いつく・し【厳し/美し/慈し】
[形シク]《「稜威(いつ)奇(く)し」の意という》 1 神や天皇または貴人の威力が強く激しいさま。いかめしくおごそかである。「そらみつ大和の国は皇神(すめがみ)の—・しき国」〈万・八九四〉 2 ...
いつくしみ【慈しみ】
いつくしむこと。恵み。慈愛。「母の深い—」
いつくし・む【慈しむ/愛しむ】
[動マ五(四)]目下の者や弱い者に愛情を注ぐ。かわいがって大事にする。「わが子を—・む」 [補説]平安時代の「うつくしむ」が、「いつ(斎)く」への連想などの結果、語形が変化し、中世末ごろ生じた語...
うつくし・ぶ【慈しぶ/愛しぶ】
[動バ上二]「うつくしむ」に同じ。「八つ九つばかりにて、声いとおもしろく、笙(さう)の笛吹きなどするを、—・び、もてあそび給ふ」〈源・賢木〉
うつくし・む【慈しむ/愛しむ】
[動マ四]かわいがる。いつくしむ。大切にする。うつくしぶ。「憎げなる稚児(ちご)を、己(おの)が心地の愛(かな)しきままに、—・み、愛しがり」〈枕・九六〉
いつくしむ【慈しむ】
[共通する意味] ★愛情をもって大切にする。[英] to love[使い方]〔かわいがる〕(ラ五)▽末っ子をかわいがる▽猫をかわいがる〔慈しむ〕(マ五)▽慈しんできた一人娘▽わが子のように慈しむ...
じあい【慈愛】
[共通する意味] ★下の者、弱い者にめぐみや心をかけ大切にすること。また、その心。[英] benevolence[使い方]〔恩愛〕▽親と子の恩愛のきずな▽恩愛の情〔慈愛〕▽慈愛にみちたまなざし〔...
じう【慈雨】
[共通する意味] ★待たれていた雨。[英] a welcome rain[使い方]〔お湿り〕▽ちょうどいいお湿りで、少し涼しくなりそうだ〔慈雨〕▽慈雨が田畑を潤した▽干天の慈雨[使い分け]【1】...
じぜんじぎょう【慈善事業】
[共通する意味] ★営利を目的としない事業。[使い方]〔公共事業〕▽公共事業に力を入れる〔社会事業〕▽社会事業関連の予算〔慈善事業〕▽慈善事業に寄付をする[使い分け]【1】「公共事業」は、国や地...
じひ【慈悲】
[共通する意味] ★下の者、弱い者にめぐみや心をかけ大切にすること。また、その心。[英] benevolence[使い方]〔恩愛〕▽親と子の恩愛のきずな▽恩愛の情〔慈愛〕▽慈愛にみちたまなざし〔...
じうはんぽ【慈烏反哺】
子が親の恩に報いて孝養を尽くすこと。親孝行のたとえ。情け深いからすが幼いときの恩を忘れず、老いた親に口移しで餌えさを与える意から。▽「慈烏」はからすの異称。からすは、幼いとき親が口移しで餌を与えてくれた恩を忘れず、成長すると親に餌を与えてその恩を返すという。「哺」は口中の食物のこと。
じびぜんもく【慈眉善目】
優しく柔和な顔つき。善良そうな人のこと。
じぼはいし【慈母敗子】
教育は時には厳しさが必要であることのたとえ。母親が慈愛にあふれて甘すぎると、かえって放蕩ほうとうな子ができる意から。▽「慈母」は慈愛に満ちた母で、ここでは度を過ぎて甘い母のこと。「敗子」は家をやぶる子の意で、放蕩な子のこと。「慈母じぼに敗子はいし有あり」の略。