とういせいじゅう【東夷西戎】
⇒ せいじゅうとうい(西戎東夷)
とういそくみょう【当意即妙】
即座に、場に適かなった機転を利かせること。気が利いていること。また、そのさま。▽「当意」はその場に応じて、素早く適切な対応をとったり工夫したりすること。仏教語の「当位即妙」(何事もそのままで真理や悟りに適っていること。また、その場の軽妙な適応)から。
とうえんけつぎ【桃園結義】
中国の小説『三国志演義さんごくしえんぎ』の中で、主人公の劉備玄徳りゅうびげんとく関羽かんう張飛ちょうひの三英雄が、張飛の家の桃畑で義兄弟の契りを結んだこと。のちに、義兄弟の契りとも呼ばれ、力を合わせて事にあたることを意味するようになった。▽「桃園とうえんに義ぎを結むすぶ」と訓読する。
とうかいひょうしゃく【凍解氷釈】
疑問や問題が、氷が解けてなくなるように解決すること。▽「解」「釈」はともに、ここでは氷が解けること。「氷」は「冰」とも書く。
とうかかしん【灯火可親】
灯火に親しむこと。涼しくさわやかな秋の夜長は、灯火のそばで読書をするのに適しているということ。また初秋の形容。
とうかせいせい【冬夏青青】
節操が堅く、常に変わらないことのたとえ。松やこのてがしわといった常緑樹は、色を変えることなく冬も夏も青々と茂っていることから。
とうきりつだん【当機立断】
機会をとらえて、素早く決断すること。▽「機」は時機・機会の意。「当機」は機に臨むこと。「立」は即刻、直ちにの意。「立断」ですばやく決断すること。「機きに当あたりて、立たちどころに断だんず」と訓読する。
とうけんがけい【陶犬瓦鶏】
形ばかり立派で、実際の役に立たないもののたとえ。▽「陶犬」は陶製の犬。「瓦鶏」は素焼きの鶏。犬には夜の番をする、鶏には夜明けを告げるという役目があるが、作り物ではその役目を果たすことができないことから。「瓦鶏陶犬がけいとうけん」ともいう。
とうこうかしゅ【刀耕火種】
山林を伐採し、火を放って草木を焼き払い、そこに種をまく意。焼畑農業のこと。▽古来、山地で行われた農法で、広く原始的な農業形態の意味でも用いられる。
とうこうぎゃくし【倒行逆施】
物事を行うに当たって、正しい道理に逆らった手段・方法を採ること。転じて、時代の風潮に逆らうよくない行いにも用いる。▽「倒」も「逆」もさからう意。「逆施倒行ぎゃくしとうこう」ともいう。
とうこうけんえい【刀光剣影】
殺気がみなぎり、今にも戦いが起こりそうな雰囲気のこと。また、殺し合いの激しいさま。刀はきらめき、剣の影はちらつくという意から。
とうこうせいそう【東行西走】
東に行き、西に走る意から、きわめて慌ただしくあちこち動きまわること。
とうこうりゅうりょく【桃紅柳緑】
紅くれないの桃の花と、緑あざやかな柳の葉。美しくさまざまな色彩に満ちた春の景色のこと。▽「柳緑桃紅りゅうりょくとうこう」ともいう。
とうこのふで【董狐之筆】
権力の圧力に屈せず、また権勢にこびへつらうことなく、歴史的事実を正しく記述すること。
とうさんりし【桃三李四】
桃の木は三年かかって実を結び、スモモは四年かかる意で、物事は完成するまでに年月がかかるということ。
とうざいなんぼく【東西南北】
四方。またすべての方角。
とうざんこうが【東山高臥】
世俗を離れて、山野に隠れ住み、自由気ままに暮らすこと。隠居して出仕しないことのたとえ。隠遁いんとん。
とうしまんまん【闘志満満】
闘争心がからだじゅうに満ち満ちていること。
とうしょうりふ【桃傷李仆】
桃が傷つき、兄弟分のスモモが倒れることから、兄弟が互いに反目して、相争うことのたとえ。
とうしょくせいしゅく【東食西宿】
両方に心を引かれること。貪欲なたとえ。
とうじょうしゅうこ【蹈常襲故】
従来のしきたりや方法を受け継いで、そのとおりに物事を執り行うこと。▽「蹈」は踏む。踏み行う。「襲」は受け継ぐ意。「常つねを蹈ふんで故こを襲おそう」と訓読する。略して「蹈襲」という。現代表記では「踏襲」。
とうせんかろ【冬扇夏炉】
⇒ かろとうせん(夏炉冬扇)
とうせんききょ【陶潜帰去】
陶潜は世俗の煩わしさを嫌い、官を辞して故郷に帰った。このとき名文の「帰去来辞ききょらいのじ」を作ったという故事を四字句にしたもの。▽「陶潜」は東晋とうしんの詩人。字あざなは淵明えんめい。自然を愛し、叙景詩にすぐれたので田園詩人と呼ばれた。『蒙求もうぎゅう』の一句。
