えん‐けん【偃蹇】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 物が延び広がったり高くそびえたりしているさま。また、多く盛んなさま。「—として澗底(かんてい)に嘯(うそぶ)く松が枝には」〈漱石・薤露行〉 2 おごり高ぶるさ...
かい‐ろ【薤露】
《薤(にら)の葉の上に置く露は消えやすいところから》人の世のはかないことや、人の死を悲しむ涙をいう語。また、漢の田横の門人が師の死を悲しんだ歌の中にこの語があったことから、葬送のときにうたう挽歌...
かつ‐ぜん【戛然】
[ト・タル][文][形動タリ]堅い物が触れ合って音を発するさま。「玉と玉と撃てる音か、—と瞬時の響きを起こす」〈漱石・薤露行〉
かん‐てい【澗底】
谷の深い所。たにそこ。「—に嘯(うそぶ)く松が枝(え)には」〈漱石・薤露行〉
ご‐さい【五菜】
1 5種の野菜。韮(にら)・薤(らっきょう)・葱(ねぎ)・山葵(わさび)・藿(まめ)。 2 5種のおかず。「二汁—」
たいら・ぐ【平らぐ】
[動ガ五(四)] 1 穏やかになる。おさまる。しずまる。「たぎりたる脳の漸く—・ぎて」〈漱石・薤露行〉 2 平らになる。「山の頂の少し—・ぎたるより、煙は立ちのぼる」〈更級〉 3 病気が治る。...
やく・する【扼する】
[動サ変][文]やく・す[サ変] 1 強く押さえる。締めつける。「ランスロットは腕を—・して」〈漱石・薤露行〉 2 要所を占める。「二隊の兵を随えて大和橋を—・して」〈鴎外・大塩平八郎〉