いっこう-りょうぜつ【一口両舌】
前に言った内容と後に言った内容がくい違うこと。前に言ったことと違うことを平気で言うこと。一つの口に二枚の舌がある意から。二枚舌。
いっしょく-そくはつ【一触即発】
ちょっと触れただけで、すぐに爆発しそうな状態の意から、きわめて緊迫した状態や状況。小さなきっかけで、重大な事態が起こるかもしれない危険な状態に直面していること。▽「即」はすぐにの意。弓を引き絞り放たれるのを待っている緊張の状態の意からともいう。
いんじゅん-こそく【因循姑息】
古い習慣ややり方にとらわれて改めようとせず、その場しのぎに終始するさま。▽「因循」は因より循したがう意から、しきたりにとらわれて改めようとしないこと。「姑息」は姑しばらく息をつく意から、一時の間に合わせのこと。
うんじょう-げつべつ【雲壌月鼈】
両者があまりにも異なっていること。天と地、月とすっぽんのように違いすぎる意から。▽「雲壌」は天地の意。「月鼈」は月とすっぽんの意。
うんでい-ばんり【雲泥万里】
非常に大きな差異のたとえ。天と地ほどかけ離れていること。天にある雲と地にある泥では、万里もかけ離れている意から。
かろ-とうせん【夏炉冬扇】
時期はずれの無駄なもののたとえ。また、無用なもの、役に立たない言論や才能などのたとえ。夏の囲炉裏いろりと冬の扇うちわの意から。▽君主の信望・寵愛ちょうあいを失った者や、寵愛を失った宮女、恋人にすてられた女性のたとえとして用いられることもある。「冬扇夏炉とうせんかろ」ともいう。
かんり-とうえき【冠履倒易】
人の地位や立場、また、物事の価値が上下逆さまで秩序が乱れているさま。本来頭にかぶるべき冠かんむりを足につけ、足にはくべき履くつを頭にかぶる意から。▽「倒」は逆さまになる意。「易」はかわる、入れかわる意。
がんこう-しゅてい【眼高手低】
目は肥えているが、実際の技能や能力は低いこと。知識はあり、あれこれ批評するが、実際にはそれをこなす能力がないこと。また、理想は高いものの実力が伴わないこと。▽「眼高めたかく手低てひくし」と訓読する。
がんめい-ころう【頑迷固陋】
頑固で視野が狭く、道理をわきまえないさま。また、自分の考えに固執して柔軟でなく、正しい判断ができないさま。頭が古くかたくななさま。▽「頑迷」はかたくなで道理に暗いこと。「固陋」はかたくなで見識が狭いこと。また、頑固で古いものに固執すること。「迷」は「冥」と書くこともある。
きき-いっぱつ【危機一髪】
ひとつ間違えば、非常な危険に陥ろうとする瀬戸際。髪の毛一本ほどのわずかな違いで、危険や困難に陥るかどうかの、きわめて危ない瀬戸際をいう。▽「危機」は非常に危ない状態。「一髪」は一本の髪の毛。
ききゅう-そんぼう【危急存亡】
危険が切迫して存続するか滅びるか、生き残れるか死ぬかの瀬戸際のこと。▽「危急」は危険が迫ること。「存亡」は存続するか滅びるか、また、生きるか死ぬかの意。一般に「危急存亡の秋とき」と用いることが多い。秋は万物が実る季節であることから、大切な時の意。この熟語は個人よりも組織や集団の重大な局面についていうことが多い。
きゅうえん-とうりん【窮猿投林】
困っているときには、あれこれとえり好みなどしている余裕はないたとえ。貧窮しているときには俸禄ほうろくや官職などをえり好みしている余裕はないたとえ。▽「窮猿」は追いつめられた猿。「投林」は林に飛び込む意。出典に「窮猿林に投ずるに豈あに木を択えらぶに暇いとまあらんや(追いつめられて林に飛び込んだ猿は、どうしてどの枝によじ登ろうかなどとかまっている余裕があろうか)」とあるのによる。この語は晋しんの李充りじゅうが将軍の参謀に薦められたとき、軍人では家の貧窮が救えないと判断して、それよりも下の位の地方官を選んだときに言ったもの。「窮猿きゅうえん林はやしに投とうず」と訓読する。
