あいえん-きえん【合縁奇縁】
不思議なめぐり合わせの縁。人と人とが互いに気心が合うかどうかは、みな因縁いんねんという不思議な力によるものであるということ。人と人の結びつきについていうが、特に男女の間柄についていう。▽「合縁」はもと仏教語で、恩愛から起こる人と人の結びつきの意。「奇縁」は不思議なめぐり合わせの意。また、思いがけない不思議な縁の意。「愛縁機縁」「相縁機縁」とも書く。
いたい-どうしん【異体同心】
肉体は違っても、心は一つに固く結ばれていること。関係がきわめて深いたとえ。身体は異なるが、心は同じという意から。特に、夫婦や非常に親しい人の間柄に多く用いる。
きょあん-せいび【挙案斉眉】
妻が夫に礼儀を尽くし尊ぶたとえ。また、夫婦が互いに礼儀を尽くし尊敬して、仲がよいたとえ。膳ぜんを眉まゆの高さまで挙げて、両手でうやうやしくささげ持つ意から。▽「案」は膳。「挙案」は膳を挙げ持つ意で、「斉眉」は眉の高さと同じくしてささげること。「斉」は等しい意。「案あんを挙あぐるに眉まゆに斉ひとしくす」と訓読する。
けいえい-いちにょ【形影一如】
仲むつまじい夫婦のたとえ。また、心の善し悪しがその行動に表れるたとえ。からだとその影は常に離れず寄り添い、同じ動きをすることからいう。▽「形影」はからだとその影。互いに離れることがないことから、密接な関係のたとえ。「一如」は一体である、不可分である意。
ごうかん-ちゅうびゅう【合歓綢繆】
男女が親しく愛し合うさま。▽「合歓」は喜びをともにすること。男女が交わること。「綢繆」はもつれ合う、まつわる意。
すんぽ-ふり【寸歩不離】
距離をおかず、すぐそばにいること。また、非常に密接な関係にあること。夫婦仲むつまじく、一歩も離れないこと。▽「寸歩」はごく少しの歩みの意。「寸歩すんぽ離はなれず」と訓読する。
そうこうの-つま【糟糠之妻】
貧しいときから一緒に苦労を重ねてきた妻。▽「糟糠」は酒かすと米ぬか。貧しい食事の形容。「糟糠の妻は堂より下さず」とも常用される。貧しさを共にしてきた妻は、自分が富貴になっても大切にするという意。
そうし-そうあい【相思相愛】
互いに慕い合い、愛し合っていること。▽「相思」は相手を慕い合うこと。「相愛」は互いに愛し合うこと。多く男女間に用いるが、自分の入りたいチームなどが自分を獲得したがっている状態などにも用いる。
そうしゅく-そうひ【双宿双飛】
夫婦の仲がよく、常に離れることがないこと。▽「双」はつがいのこと。「宿」は住むこと。つがいが一緒に住み、一緒に飛ぶという意。雄と雌が寝るときも起きているときも、いつも寄り添って一緒にいること。
ちょうちょう-なんなん【喋喋喃喃】
男女がむつまじげに語り合うさま。また、小さい声で親しそうに語り合うさま。▽「喋喋」は口数の多いさま。「喃喃」は小声でしゃべる意。「喃喃喋喋なんなんちょうちょう」ともいう。
ひよく-れんり【比翼連理】
男女の情愛の、深くむつまじいことのたとえ。相思相愛の仲。夫婦仲のむつまじいたとえ。▽「比翼」は比翼の鳥のことで、雌雄それぞれ目と翼が一つずつで、常に一体となって飛ぶという想像上の鳥。「連理」は連理の枝のことで、根元は別々の二本の木で幹や枝が途中でくっついて、木理が連なったもの。男女の離れがたく仲むつまじいことのたとえ。
ふしょう-ふずい【夫唱婦随】
夫婦の仲が非常によいこと。夫が言い出し妻がそれに従う意から。▽「唱」は言い出すこと。提唱。「唱」は「倡」とも書く。
らっか-りゅうすい【落花流水】
落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということ。▽「流水落花りゅうすいらっか」ともいう。