ふざいしょうめい【不在証明】
刑事事件で、犯罪が行われたときに被疑者または被告人が、現場に居合わせなかったことを明らかにすること。アリバイ。
ふしそうでん【父子相伝】
学問や技芸などの奥義を、父から子だけに伝えていくこと。▽「相伝」は代々伝えること。
ふしつせいこく【不失正鵠】
物事の要点や急所を正確にとらえること。的まとをはずれないこと。▽「正鵠」は弓の的の中心。的の真ん中の黒い星をいう。転じて、物事の要点・急所の意。「正鵠せいこくを失うしなわず」と訓読する。「正鵠」を「せいこう」と読むのは慣用読み。
ふしゃくしんみょう【不惜身命】
仏道のために身も命も惜しまないこと。身や命をささげて惜しまないこと。身を顧みないこと。▽仏教語。「不惜」は惜しまないこと。
ふしゃちゅうや【不舎昼夜】
昼も夜も休まない。時間の経過とともに物事がたえず推移すること。
ふしょうじけん【不祥事件】
よくないことでいやな感じがする出来事。
ふしょうふげい【不将不迎】
過ぎたことをくよくよと悔やんだり、まだ来ない先のことを、あれこれ悩んだりしないこと。去るものを送ったり、来るものを迎えたりしない意から。▽「将」は送る意。「将迎」は送り迎えの意で、「将」「迎」それぞれに打消しの「不」を添えた語。「将おくらず迎むかえず」と訓読する。
ふしょうふずい【夫唱婦随】
夫婦の仲が非常によいこと。夫が言い出し妻がそれに従う意から。▽「唱」は言い出すこと。提唱。「唱」は「倡」とも書く。
ふしょうぶしょう【不承不承】
いやいやながら、やむをえず物事を行うこと。▽「不承」はいやいやながら承知する意。「不承」を重ねて意味を強調した語。「承」は「請」とも書く。
ふせいせっきょう【浮声切響】
軽い音声と重々しい響き。声・響き・リズムの軽重や高下をいう。また、古い漢語の平声ひょうしょうと仄声そくせいのこと。▽「浮声」は軽やかに浮き上がった声。「切響」は重々しくつまった声調。また、鋭く厳しい響きをいう。
ふせきちんぼく【浮石沈木】
一般大衆の無責任な言論が、道理に反して威力をもつたとえ。水に沈むはずの石を浮かせ、水に浮くはずの木を沈める意から。▽「石いしを浮うかせ木きを沈しずむ」と訓読する。
ふぜいけんゆう【付贅懸疣】
余計な厄介もののたとえ。ひっついているこぶや、引っかかっているいぼの意から。▽「贅」「疣」はともに、こぶ・いぼのこと。「付」は「附」、「懸」は「県」、「疣」は「肬」とも書く。
ふそくふり【不即不離】
二つのものの関係が深すぎもせず、離れすぎもしないこと。つかず離れず、ちょうどよい関係にあること。▽「即」はつく、くっつく意。「即つかず離はなれず」と訓読する。「不離不即ふりふそく」ともいう。
ふたくしゅだん【不択手段】
目的を達するために、どんなことでもすること。
ふたまたこうやく【二股膏薬】
そのとき次第でどちらの側にも従うこと。また、その人。定見なく、あっちへついたり、こっちへついたりする節操のない人。▽「二股」は内股の意。「膏薬」は練り薬。内股に貼はった薬は、歩くうちに左右の足にあちこちつくことからいう。「膏」は「ごう」とも読む。
ふだんせっき【不断節季】
毎日節季のつもりで、地道でまじめに商売をしていれば、また、借金をせず地道に生活していれば、将来困ることはないということ。▽「不断」は日常、平生の意。「節季」は盆と暮れの年二回の決算期で、昔は借金もこのとき精算された。
ふちあんない【不知案内】
知識や心得がなく、実情や様子が分からないこと。▽「不知」は知らないこと。「案内」は事情、様子をよく知っていること。
ふちふしき【不知不識】
分からないうちに。気づかないうちに。
ふちゅうのうお【釜中之魚】
死や危険が眼前に迫っているのに何も気づかず、のんびりしていることのたとえ。
ふていちゅうしん【釜底抽薪】
問題解決のためには、根本原因を取り除かなければならないというたとえ。
ふてんそつど【普天率土】
天の覆う限り、地の続く限りのすべての地。天下至る所。▽「普」は大の意。また、あまねくの意。「率土」は人の従い行く所。土地から土地へと続くこと。「率」は「循」の意。「普天の下もと、率土の浜ひん」の略。「率土」は「そっと」とも読む。また、「普」は「敷」「溥」とも書く。
ふとうふくつ【不撓不屈】
強い意志をもって、どんな苦労や困難にもくじけないさま。▽「撓」はたわむ意。転じて、屈すること。「不屈不撓ふくつふとう」ともいう。
ふとくようりょう【不得要領】
