せっぱくひょうし【雪魄氷姿】
高潔で潔白な人物のこと。清楚せいそな白い梅の花の形容から。
せつげつふうか【雪月風花】
四季折々の自然の美しい景色のこと。また、それを見ながら、詩や歌を作ったりする風流なさまのこと。「風花雪月ふうかせつげつ」ともいう。
せつでいのこうそう【雪泥鴻爪】
行方がわからないこと。あとには、何も残らないということ。雪解けのぬかるみの道には、鴻おおとりの足跡も残らないという意味から。また、はかない人生のたとえとしても使われる。
せつもんきんし【切問近思】
まだ知らないことを身近な問題として取り上げ、熱心に問いただして考えること。▽「切問」は熱心に問うこと。「切せつに問といて近ちかく思おもう」と訓読する。
せつりのせいこう【雪裏清香】
梅の異名。雪のある間はほとんどの花はその姿を見せないが、梅だけはまだ雪のある間に清らかな香りを漂わせているという意。▽「雪裏」は雪が降っている中、また、雪の積もっている中。
せどうじんしん【世道人心】
世の中の道徳と人の心。世の中の道徳とそれを守るべき人の心のこと。▽「世道」は人として守るべき道徳、社会道徳のこと。「人心」は人々の心。
せんいあんか【潜移暗化】
環境や他人からの影響を受けて、いつの間にか自分の性質や考え方が変化していること。▽「潜」も「暗」もひそかに、しらずしらずのうちにの意。「移」「化」は移り変わる、感化される意。「潜ひそかに移うつり暗あんに化かす」と訓読する。
せんえいいこう【扇影衣香】
貴婦人たちが寄り集まる優雅な会合の様子。▽「扇影」は婦人が手にする扇子の影。「衣香」は婦人が衣装に香をたきしめてよい香りを発していたこと。身分の高い婦人たちの身にかかわるものでその会合の様子を形容したもの。
せんえいぶんし【尖鋭分子】
組織の中で、極端な主張や過激な行動をとる内部グループ。急進派。
せんおうばっこ【専横跋扈】
他人の土地や場所で、わが物顔に振る舞い、隆盛をきわめること。
せんがくひさい【浅学菲才】
学問や知識が浅く未熟で、才能が欠けていること。自分の識見をへり下っていう語として用いられることが多い。▽「浅学」は学問や知識が浅く未熟なこと。「菲」はもと野菜の名で、かぶらの種類。転じて、薄い、粗末な、劣ったという意に用いられる。「菲才」は才能のないこと。「菲」は「非」とも書く。
せんがくひさい【浅学非才】
[名・形動]学問、知識ともに乏しく、かつ才能もないこと。自分は無知無能であると謙遜していう語。
せんきゃくばんらい【千客万来】
多くの客が入れ替わりひっきりなしに来て絶え間がないこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。店などが繁盛していたり来客が頻繁にあったりするときに用いる。「客」は「かく」とも読む。
せんきょうのぼう【遷喬之望】
出世を願うこと。
せんきんいっこく【千金一刻】
⇒ いっこくせんきん(一刻千金)
せんぎこうり【先義後利】
道義を優先させ、利益を後回しにすること。▽「義」は人として当然あるべき道の意。「利」は利益のこと。「義ぎを先さきにして利りを後あとにす」と訓読する。
せんぐんばんば【千軍万馬】
非常に大きな軍隊。また、その勢いが強いことの形容。また、数多くの戦いを経験していること。転じて、豊富な社会経験があること、多くの苦労を重ねたしたたかな老練の人の形容。▽「千」「万」は数の多いことを示す。
せんけつりんり【鮮血淋漓】
真紅の血がしたたり落ちるさま。
せんけんのめい【先見之明】
将来を見通す眼力。先を見越して、あらかじめ準備したりする能力、聡明さ。
せんげんばんご【千言万語】
非常にたくさんの言葉。また、たくさんの言葉を話すこと。さらにくどくどと言うこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「言」「語」はともに言葉のこと。
せんこくしょうち【先刻承知】
事柄、事情などについて、以前から充分に知っている、の意。
せんこばんかん【千呼万喚】
何度も何度も大声で呼びかけること。何度も促したり招いたりすること。また、繰り返し叫ぶこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「呼」「喚」はともに大声で呼び叫ぶこと。
せんこふえき【千古不易】
永遠に変化しないこと。価値などが長年にわたり変化しないこと。▽「千古」は太古、遠い昔。また、そのときから現在に至るまでの長い時間。「不易」は変化しないこと。「易」を「えき」と読むときは変わる、変化するの意。
せんこふま【千古不磨】
遠い昔からずっと何も変わっていないこと。特に、文化的な伝統や芸術品などに対して用いられる。
せんさいきさい【仙才鬼才】
他の人に比べて飛び抜けてすぐれた才能。▽「仙才」は仙人のような才能。仙人は人間界を離れて神通力を得た人。「鬼才」は人間業とは思えないようなずば抜けた才能のこと。もとは唐の詩人の李白を仙才、李賀を鬼才と称した。
せんさくばんそう【千錯万綜】
複雑に入り組んで、混乱しているさま。
せんさばんべつ【千差万別】