きゅうし-いっしょう【九死一生】
危ういところで奇跡的に助かること。ほとんど死を避けがたい危険な瀬戸際で、かろうじて助かること。▽「九死」は十のうち九まで死の可能性が高いことで、ほとんど死が避けがたい危険な場合をいう。「一生」は十のうち一の生きる可能性の意。一般には「九死に一生を得る」という形で用いることが多い。
きゅうたい-いぜん【旧態依然】
昔のままで少しも進歩や発展がないさま。▽「旧態」は昔からの状態、ありさま。「依然」は前と変わらないさま。もとのとおりのさま。
きゅうとう-ぼくしゅ【旧套墨守】
古いしきたりや方法などを固く守ること。また、古いしきたりなどにとらわれて融通のきかないこと。▽「旧套」は古いしきたりや形式・方法。また、ありきたりのやりかた。「墨守」は固く守ること。
きゅうと-まつろ【窮途末路】
苦境にいて行きづまり、逃れようもない状態。窮地にあって困りはてること。道がきわまって行きようのない意から。▽「窮途」は行きづまりの道。転じて、苦しい境遇・困窮の意。「末路」は道の終わり。「末路窮途まつろきゅうと」ともいう。
きょくとつ-ししん【曲突徙薪】
災難を未然に防ぐことのたとえ。煙突を曲げ、かまどの周りにある薪を他に移して、火事になるのを防ぐ意から。▽「突」は煙突の意。「徙」は移す、物を移動させること。「突とつを曲まげ薪たきぎを徙うつす」と訓読する。「徙薪曲突ししんきょくとつ」ともいう。
ぎしん-あんき【疑心暗鬼】
疑いの心があると、なんでもないことでも怖いと思ったり、疑わしく感じることのたとえ。疑いの深さからあらぬ妄想にとらわれるたとえ。疑いの心をもっていると、いもしない暗闇くらやみの亡霊が目に浮かんでくる意から。▽「疑心」は疑う心。「暗鬼」は暗闇の中の亡霊の意。「疑心暗鬼を生ず」の略。「暗」は「闇」とも書く。
ぐんけい-せつじく【群軽折軸】
微細なものでも数多く集まれば大きなものになるたとえ。小さい力もこれを合わせ集めれば大きな力となるたとえ。きわめて軽いものでも多く積めば重くなって、それを載せた車の軸が折れてしまう意から。▽「群軽」は軽いものが多く集まったもの。「軸」は車の軸。「群軽ぐんけい軸じくを折おる」と訓読する。
けんかい-ここう【狷介孤高】
自分の意志をかたくなに守って、他と協調しないさま。▽「狷介」は自分を固く守って妥協しないさま。「孤高」は世俗から離れて超然としているさま。
けんかい-ころう【狷介固陋】
かたくなに自分の意志を守って、人のことを受け入れないさま。また、かたくなで頑固なさま。▽「狷介」は自分を固く守って妥協しないさま。「固陋」は自分の狭い視野にとらわれてかたくななさま。
けんま-こくげき【肩摩轂撃】
人や車馬の往来が激しく、混雑しているさま。都会の雑踏の形容。人の肩と肩が触れ合い、車のこしきとこしきがぶつかり合うほど混雑している意から。▽「肩摩」は肩と肩が触れ合うこと。「轂」は車のこしき。車輪の中央部で車軸を通して回転するところ。「轂撃」は轂と轂がぶつかり合うこと。「轂撃肩摩こくげきけんま」ともいう。
こうじ-こうせつ【口耳講説】
人の話を聞いて、十分に理解しないままにすぐ人に話すこと。受け売りのこと。▽「口耳」は口と耳の間の距離のこと。「講説」は説き明かすこと。
