1. 自然が有する地下の熱源を利用して発電すること。熱源を取り出す方法は、地下坑井を掘削して天然の蒸気、熱水を取り出す方法と、高温岩体発電とがある。  発電方式は、坑井より噴出した蒸気あるいは熱水をフラッシュして発生した蒸気でタービンを駆動する蒸気発電方式、熱水を利用するバイナリーサイクル発電方式および蒸気および熱水を二相流のまま利用するトータルフロー発電方式などがあり、これら発電システムをまとめると次の如くである。 1.蒸気専用  1.1 背圧タービン  1.1.a 過熱蒸気  1.1.b フラッシュ蒸気  1.2 復水型タービン  1.2.a 過熱蒸気  1.2.b フラッシュ蒸気 2.バイナリー・サイクル  2.1 熱水専用  2.2 熱水蒸気併用 3.トータル・フロー・システム  このうち、過熱蒸気を使うか、フラッシュ蒸気を使うかは資源の状態によるもので、利用の側からは選択の余地はない。  背圧タービンはタービン出口圧力は大気圧であるが、復水器を設ければタービン出口圧力が下るので、後者の方が2倍以上の発電ができるが、復水器が必要であり、また、大抵の場合、冷却塔が必要となるので設計費が大きくなる。  復水型タービンの場合、排気圧が低いほど、熱落差が大きくなり、出力が大きくとれるが、最適排気圧力は冷却塔のコストと蒸気中に含まれる不凝結ガスの含有量によってきまる。  タービンの入口圧力と出口圧力とによって何程の発電ができるかは蒸気のエンタルピー・エンドロピー線図から大体の目当をつけることができる。  バイナリー・サイクルはサンシャイン計画で、熱水専用型と蒸気熱水併用型の二つのタイプのテスト・プラントがつくられた。将来はこれらが使われる可能性はあるが、現在の経済情勢では、特別の事情がない限り経済的に引合わないと思われる。  トータル・フロー・システムは、テストもまだあまり行なわれていないので、評価は難しい。  気液分離の必要がないこと、熱水のエネルギーが利用できることなど利点が考えられるが、タービンの腐食やスケールの対策はかなり難しいと思われる。