かんなんしんく【艱難辛苦】
非常な困難にあって苦しみ悩むこと。▽「艱」「難」はともにつらい、苦しい、悩むの意。「辛苦」はつらく苦しいこと。つらい目にあって悩むこと。
かんねいじゃち【奸佞邪智】
心がひねくれて、ずるがしこく立ち回ること。またその人。▽「奸佞」は心がねじけてへつらうこと。「奸」は心がねじけて正しくない意。「佞」はおもねる。また、口先や態度は巧みだが心はねじけている意。「邪智」は悪知恵。「奸」は「姦」、「智」は「知」とも書く。「邪智奸佞じゃちかんねい」ともいう。
かんねいじゃち【奸佞邪知】
[名・形動]心が曲がっていて悪知恵が働き、人にこびへつらうこと。また、そのさま。
かんのうとち【肝脳塗地】
むごたらしい死にざまや殺され方のこと。また、忠誠を誓って、どんな犠牲も惜しまないことのたとえ。死者の腹から内臓が飛び出し、頭が割られて脳味噌のうみそが出て泥まみれになっているさま。死者の肝臓や脳が泥まみれになっている意から。▽「肝脳」は肝臓と脳髄。「塗地」は土まみれになること。また転じて、戦いに負けるさま。「塗」はまみれる意。一般に「肝脳かんのう地ちに塗まみる」と訓読を用いる。
かんのうどうこう【感応道交】
仏教のことばで、信仰の真心が仏に通じて利益りやくがあること。
かんばのろう【汗馬之労】
物事を成功させるためにあれこれ奔走する労苦のたとえ。
かんふようはつ【間不容髪】
すぐにということ。非常に差し迫ったさま。髪の毛一本も容いれられないほど事と事の間にすきまがないこと。▽一般に「間かん、髪はつを容いれず」と訓読を用いる。
かんぷんこうき【感奮興起】
心に深く感じて奮い立つこと。「感奮」は心を揺り動かされて奮い立つこと。「興起」は奮いおこること。
かんぽうのまじわり【管鮑之交】
互いによく理解し合っていて、利害を超えた信頼の厚い友情のこと。きわめて親密な交際のこと。▽「管」は春秋時代、斉の名宰相の管仲。「鮑」は鮑叔牙ほうしゅくが。単に鮑叔ともいう。管仲と若いときから仲がよく、仲を斉の桓公かんこうに推挙した。「交」は「こう」とも読む。
かんりてんとう【冠履転倒】
上下の順序が逆になっていること。また、順序や秩序が乱れるさま。
かんりてんとう【冠履顛倒】
[名・形動]地位・価値などの上下の順序が乱れること。また、そのさま。「なんぼ—な世の中で」〈魯庵・社会百面相〉
かんりとうえき【冠履倒易】
人の地位や立場、また、物事の価値が上下逆さまで秩序が乱れているさま。本来頭にかぶるべき冠かんむりを足につけ、足にはくべき履くつを頭にかぶる意から。▽「倒」は逆さまになる意。「易」はかわる、入れかわる意。
かんわきゅうだい【閑話休題】
それはさておき。ともかく。話が横道にそれたのを本筋に戻すときにいう語。主として文章中で用いる。▽「閑話」は暇にまかせてする無駄話のこと。「休題」は話すことをやめること。また、話題を転ずること。「閑」は「間」とも書く。