こうとう-りょくしゅ【紅灯緑酒】
歓楽街・繁華街の華やかなことの形容。また、歓楽と飽食の享楽生活のたとえ。▽「紅灯」はあかいともしび。繁華街などの華やかな明かりをいう。「緑酒」は緑色に澄んだ酒。質のよい美酒をいう。「緑酒紅灯りょくしゅこうとう」ともいう。
こじゅ-せいか【枯樹生華】
非常な困難のさなかに活路を得るたとえ。また、老い衰えた人が生気を取り戻すたとえ。枯れ木に花が咲く意から。もとはこの上ない真心が通じることをたとえたもの。▽「華」は「花」とも書く。「枯樹こじゅ、華はなを生しょうず」と訓読する。
ごぎゅう-ぜんげつ【呉牛喘月】
過度におびえ恐れることのたとえ。また、疑いの心があると、何でもないものにまで恐れや疑いの気持ちをもつたとえ。暑い呉の地方の牛は月を見ても暑い太陽だと思い、喘あえぐ意から。▽「呉」は江南一帯の地。「喘」は息が切れて苦しそうに呼吸すること。「呉牛ごぎゅう、月つきに喘あえぐ」と訓読する。
さくそく-てきり【削足適履】
本末を取り違えて、無理に物事を行うたとえ。折り合いをつけて、無理に合わせるたとえ。また、目先のことにとらわれて、根本を考えないたとえ。大きな足を削り落として、靴に合わせる意から。▽「適」は合わせること。「履」は靴・はきものの意。「足あしを削けずりて履くつに適てきせしむ」と訓読する。
しじょう-だんぺい【紙上談兵】
理屈ばかりの議論で、実行が不可能であったり、実際の役に立たなかったりすること。紙の上で兵略を議論する意から。▽「紙上しじょうに兵へいを談だんず」と訓読する。
しだい-さいそ【志大才疎】
志は雄大だが、それに見合った才能に欠けること。▽「疎」はあらい、まばらの意。「疎」は「疏」とも書く。
しゃくこん-かんし【釈根灌枝】
末節に心を奪われたりこだわったりして、物事の根本を忘れるたとえ。木の根に水をやらないで、枝に注ぎかける意から。▽「釈」は捨てる意。「灌」は水を注ぎかける意。一般に「根ねを釈すてて枝えだに灌そそぐ」と訓読を用いる。
しゃほん-ちくまつ【舎本逐末】
物事の根本をおろそかにして、末節に心を配ること。▽「舎」は捨てる意。「本」は根本の意。「逐末」は末節、つまらないものを追い求めること。一般に「本もとを舎すてて末すえを逐おう」と訓読を用いる。
しゅかく-てんとう【主客転倒】
主な物事と従属的な物事が逆の扱いを受けること。物事の順序や立場などが逆転すること。▽「主客」は主人と客人。転じて、重要なことがらと、付けたり、従属的なことがらのこと。「客」は「きゃく」とも読む。また、「転」は「顛」とも書く。
しゅしゅ-たいと【守株待兎】
いたずらに古い習慣やしきたりにとらわれて、融通がきかないたとえ。また、偶然の幸運をあてにする愚かさのたとえ。木の切り株を見守って兎うさぎを待つ意から。▽一般に「株かぶを守まもりて兎うさぎを待まつ」と訓読を用いる。
しんたい-りょうなん【進退両難】
どうにもこうにもならないさま。にっちもさっちもいかないさま。進むことも退くことも困難な様子。▽「進退しんたい両ふたつながら難かたし」と訓読する。
じか-どうちゃく【自家撞着】
同じ人の言動や文章などが前後で矛盾していること。自分で自分の言行に反することをすること。▽「自家」は自分、自分自身のこと。「撞着」は突き当たること。矛盾すること。「撞着」は「とうちゃく」「どうじゃく」とも読む。「着」は「著」とも書く。
じこ-むじゅん【自己矛盾】
自分自身の中で、論理や行動が食い違い、つじつまが合わなくなること。▽「矛盾」はつじつまの合わないこと。