とうぜんしごく【当然至極】
どう考えてもあたりまえであるということ。
とうだいずいいち【当代随一】
現代で最もすぐれているということの形容。
とうちてつじょう【湯池鉄城】
城のきわめて堅固なさま。▽「湯池」は熱い湯をたたえた池、転じて、城の要害堅固な濠ほりの意。
とうとうほうり【投桃報李】
桃が贈られてくれば、そのお礼にスモモを贈り返す意で、友人間の贈答のこと。また、自分が善を施せば、相手も善で報いるということ。
とうどうばつい【党同伐異】
事の道理に関係なく、仲間に味方し、対立する他者を攻撃すること。▽「同おなじきに党むらがり異ことなるを伐うつ」と訓読する。「伐異党同ばついとうどう」ともいう。
とうにんこんじょう【盗人根性】
盗みをするような者の根性。盗人に共通する、ずるくていやらしい性質。
とうはつじょうし【頭髪上指】
激怒して髪の毛が逆立つこと。▽「上指」は上を指すこと。
とうほんせいそう【東奔西走】
仕事や用事のため、東へ西へとあちこち忙しく走り回ること。
とうまちくい【稲麻竹葦】
多くの人や物が入り乱れるように群がっているさま。また、何重にも取り囲まれているさま。▽稲・麻・竹・葦あしが群生している様子から。
とうりせいけい【桃李成蹊】
桃やスモモの木の下には、実の美味しさに惹ひかれて集まって来る人たちによって自然に道ができてしまうように、高徳な人のまわりには自然に人が集まって来るということ。
とうりとうりゃく【党利党略】
自分が属する政党・党派の利益と、そのためにめぐらす策略のこと。
とうりまんもん【桃李満門】
桃やスモモが門に満ちあふれる意で、優秀な人材が一門に多く集まること。
とうりょうせいし【等量斉視】
すべての人々を差別せず、平等に扱うこと。▽「等」も「斉」もひとしいの意。すべての人に対して平等に量はかり、平等に視みるということ。「等ひとしく量はかり斉ひとしく視みる」と訓読する。
とうりょうのざい【棟梁之材】
国家を支える重任に耐える人材。
とうろうのおの【螳螂之斧】
弱者が自分の力をわきまえず、強者に立ち向かうことのたとえ。▽「螳螂」はかまきり、「斧」はかまきりのかま。
とうろのひと【当路之人】
重要な地位にあって権力を握っている人。
とおかのきく【十日之菊】
時期を過ぎたために役に立たなくなったもののたとえ。
とかくきもう【兎角亀毛】
⇒ きもうとかく(亀毛兎角)
ときこつらく【兎起鶻落】
野うさぎが巣穴から素早く走り出したり、はやぶさが急降下して獲物を捕らえたりする様子。転じて、書画や文章の勢いがあることのたとえ。▽「鶻」は、はやぶさ。
とくいまんめん【得意満面】
事が思いどおりに運び、誇らしさが顔全体に表れるさま。▽「得意」は成功に満足するさま。
とくぎょぼうせん【得魚忘筌】
魚を捕ってしまうと、その道具の筌やなのことなど忘れてしまうということ。転じて、目的を達すると、それまでに役立ったものを忘れてしまうことのたとえ。▽「筌」は水中に沈めて魚を捕る竹かごのこと。一般に「魚うおを得えて筌せんを忘わする」と訓読を用いる。
とくこうぼうじゅう【徳高望重】
人徳が高く、人々からの信望が厚いこと。▽「望重」は人望が厚いこと。
とくせいじよう【徳性滋養】
人が天から与えられた道徳的な性質を養い育てること。
とくひつたいしょ【特筆大書】
ことさら人目につくように、大きく書くこと。人目につくように特に強調すること。▽「特筆」は、特に取りたてて記すこと。
とくりょうかんだい【徳量寛大】
徳が高く、度量が大きく人に対して寛容なさま。▽「徳量」は徳のある人格の意。「寛大」は度量があって思いやりがあること。また、徳があり度量があること。
とこのうしん【吐故納新】
古いものを捨て、新しいものを取り入れること。▽「吐故」は古いものを吐き出すこと。「納新」は新しいものを入れること。「故ふるきを吐はきて新あたらしき納いる」と訓読する。
としくほう【兎死狗烹】
うさぎが死んでしまえば、それを捕らえるのに用いられた猟犬は不必要となって、煮て食べられてしまう意。戦時に活躍した武将は、ひとたび太平の世となると、用なしとして殺されてしまうことをたとえた言葉。また、後に広く、利用価値があるときだけ用いられ、無用になると捨てられてしまうことのたとえ。▽一般に「兎うさぎ死しして狗いぬ烹にらる」と訓読を用いる。