2018.10.18

"Good enough!"(これでいこう!)

侍イングリッシュ

あるIT企業の日本人社長が、東南アジアで現地責任者を長いこと務め、帰国することになりました。別れの夕食の席で、彼は遠くを見ながら言いました。「現地社員は本当によくやってくれた。ただ85%くらいで『これでいい』と努力をやめてしまう。どうすれば85%以上を目指してくれるか、まだわからない」

「これでいい」は"good enough"。「結果は十分なものだった」(The result is good enough)などといいます。でも社長には"not good enough"(不十分)だったのです。何をもって"enough"(十分)とするかは、仕事観や顧客ニーズの違いがあって難しいのですが、日本の物作りやサービスの文化はできる限り完璧を目指すため、85%では"やりかけ"の印象がどうもぬぐえなかったようです。

一方、多くの“成長神話”を生んだ米交流サイト大手「フェイスブック」社内の壁には、こんな有名な言葉が書かれています。"Done is better than perfect."(完璧を目指すよりまず終わらせろ)。この考えも、創造と破壊の時代の趨勢(すうせい)といえそうです。

ここまでできれば良しとする"good enough"精神。まさにスピードやコストと、日本企業の品質追求の職人芸(craftsmanship)との板挟みです。

さて、冒頭の「どうすれば85%以上を目指してくれるか?」。答えが気になります。筆者がアジア10カ国以上の現地人管理者に取材したところ、最も多かった回答は「bossが部下の友人(friend)になること」だったことを添えておきます。

執筆者紹介

河谷隆司

河谷隆司
異文化マネジメントコンサルタント。(株)ダイバーシティ・マネジメント研究所代表取締役。世界13ヶ国の日系企業拠点にて異文化マネジメント研修・講演を実施。著書に『英語の話せるボスになる』他多数。

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