じっし-いっしょう【十死一生】
ほとんど死を避けられない危険な状況や状態の中で、かろうじて助かること。
せきう-ちんしゅう【積羽沈舟】
小さなものであっても、たくさん集まれば大きな力となるというたとえ。羽毛のように軽いものも、多く積もれば舟を沈める重さになる意から。▽「積羽せきう舟ふねを沈しずむ」と訓読する。
せんい-あんか【潜移暗化】
環境や他人からの影響を受けて、いつの間にか自分の性質や考え方が変化していること。▽「潜」も「暗」もひそかに、しらずしらずのうちにの意。「移」「化」は移り変わる、感化される意。「潜ひそかに移うつり暗あんに化かす」と訓読する。
せんきゃく-ばんらい【千客万来】
多くの客が入れ替わりひっきりなしに来て絶え間がないこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。店などが繁盛していたり来客が頻繁にあったりするときに用いる。「客」は「かく」とも読む。
ぜったい-ぜつめい【絶体絶命】
困難・危険から、どうしても逃れられないさま。追いつめられ、切羽詰まったさま。▽「絶」は窮まる意。追いつめられ窮地にある立場や状態をいう。
そうもく-かいへい【草木皆兵】
相手の勢いなどに恐れおののくあまり、何でもないものに対しても、自分の敵であるかのように錯覚しておびえること。▽草や木を見てすべて敵兵と思い、恐れおののく意。
だんがい-ぜっぺき【断崖絶壁】
切り立ったがけ。非常に危機的な状況のたとえとして用いられることもある。▽「断崖」「絶壁」はともに非常に険しいがけのこと。
ちくとう-ぼくせつ【竹頭木屑】
役に立たないもののたとえ。また、細かなもののたとえ。転じて、つまらないものでも、何かで役に立つかもしれないから粗末にしないこと。廃物利用すること。▽「竹頭」は竹の切れはし。「木屑」は木のくず。
ちょうじん-きゅうぞう【鳥尽弓蔵】
目的が達せられた後には、それまで重用されていた者が捨てられるということのたとえ。鳥を射尽くしてしまうと、不必要となった弓がしまわれてしまうという意から。▽一般に「鳥とり尽つき弓ゆみ蔵おさめらる」と訓読を用いる。
ちんか-たいたん【枕戈待旦】
ほこを枕まくらにして寝て、あしたを待つ意から、戦いの準備をいつも怠らないたとえ。▽「戈」はほこのこと。「旦」はあしたの意。「戈ほこを枕まくらにして旦あしたを待まつ」と訓読する。
てっぷの-きゅう【轍鮒之急】
差し迫った危急や困難のたとえ。車の通った跡のくぼみにたまった水の中で、苦しみあえいでいる鮒ふなの意から。▽「轍」は車が通った後に残った車輪の跡、わだちのこと。
でいせん-とか【泥船渡河】
世渡りの危険なことのたとえ。泥で作った船で川を渡る意から。▽「泥船でいせんに乗のりて河かわを渡わたる」の略。
とうけん-がけい【陶犬瓦鶏】
形ばかり立派で、実際の役に立たないもののたとえ。▽「陶犬」は陶製の犬。「瓦鶏」は素焼きの鶏。犬には夜の番をする、鶏には夜明けを告げるという役目があるが、作り物ではその役目を果たすことができないことから。「瓦鶏陶犬がけいとうけん」ともいう。
とうじょう-しゅうこ【蹈常襲故】
従来のしきたりや方法を受け継いで、そのとおりに物事を執り行うこと。▽「蹈」は踏む。踏み行う。「襲」は受け継ぐ意。「常つねを蹈ふんで故こを襲おそう」と訓読する。略して「蹈襲」という。現代表記では「踏襲」。
とくぎょ-ぼうせん【得魚忘筌】
