2018.11.15

"talk"(おしゃべり)

侍イングリッシュ

1960年代のアメリカの大ヒット曲「サウンド・オブ・サイレンス」(The Sound of Silence)をご記憶でしょうか。その歌詞は、"talk"と"speak"が登場します。人々が何かを語り合ってはいる(talk)けれど、真意を語る(speak)ことはしてないといったニュアンスが感じられます。これと韻を踏んでいるのが、続く"hear"と"listen"です。相手の真実の声を聴こう(listen)とはせずただ聞き流している(hear)というのです。

"talk"は、意味のない無駄口といった文脈でよく使われます。私の書棚では"TALK LESS, SAY MORE"(私訳:おしゃべりは減らして意味の含有量を増やせ)という本がにらみを利かせています。有言実行は"Walk the talk"、口先だけなのが"Talk the talk"。むちゃなことや普通でない行為をするとすぐ"talk of the town"(町中の噂)になってしまいますから要注意です。

ビジネスの世界でも、"talk"が良くないニュアンスで使われることがあります。ミャンマーなどの新興国へ打って出るのはいいけれど、駐在事務所を作って様子見ばかりの企業はNATO(=No Action Talk Only)と揶揄(やゆ)されます。

異文化の交錯する世の中でこそ、言葉の数よりメッセージ性が大切です。これからの英会話はただ"talking"するのではなく、人の心を打つ"speaking"でありたいものです。

執筆者紹介

河谷隆司

河谷隆司
異文化マネジメントコンサルタント。(株)ダイバーシティ・マネジメント研究所代表取締役。世界13ヶ国の日系企業拠点にて異文化マネジメント研修・講演を実施。著書に『英語の話せるボスになる』他多数。

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