さまざまに異なって同じでないこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「差別」は区別・違いの意味。「差」は「しゃ」、「万」は「まん」とも読む。
せんざいいしき【潜在意識】
心の奥底にあって、本人も気づかない意識のこと。自覚されないが、本人の行動や思考に影響を与える、秘められた意識。精神分析における「無意識」。
せんざいいちぐう【千載一遇】
滅多に訪れそうもないよい機会。二度と来ないかもしれないほど恵まれた状態。▽「載」は「年」に同じ。「一遇」は一度出会う。「遇」は思いがけず出くわす。千年に一度偶然訪れるくらいの機会という意味。
せんざいのまつ【千歳之松】
千年も経た松の木。長寿のたとえ。
せんざいふま【千載不磨】
千年の後まで消えないこと。
せんざんばんすい【千山万水】
たくさんの山や川。山や川が続くこと。深山幽谷の形容。また、旅路の長くけわしいことの形容。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「山水」は「山河」に同じ。行けども行けども山や川が続くという意味。「万水千山ばんすいせんざん」ともいう。
せんしぎょくしつ【仙姿玉質】
並はずれた美人の形容。▽「仙姿」は仙女の姿。高尚で優雅な姿をたとえる。「玉質」は宝玉のようになめらかで美しい肌のこと。
せんしばんこう【千思万考】
何度も考えること。また、あれこれ考えて思いをめぐらすこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「思」は細かいことを考える。何回も思考してみるという意味。
せんしばんこう【千紫万紅】
さまざまな花の色の形容。また、色とりどりに咲いている花のこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。
せんしばんたい【千姿万態】
さまざまに異なる姿や形のこと。また、さまざまに姿や形を変えること。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「姿態」は姿やからだつき、また形・様子のこと。
せんしゃくていしょう【浅酌低唱】
ほどよく酒を味わい飲みながら、小声で詩歌を口ずさんで楽しむこと。▽「浅酌」はほどよく酒を飲むこと。「低唱」は小さい声で歌うこと。
せんしゅうばんこ【千秋万古】
永遠の歳月。長い長い年月のこと。
せんしゅうばんざい【千秋万歳】
歳月の非常に長いこと。また、長寿を祝う言葉。▽「千」「万」は数の非常に多いことを示す。「秋」「歳」はともに年のこと。千年、万年の非常に長い年月の意。「万歳」は「ばんぜい」「まんざい」とも読む。
せんしょばんたん【千緒万端】
物事がごたごたして複雑であることの形容。さまざまな雑多な事柄。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「端緒」が千も万もある、ということ。「端」は物事の出発点、「緒」は物事の糸口・取っ掛かりを示す。「緒」は「ちょ」とも読む。
せんしんいちい【専心一意】
⇒ いちいせんしん(一意専心)
せんしんばんく【千辛万苦】
さまざまな苦労や困難をしていくこと。また、そうした苦しみ。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「辛苦」が千も万もあるという意。
せんじょうのたん【川上之嘆】
無常に過ぎ行く時間への嘆き。過ぎた歳月は、川の水と同じで、二度と元へは戻らないということ。
せんじょうばんき【千乗万騎】
大規模で堂々とした行列のこと。天子の行列のこと。▽「千」「万」は数の多いことを示す。「千乗」は兵車千台。「乗」は車を数える単位。「万騎」は騎馬隊一万騎。車や騎馬隊が非常に多く連なった権力者、おもに天子の行列を指す。
せんじょうばんたい【千状万態】
「千態万状」に同じ。
せんせいこうげき【先制攻撃】
敵が、戦いの準備などをしている間に、先手を取って攻撃をしかけること。向かってくる相手より先に攻めること。
せんせいせんし【先聖先師】
孔子とその高弟顔回のこと。また、孔子の尊称。さらに孔子の理想とした政治家周公と孔子のこと。▽「先聖」は昔の聖人。「先師」は聖人の教えを広めるのに大功のあった人。また、師として仰ぎ学ぶべき昔の賢人。古代の中国では、学校を建てると先聖と先師を祭る決まりになっていた。先聖・先師をだれと見なすかは、時代によって異なる。わが国では、孔子を先聖、顔回を先師の筆頭として祭ったことから、孔子と顔回の意味で解釈する。
せんせんきょうきょう【戦戦兢兢】
恐れてびくびくしている様子。何かに恐れて気をつけ慎む様子。▽「戦戦」は震えて恐れること。「兢兢」は緊張して恐れるさま、恐れて戒め慎むさま。「兢」は「恐」とも書く。
せんせんきょうきょう【戦戦恐恐】
[ト・タル][文][形動タリ]おそれて、びくびくするさま。おそれつつしむさま。「—として父親の怒りが治まるのを待つ」
せんせんふこく【宣戦布告】
相手国に対して、戦争を宣言して公布すること。これにより、戦闘状態に入り、戦争が開始される。