魚を捕ってしまうと、その道具の筌やなのことなど忘れてしまうということ。転じて、目的を達すると、それまでに役立ったものを忘れてしまうことのたとえ。▽「筌」は水中に沈めて魚を捕る竹かごのこと。一般に「魚うおを得えて筌せんを忘わする」と訓読を用いる。
とし-くほう【兎死狗烹】
うさぎが死んでしまえば、それを捕らえるのに用いられた猟犬は不必要となって、煮て食べられてしまう意。戦時に活躍した武将は、ひとたび太平の世となると、用なしとして殺されてしまうことをたとえた言葉。また、後に広く、利用価値があるときだけ用いられ、無用になると捨てられてしまうことのたとえ。▽一般に「兎うさぎ死しして狗いぬ烹にらる」と訓読を用いる。
どうちょう-とせつ【道聴塗説】
知識などの理解がいい加減で、しっかり自分のものになっていないこと。また、根拠のない伝聞、受け売りの意。▽「塗」は「道」と同じで道路のこと。道でたまたま聞き知ったことを、また道で得意そうに、人に話し伝えること。「道みちに聴ききて塗みちに説とく」と訓読する。
なんきつ-ほくき【南橘北枳】
人間は住む環境によって、よくなったり悪くなったりするということ。▽中国江南こうなんで産する橘たちばなはたいへんな美味であるが、淮水わいすい以北に植えると橘は枳からたちとなり、味が全く異なってしまう。環境が変われば性質も変わってしまう、という意。
なんこう-じんちゅう【輭紅塵中】
華やかで、にぎやかな都会の様子。▽「輭」は「軟」と同じ。「輭」はやわらかい花びら。転じて、都会の華やかな雑踏の形容。「紅」は華やかな印象を与える色。「塵中」は車馬の行き交う際に舞い上がる塵ちりやほこりの中の意。
はいすい-しゃしん【杯水車薪】
努力や援助がごくわずかで、なんの役にも立たないこと。わずか杯一ぱいの水で、燃えている車一台分の薪を救おうとする意から。▽「杯水」は杯一ぱいの水。「車薪」は車一台分の薪。「一杯の水を以もって一車薪の火を救うがごとし」の略。
はいすいの-じん【背水之陣】
切羽詰まっていて、もう一歩も後にはひけないぎりぎりの状況。また、そうした状況に身を置いて、必死に物事に取り組むこと。川を背にしたところに陣を敷き、退却できないようにして必死に戦う意から。▽「背水」は川を背にすること。
ふうせい-かくれい【風声鶴唳】
おじけづいて、わずかなことにも恐れおののくことのたとえ。▽「風声」は風の音。「鶴唳」はつるの鳴き声。わずかな物音にもおびえるたとえ。「鶴唳風声かくれいふうせい」ともいう。
ほんまつ-てんとう【本末転倒】
物事の根本的なことと、そうでないこととを取り違えること。▽「本末」は根本的なことと枝葉のこと。「転倒」はひっくり返すこと。「転」は「顛」とも書く。
ぼうおん-ふぎ【忘恩負義】
恩義を忘れて義理に背くこと。▽「負」は背く、裏切る意。一般に「恩おんを忘わすれ義ぎに負そむく」と訓読を用いる。
むじゅん-どうちゃく【矛盾撞着】
二つの事柄が論理的に食い違って、つじつまが合わないこと。▽「矛盾」は同一人物の言動が一貫していないこと。食い違っていること。「撞着」も「矛盾」と同義。「盾」は「楯」、「着」は「著」とも書く。「矛盾」については「中国戦国時代、楚そ国で矛ほこと盾たてを売っていた商人が、矛を売るときには、この矛はどんな堅固な盾も突き破るほど鋭いと言い、盾を売るときにはこの盾はどんな鋭利な矛でも破れないと言ったところ、聞いていた人に、それではその矛でその盾を突いたらいったいどうなるのかと聞かれ、商人は返答に困った」という故事(『韓非子かんぴし』難なん一)がある。