話の要点がはっきりせず、何を言いたいのかよくわからないこと。
ふはいだらく【腐敗堕落】
健全な精神がゆるみ乱れて、品行が悪くなること。品行が悪くなって身をもち崩すこと。▽「腐敗」は腐り崩れる意から、堕落と同意。
ふばいびでん【不買美田】
肥えた田んぼを買わないこと。転じて、子孫を甘やかし安楽な生活ができるような遺産を残さないこと。
ふへいふまん【不平不満】
ある物事や状態に対して、心持ちが穏やかでなく満ち足りないさま。
ふへんだとう【普遍妥当】
どんなものにも、どんなときにも適切に当てはまるさま。時間や空間などのどんな条件下でも、すべてのものに共通して当てはまることをいう。▽「普遍」はすべてのものに共通していること。「妥当」は適切に当てはまること。
ふへんふとう【不偏不党】
いずれの主義や党派にも加わらないこと。偏ることなく、公正・中立な立場をとること。▽「偏」はかたよる意。「不偏」は偏らないこと。公正であること。「不党」は仲間や党派に加わらないこと。
ふべんとうざい【不弁東西】
東も西も区別できない。幼くて物事にけじめをつける能力がないこと。
ふほうこうい【不法行為】
法律用語で、故意、または過失により、他人の権利を侵害し、不利益をもたらす行為。
ふみんふきゅう【不眠不休】
眠ったり休んだりしないこと。休まず事に当たることをいう。
ふもうのち【不毛之地】
土地や気候などの条件が悪く、作物の育成に不向きな土地。転じて、文化や学芸などで、取り立てて見るべきものがない地域。
ふらちせんばん【不埒千万】
はなはだしく法や道理から踏み外れていること。非常にけしからぬこと。
ふりゅうもんじ【不立文字】
悟りは文字や言葉によることなく、修行を積んで、心から心へ伝えるものだということ。悟りは言葉で表せるものではないから、言葉や文字にとらわれてはいけないということ。▽禅宗の基本的立場を示した語。「文字もんじを立たてず」と訓読する。
ふろうしょとく【不労所得】
利子・家賃・地代など、勤労以外で得た収入。
ふろうちょうじゅ【不老長寿】
いつまでも年をとらず、長生きすること。▽「長寿」は長生き・長命。
ふろうふし【不老不死】
いつまでも年をとらず、死なないこと。いつまでも老いることなく生きること。
ふわずいこう【付和随行】
自分自身の主義や主張があいまいで、他人の意見に従って行動すること。
ふわらいどう【付和雷同】
自分にしっかりとした考えがなく、他人の言動にすぐ同調すること。▽「付和」は定見をもたず、すぐ他人の意見に賛成すること。「雷同」は雷が鳴ると万物がそれに応じて響くように、むやみに他人の言動に同調すること。「雷同付和らいどうふわ」ともいう。「付」は「附」とも書く。
ふんきいちばん【奮起一番】
この上ない力をこめて一気に立ち上がること。いきなり思い立つこと。
ふんきんしゃかく【焚琴煮鶴】
琴を焼いてつるを煮る意で、殺風景なこと。また、風流心のないことのたとえ。▽「焚」は焼く意。「琴ことを焚やき鶴つるを煮にる」と訓読する。
ふんけいのまじわり【刎頸之交】
首を切られても悔いないほど、固い友情で結ばれた交際。心を許し合った非常に親密な交際。▽「刎頸」は首を切ること。「頸」は首。「刎」は切る、はねる意。「交」は「こう」とも読む。
ふんこつさいしん【粉骨砕身】
力の限り努力すること。また、骨身を惜しまず一生懸命に働くこと。骨を粉にし、身を砕くほど努力する意から。▽「砕身粉骨さいしんふんこつ」ともいう。
ふんしょうぎょくたく【粉粧玉琢】
女性の容貌ようぼうが美しい形容。▽「粉粧」は化粧の意。「玉琢」は玉を磨く意で、女性が化粧を施して玉を磨いたように美しいこと。
ふんしょくけっさん【粉飾決算】
会社が対外的な信用の低下を防ぐため、財政状態や収支状況などを実際よりよく見えるように、損益計算書などの財務諸表の数字を偽って表示すること。
ふんしょこうじゅ【焚書坑儒】
言論・思想・学問などを弾圧すること。書物を焼いて儒学者を穴埋めにする意から。▽「焚」は焼く意。「坑」は穴埋めにする意。「儒」は儒学者・学者の意。
ふんぱくたいぼく【粉白黛墨】
化粧をした美人のこと。
ふんぼのち【墳墓之地】
祖先代々の墓がある土地。生まれ故郷。また、そこで一生を終えて骨を埋めようと決めている土地。
ふんれいどりょく【奮励努力】
気力を奮い起こして励むこと。▽「奮励」は気力を奮い起こして努めること。努める意の「努力」に「奮励」の語を添えて意味を強めた言葉。