あっこう-ぞうごん【悪口雑言】
口ぎたなく、あれこれ思う存分に悪口をいうこと。また、その言葉。さんざんにののしること。
いちもう-ふばつ【一毛不抜】
非常に物惜しみすること。非常にけちな人、利己的な人のたとえ。自分の毛一本も抜こうとしない意から。▽「一毛」は一本の毛。ごくわずかなもののたとえ。「一毛いちもうも抜ぬかず」と訓読する。
いちもん-ふつう【一文不通】
一つの文字も読み書きができないこと。一つの文字すら通じわかっていない意から。▽「文」は文字の意。
うちまた-こうやく【内股膏薬】
あっちについたりこっちについたりして、節操のないこと。しっかりした意見がなくその時の気持ちで動くこと。また、そのような人をあざけっていう語。日和見ひよりみ。▽「内股」は股の内側。「膏薬」は練って作った外用薬。内股にはった膏薬が、動くたびに右側についたり左側についたりする意。「膏」は「ごう」とも読む。
えて-かって【得手勝手】
他人に構わず自分の都合ばかりを考えて、わがまま放題にするさま。▽「得手」は本来は得意なものの意。
がでん-いんすい【我田引水】
他人のことを考えず、自分に都合がいいように言ったり行動したりすること。自分に好都合なように取りはからうこと。自分の田んぼにだけ水を引き入れる意から。
きゅうぼく-ふんしょう【朽木糞牆】
怠け者のたとえ。手の施しようのないものや、役に立たない無用なもののたとえ。また、腐った木には彫刻できないし、腐りくずれた土塀は上塗りができないように、怠け者は教育しがたいことのたとえ。▽「朽木」は腐った木。「糞牆」は腐ってぼろぼろになった土塀の意。
きょうげん-きご【狂言綺語】
道理に合わない言葉や、巧みに表面だけを飾った言葉。転じて、虚構や文飾の多い小説・物語・戯曲などを卑しめていう語。▽「狂言」は道理にはずれた語。「綺語」は飾り立てた語。「語」は「ぎょ」とも読む。
くうり-くうろん【空理空論】
実際からかけ離れている役に立たない考えや理論。▽「空理」「空論」はともに、実状や現実を考えない役に立たない理論や議論。ほぼ同意の熟語を重ねて意味を強めた語。
けいめい-くとう【鶏鳴狗盗】
小策を弄ろうする人や、くだらない技能をもつ人、つまらないことしかできない人のたとえ。また、つまらないことでも何かの役に立つことがあるたとえ。▽「鶏鳴」は鶏の鳴きまねをすること。「狗盗」は犬のようにこそこそと、わずかばかりの物を盗むこと。卑しいことをして人をあざむく者のたとえ。
げだい-がくもん【外題学問】
うわべだけの学問をあざけっていう語。書物の書名だけは知っているが、その内容はよく知らないえせ学問のこと。▽「外題」は書物の表紙にはった紙に書かれた題名。
ごくあく-ひどう【極悪非道】
この上なく悪く道理にはずれていること。また、そのさま。▽「極悪」は悪逆きわまりないこと。「非道」は道理や人の道に反していること。
ごんご-どうだん【言語道断】
言葉に表せないほどあまりにひどいこと。とんでもないこと。もってのほか。もと仏教の語で、奥深い仏教の真理や究極の境地は言葉では言い表せない意から。▽「言語」は言葉に出して表すこと。「道断」は言うことが断たれること。「道」は口で言うこと。また、「言語の道が断たれる」意ともいう。
しい-そさん【尸位素餐】
ある地位にありながら職責を果たさず、無駄に禄ろくをもらっていること。また、その人。「尸位」は、人がかたしろになって、神のまつられる所に就く意で、地位にあって動かない、位にありながらなんの責務も果たさないことをいう。▽「素餐」は何もしないでただ食らうこと。「素餐尸位そさんしい」ともいう。
じょうこ-しゃそ【城狐社鼠】
君主や権力者のかげに隠れて、悪事を働く者のたとえ。城や社という安全なところに巣くって、悪さをするきつねやねずみの意から。▽「城狐」は城に棲すむきつね。「社」は土地神を祭るやしろ。「社鼠城狐しゃそじょうこ」ともいう。
じんめん-じゅうしん【人面獣心】
冷酷で、恩義や人情をわきまえず、恥などを知らない人のこと。顔は人間であるが、心は獣類に等しい人の意から。▽「人面」は人間の顔。また、それに似た形の意。「獣心」は道理をわきまえない、残忍なけだもののような心。「人」は「にん」とも読む。
たいよく-ひどう【大欲非道】
たいへん欲が深く、道理にはずれて非人情なさま。▽「大欲」は大きな望み・欲望。また、非常に欲の深いこと。「非道」は人としての道にはずれていること。人情のないこと。「大」は「だい」とも読む。「欲」は「慾」とも書く。
でんぷ-やじん【田夫野人】
教養がなく、礼儀を知らない粗野な人。▽「田夫」は農夫。「野人」は庶民、いなか者の意。
ばぎゅう-きんきょ【馬牛襟裾】
学識のない者、礼儀知らずな者をののしっていう語。馬や牛が人の衣服を着たようなものという意から。▽「襟裾」はえりとすそ。転じて、衣服を着ること。
ばり-ぞうごん【罵詈雑言】
きたない言葉で、悪口を並べ立ててののしること。また、その言葉。▽「罵詈」は口ぎたなくののしること。「雑言」はいろいろな悪口や、でたらめな言いがかり。「言」は「げん」とも読む。
むい-むさく【無為無策】
なんの対策も方法もたてられず、ただ腕をこまねいていること。計画が何もないこと。▽「無為」は何もせず、人の手を用いないこと。「無策」は起こった事態に対して、効果的な対策や方法がとれないこと。
むい-むのう【無為無能】
意義のあることをやりもしないし、できもしないこと。何もできないこと。行うこともやり遂げる力もないということ。へりくだるときにも用いられる。▽「為」は行うこと、行為。「能」は物事をやり遂げる力。
むがく-もんもう【無学文盲】
学問や知識を身につけておらず、字が読めないこと。また、その人。▽「無学」は学問・知識がないこと。「文盲」は文字が読めない意。
むち-もうまい【無知蒙昧】
知恵や学問がなく、愚かなさま。▽「無知」は知識がないこと。何も知らないこと。「蒙昧」は物事の道理をよく知らない意。「昧」は暗い意。「知」は「智」とも書く。
れいちょう-ねつば【冷嘲熱罵】
冷ややかにあざけって、盛んになじり非難すること。▽「嘲」はあざける、「罵」はののしる意。