマン |
| たんぱく質 | ヘモグロビンの構成要素であり、鉄分の吸収も促進する | 牛肉、鶏肉 |
どんな病気か?
貧血は、ヘモグロビンの減少している状態
血液は赤血球(せっけっきゅう)、白血球(はっけっきゅう)、血小板(けっしょうばん)、血漿(けっしょう)から成り、体内を留まることなく流れ続けています。血液は肺を通過するときに、余分な二酸化炭素を除去し、酸素を取り入れて、また全身を巡ります。
そして、全身の細胞に酸素とエネルギー源を供給し、同時に老廃物を除去するなど、人体の機能にとっては、とてもたいせつな役割をはたしています。
この流れのなかで、肺で酸素を受け取る役割をするのが、赤血球です。最初に赤血球中のヘモグロビンというたんぱく質が酸素と結合し、体内に酸素を供給します。
そしてヘモグロビンはそこで生じた二酸化炭素と再び結合し、肺へもどるのです。
貧血(ひんけつ)は、このヘモグロビンの量が正常値よりも減少している状態をいいます。
◆貧血とみなされるヘモグロビン量
成人男子‥‥‥13g/dl以下
成人女子‥‥‥12g/dl以下
妊婦‥‥‥‥‥11g/dl以下
そのために、十分な酸素が全身に供給されず、各機能の働きが低下して、さまざまな症状を引き起こすのです。
貧血の一般症状は、だるい、寒け、動悸(どうき)や息切れ、食欲不振や吐(は)き気(け)などの自覚症状のほか、顔色が悪い、目や口の粘膜(ねんまく)が白いなどの外見的な症状もあります。
関連する食品
ヘモグロビンが減少する原因としては、ヘモグロビンの構成要素である鉄分の不足、赤血球をつくる骨髄(こつずい)の異常、赤血球の破壊など、いくつかあります。
その原因によって貧血の種類がわけられ、一般症状に加え、別な症状もみられるようになります。
しかし、貧血のなかでもっとも多いのは、鉄分の不足による鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)です。
一般に、貧血というと、この鉄欠乏性貧血を意味することがほとんどです。
とくに若い女性に多くみられ、5人に1人は貧血だといわれているほどです。
もともと鉄分は吸収されにくい物質で、摂取した10%しか吸収されません。さらに、女性は月経時に出血するために男性の20%も多くの鉄分が、また妊婦にいたってはおよそ男性の倍の鉄分が必要になります。
それゆえに、スタイルを気にしてのダイエットや、かたよった食生活により、貧血を起こしやすくなるのです。
◆1日の鉄分の所要量
成人男子‥‥‥‥‥‥‥10mg
成人女子‥‥‥‥‥‥‥12mg
妊婦(前期)‥‥‥‥‥15mg
妊婦(後期/授乳期)‥20mg
鉄欠乏性貧血の場合、前にあげた一般症状に加え、爪(つめ)が平たくなったりスプーン状になる、舌がただれたり、肩こりや頭痛が現れたりすることもあります。
出血をともなう場合や急激な貧血症状には鉄剤の投与が行われますが、改善や予防には体重やスタイルを気にせず、毎日3食きちんと食事をすること、必要な栄養をしっかりととることがたいせつです。
緑黄色野菜と組み合わせ、効率的に鉄分を摂取
栄養成分としての働きから
鉄分が不足して起こるだけに、鉄の補給は欠かせません。鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、吸収率が異なります。
レバーなどの内臓肉や肉類、カツオやブリなどの赤身の魚、シジミやアサリ、ハマグリ、カキなどの貝類に含まれる鉄分をヘム鉄といいます。一方、ホウレンソウやコマツナ、シュンギク、パセリ、シソなどの野菜、ヒジキや豆類に含まれる鉄分を非ヘム鉄といいます。吸収率はヘム鉄のほうが、かなりまさります。
両方ともビタミンCといっしょに摂取すると吸収しやすくなるので、ブロッコリーやピーマンなどの緑黄色野菜をじょうずに組み合わせて食べると効果的です。
同様に動物性のたんぱく質も非ヘム鉄の吸収を促進します。とくに牛肉と鶏肉にその効果がみられます。同時にたんぱく質も、ヘモグロビンの重要な構成要素なので、十分な量を摂取したい栄養素です。
漢方的な働きから
漢方では、血液を浄化させるために、カルシウムをたっぷり摂取することもたいせつとされています。
キクラゲにはその作用が十分に含まれると同時に、漢方的にも白キクラゲは血液浄化の薬効がとくにすぐれているとされています。料理に使用するほか、煎(せん)じておいてあたためて飲むといいでしょう。
造血作用をうながすには、漢方的に効果があるとされている栄養補助食品なども役に立ちます。
ローヤルゼリーがその1つで、造血作用のほか、とくに婦人科系疾患などによる貧血には効果的とされています。
同様にクマ笹エキスにも造血作用がありますが、これはローヤルゼリーとはちがい、末梢(まっしょう)血管を拡張する働きがあるため、全身の隅々まで酸素を送り込むことで貧血を予防・解消します。
意外にも、皮膚疾患に効果があるとされている漢方薬、ドクダミも貧血に効果があります。毎食前にコップ1杯の煎じたドクダミを飲むようにしましょう。
このほかにも、漢方薬ではアカヤジオウが貧血の特効薬といわれています。
乾燥させたアカヤジオウの根を煎じて飲みますが、薬用酒として地黄酒(じおうしゅ)を代用することもできますし、地黄などの生薬(しょうやく)が含まれる十全大補(じゅうぜんたいほ)酒も貧血の予防効果があります。
また、たまごの殻も貧血によいと昔からいわれています。細かく砕いたたまごの殻(から)をきつね色になるまで煎(い)り、さらに粉末状にしてぬるま湯に溶かして飲むのです。
注意すべきこと
コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるタンニンは、鉄分と結合して、鉄分の吸収をさまたげてしまうので、鉄剤服用時にはお茶やコーヒーでとらないほうがよいといわれてきました。しかし、鉄剤に含まれる鉄が多いため、あまり影響がないのではともいわれています。気になる場合は、ぬるま湯で服用しましょう。





