さんかん-しおん【三寒四温】
冬季に寒い日が三日ほど続くと、その後四日間ぐらいは暖かいということ。また、気候がだんだん暖かくなる意にも用いる。
さんし-すいめい【山紫水明】
自然の風景が清浄で美しいこと。日の光の中で山は紫にかすみ、川は澄みきって美しい意から。
さんよう-すいたい【山容水態】
山や川の様子・姿。自然の美しい風景をいう。▽「容」「態」ともに、姿・様子の意。
しゅうふう-さくばく【秋風索莫】
秋風が吹き、物さびしいさま。盛んであった物事の勢いが衰えて、物さびしいたとえとしても用いられる。▽「索莫」は物さびしいさま。また、失意のさま。「莫」は「寞」「漠」とも書く。
しゅんかん-りょうしょう【春寒料峭】
春になって寒さがぶり返し、肌寒く感じられるさま。▽「春寒」は春になってぶりかえした寒さ。「料」は肌をなで触れる意。「峭」は厳しい意。
しゅんしゅう-しゅうし【春愁秋思】
春の日にふと感じる物悲しさと、秋にふと感じる寂しい思い。よい気候のときに、なんとなく気がふさぐこと。また、いつも心のどこかに悲しみや悩みがあること。▽「春愁」は春の日のもの思い、春に感じる哀愁、「秋思」は秋の寂しいもの思いの意。
しゅんじつ-ちち【春日遅遅】
春の日が長く、暮れるのが遅いさま。春の日がうららかでのどかなさま。▽「遅遅」は日が長く、のどかなさまをいう。
しゅんぷう-たいとう【春風駘蕩】
春の景色ののどかなさま。春風がそよそよと気持ちよく吹くさま。また、温和でのんびりとした人柄のたとえ。▽「駘蕩」は春ののどかなさま。のびのびしたさま。
しゅんわ-けいめい【春和景明】
春の日の穏やかで、光の明るいさま。春の穏やかで、明るい陽気のこと。▽「春和」は春の和らいだ様子。「景」は日差し・日光の意。「春はるは和やわらぎ景けいは明あきらかなり」と訓読する。
しょうか-てんこう【上下天光】
空と水とが一つになって、明るく輝くさま。▽「上下」は天地、空と水をいう。「天光」は空一面に輝く日の光。ここではそれが水面にも映り輝き、天にも地にも光が満ちあふれたさまをいう。「上下」は「じょうげ」とも読む。
しんざん-ゆうこく【深山幽谷】
ほとんど人が入っていないような奥深く静かな大自然のこと。▽「深山」は人里遠く離れた奥深い山。「幽谷」は山奥深くにある静かな谷。
しんりょう-とうか【新涼灯火】
秋の初めの涼しくなり始めたころは、明かりの下で読書をするのにふさわしい時期である意。▽「新涼」は初秋の涼しさ。「灯火」は「灯火親しむべき候」の略で、明かりの下で読書するのに適している季節の意。
すいてん-いっぺき【水天一碧】
水と空とが一続きになって、一様に青々としていること。▽「水天」は水と空、海と空。「一碧」は一面に青い色となること。「碧」は深い青色、あおみどり。
せいこう-うき【晴好雨奇】
晴天でも雨天でもすばらしい景色のこと。自然の眺めが晴天には美しく、一方、雨が降ったら降ったですばらしいこと。▽「奇」は普通とは違ってすぐれている意。「水光瀲灔れんえんとして晴れ方まさに好よく、山色空濛くうもうとして雨も亦また奇なり」の略。「雨奇晴好うきせいこう」ともいう。
せいざん-いっぱつ【青山一髪】
はるか遠くに山が見える様子。▽遠くに見える山が地平線と一つになって、まるで一本の髪の毛のように見えることからこう表現される。また、水平線を形容することもある。
せいふう-めいげつ【清風明月】
明るい月夜の静かで清らかな様子。明月と清らかな風の中の静かですがすがしいたたずまいの形容。また、風雅な遊びのこと。▽「清風」はさわやかですがすがしい風、「明月」は明るく澄みきった月の意。
せつげつ-ふうか【雪月風花】
四季折々の自然の美しい景色のこと。また、それを見ながら、詩や歌を作ったりする風流なさまのこと。「風花雪月ふうかせつげつ」ともいう。
せんざん-ばんすい【千山万水】
たくさんの山や川。山や川が続くこと。深山幽谷の形容。また、旅路の長くけわしいことの形容。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「山水」は「山河」に同じ。行けども行けども山や川が続くという意味。「万水千山ばんすいせんざん」ともいう。
せんし-ばんこう【千紫万紅】
さまざまな花の色の形容。また、色とりどりに咲いている花のこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。