さいしょく-けんび【才色兼備】
すぐれた才能と美しい容姿の両方をもっていること。多くは女性についていう。▽「才色」は才知・才能と顔かたちのこと。「兼備」は兼ね備えること。「色」は「しき」「そく」とも読む。
さんぺい-じまん【三平二満】
十分ではないが、少しのもので満足し、心穏やかに過ごすこと。▽「三」「二」はともに、数の少ないことを示す。また、別意で、額・鼻・下顎したあご(三つ)が平らで、両方の頬ほお(二つ)が膨れている顔、おかめ・おたふくのことをいう。「二」は「に」とも読む。
ざんこく-ひどう【残酷非道】
むごたらしくて、人の道に背いているさま。また、そのような振る舞いや行い。▽「残酷」は思いやりがなく、むごたらしいこと。「非道」は正しい道理や筋道にはずれているさま。人として当然踏まなければならない道にはずれているさま。また、そのような振る舞いや行い。
ざんにん-こくはく【残忍酷薄】
他者に対する思いやりがなく、むごたらしいさま。人の性質にいう。▽「残忍」はむごいことを平気でするさま。「酷薄」はむごくて思いやりのないさま。「酷」は「刻」とも書く。
しし-じんじん【志士仁人】
志のある人や仁徳者。▽「志士」は道や学問に志す人。「仁人」は仁徳のある人。
しゅうか-へいげつ【羞花閉月】
美人の容姿のすぐれてうるわしいこと。あまりの美しさに花を恥じらわせ、月も恥じらい隠れる意から。▽「羞」は恥じらう意。「閉月羞花へいげつしゅうか」ともいう。
しゅしん-こうし【朱唇皓歯】
美人の形容。赤い唇と白い歯の意から。▽「皓」は白い意。「唇」は「脣」に同じ。
しりょ-ふんべつ【思慮分別】
物事に注意深く考えをめぐらし、判断すること。物事の道理をよく考え、深く思いを凝らして判断すること。▽「思慮」はいろいろ慎重に考えること。「分別」は物事の是非や道理を常識的に判断すること。
じんしゃ-むてき【仁者無敵】
仁徳の備わった人は、すべての人を慈しむので敵というものがいないということ。仁徳者は慈愛をもって政治を行い、人民を分け隔てなく愛するから敵対する者がいない意。▽「仁者じんしゃは敵てき無なし」と訓読する。
じんしゃ-らくざん【仁者楽山】
仁徳の備わった人は、欲に動かされず心が穏やかでゆったりとしているので、おのずから安定したどっしりとした山を愛するものであるということ。▽「仁者じんしゃは山やまを楽たのしむ」と訓読する。
せいきん-りょうぎょく【精金良玉】
性格が穏やかで純粋なたとえ。すぐれた金属と立派な玉の意から。▽「精金」は混じり気のない金属。「良玉」は美しい玉。「良玉精金りょうぎょくせいきん」ともいう。北宋ほくそうの学者であった程顥ていこうの人柄が、温和で純粋であることを言った言葉。
せいじん-くんし【聖人君子】
立派な人徳やすぐれた知識・教養を身につけた理想的な人物。▽「聖人」は最高の人格を備えた人。「君子」は学識・人格のすぐれた人。
せいじん-むむ【聖人無夢】
徳のすぐれている聖人は、心身が安らかで憂いや悩みが少しもないから、夢を見ることがないということ。▽「聖人せいじんに夢ゆめ無なし」と訓読する。
せいち-あんこう【生知安行】
生まれながらにして人の踏み行うべき道をよく知り、考えることなく心のままにそれを行うこと。聖人の境地。▽「生知」は学ばなくても生まれながらに人の道を知ること。「安行」は心のままに行うこと。何の努力もなしに人の道を行う意。
せいとく-たいぎょう【盛徳大業】
盛んな徳と大きな事業。▽「盛徳」は高くすぐれた徳。聖人君子の目標とされていたもの。
せきし-めいじん【碩師名人】
大学者や名声の高い人。偉大な徳のある人や人望のある人。▽「碩」は大きい意で、「碩師」は大学者・大先生のこと。「名人」は名声の高い人・名士。
せんし-ぎょくしつ【仙姿玉質】
並はずれた美人の形容。▽「仙姿」は仙女の姿。高尚で優雅な姿をたとえる。「玉質」は宝玉のようになめらかで美しい肌のこと。
そうめい-えいち【聡明叡知】
聖人のもつ四つの徳のこと。転じて、生まれつき才能があり、賢くて先々まで見通せること。物事に通暁していて、すぐれた才知があること。▽「聡」はすべてを聞き分けること。「明」はすべてを見分けること。「叡」はすべてに通ずること。「知」はすべてを知っていること。「知」は「智」とも書く。