あんしん-りつめい【安心立命】
心を安らかにして身を天命にまかせ、どんなときにも動揺しないこと。人力のすべてを尽くして身を天命にまかせ、いかなるときも他のものに心を動かさないこと。▽初め儒学の語であった。仏教語では「あんじんりゅうめい」「あんじんりゅうみょう」と読む。「心」は「身」とも書く。また「立命安心りつめいあんしん」ともいう。
いぶ-けいぶん【緯武経文】
学芸と武術の両方を重んじて、政治の土台にすること。文武の両道を兼ねた政治の理想的姿。武を横糸に文を縦糸にして、美しい布を織る意から。▽「緯」は横糸。「経」は縦糸。「武ぶを緯いにし文ぶんを経けいにす」と訓読する。「経文緯武けいぶんいぶ」ともいう。
いんかん-ふえん【殷鑑不遠】
身近な失敗例を自分の戒めとせよというたとえ。また、自分の戒めとなるものは、近くにあることのたとえ。▽「殷」は古代中国の国の名。「鑑」は鏡で、手本の意。中国の古代王朝は夏(商ともいう)から始まり、殷、周と続く。殷王朝の戒めとなるよい見本は遠くに求めなくても、すぐ前代の夏王朝の暴政による滅亡があるという意。戒めとなる失敗の前例は遠くに求めずとも、身近にあるからこれを戒めとせよということ。一般に「殷鑑いんかん遠とおからず」と訓読を用いる。
うんぷ-てんぷ【運否天賦】
人の運命は天の定めによるということ。運不運は天命であること。転じて、運を天に任せること。▽「運否」は運不運、運のあるなしの意。「天賦」は天が与える、天が与えたものの意。「否」は「ぴ」とも読む。
おんこ-ちしん【温故知新】
前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。古いものをたずね求めて新しい事柄を知る意から。▽「温」はたずね求める意。一説に、冷たいものをあたため直し味わう意とも。「故ふるきを温たずねて新あたらしきを知しる」または「故ふるきを温あたためて新あたらしきを知しる」と訓読する。