からには/以上(は)/かぎり(は) の解説 - 小学館 類語例解辞典

からには/以上(は)/かぎり(は) の共通する意味

前件が成立することにより、当然後件の事態が成り立つという、強い因果関係を表わす。

からには/以上(は)/かぎり(は) の使い方

からには
▽いったん引き受けたからには最後まで責任を持ってやり抜かなくてはならない ▽彼女を犯人と決めつけるからには何か確実な証拠でもあるに違いない
以上(は)
▽二十歳を過ぎた以上親に頼ってばかりはいられない ▽失敗する確率が高い以上は、計画を変更せざるをえない
かぎり(は)
▽高齢者を雇うかぎり、きちんとした安全対策は欠かせない ▽上司の許しを得ないかぎりは機械を動かすわけにはいかない

からには/以上(は)/かぎり(は) の使い分け

「からには」「以上(は)」は、「XからにはY」「X以上(は)Y」の形で、Xを理由として取りたてる表現である。Xの成立が決定的なので、その上でとるべき態度や心構え(Y)を述べるもので、文末には「なければならない」「つもりだ」「はずだ」「てはいけない」など話し手の意志を強調する表現がおかれやすい。また、Xが成立する背景にはその原因となるYがある、と想像する場合(表例(1))もあるが、「からには」にくらべて「以上(は)」は使いにくいようである。
「からには」と「以上(は)」では、一般に「以上(は)」の方が用法が広く、因果関係とまでいえないような、単なる順接確定条件(表例(2))にも使うことができる。
「かぎり(は)」は、…するあいだは、…するうちはの意味で、範囲を限定するのが本来の用法である。

からには/以上(は)/かぎり(は) の関連語

からは
「からには」より文語的。民謡や流行歌に多く使われている。「男がこうと決めたからは、やらねばならぬ死んだとて」
うえは
「以上(は)」と同じ意味。「こうして日本に来たうえは、一日も早く日本の習慣に慣れるつもりだ」

からには/以上(は)/かぎり(は) の類語対比表

ここまで来た…山頂まで登ろうそこまで言われた…黙って引き下がれない①そうまで嫌がる…何かわけがあるだろう②そうまで嫌がる…どうしようもない雨が降り続く…川の水位は上がり続ける
からには
以上(は)
かぎり(は)

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