いあくのしん【帷幄之臣】
指揮官とともに行動し、作戦計画に参画する部下。参謀。
いいきのき【異域之鬼】
外国にいて、祖国に帰れずに死ぬこと。また、その魂。▽「異域」は外国、「鬼」は死者の魂の意。本来は他国に魂がとどまり、遺骸いがいも祖国に帰れないことを指した。
いいせいい【以夷征夷】
外敵を利用して外敵を制することにより自国の安全と利益を守る外交戦略。また、他人の力を利用して、自分の利益をはかること。
いいせいい【以夷制夷】
「夷(い)を以(もっ)て夷を制す」に同じ。
いいだくだく【唯唯諾諾】
事のよしあしにかかわらず、何事でもはいはいと従うさま。人の言いなりになり、おもねるさま。「はい、はい」の意。▽「唯」「諾」ともに「はい」という応答の辞。
いいつたいろう【以逸待労】
自軍は本拠地で静養に努め、遠くから疲れてやってくる敵を待って闘うこと。
いおういぎょう【易往易行】
往生が容易で、そのための修行も容易であること。念仏の道をいう。また、浄土門のこと。行いやすい平易な修行で、極楽往生できるという教え。▽「往」は極楽往生すること。「行」は修行すること。浄土宗の他力本願の教え。阿弥陀如来あみだにょらいにすがって、「南無阿弥陀仏なむあみだぶつ」と唱えれば、極楽往生できると説くもの。
いかいくんとう【位階勲等】
国家が、勲功や功績のあった者を賞するために与えた等級。
いかんせいじ【衣冠盛事】
名門の家に生まれて功績をあげ、その家の盛んな名声を引き継ぐこと。また、その者。▽「衣冠」は衣服とかんむりの意から、立派な家柄・名門をいう。「盛事」は立派な事業、また、盛大な事柄の意。
いかんせんばん【遺憾千万】
物事が思うようにならず、残念でたまらないようす。非常に心残りであるさま。
いかんそくたい【衣冠束帯】
天皇以下、公家くげの正装。昔の貴族や高級官僚の正装。▽「衣冠」「束帯」はともに貴族の装束。「束帯」は衣を束ね、整える帯の意。転じて、朝廷での公事・儀式などでの正装。「衣冠」は束帯に次ぐもので、その略装。
いきけんこう【意気軒昂】
意気込んで、奮い立つさま。元気や勢力が盛んなさまで、威勢のいい様子。▽「意気」はあふれ出る元気、「軒昂」は高くあがる意。
いきしょうちん【意気消沈】
元気をなくすこと。しょげかえること。▽「消沈」は気力などが衰えること。「消」は「銷」とも書く。
いきしょうてん【意気衝天】
意気込みや元気が、このうえなく盛んな状態。▽「衝天」は天を突き上げる意。勢いの盛んなことのたとえ。「意気いき天てんを衝つく」と訓読する。
いきじじょ【意気自如】
物事に驚き恐れたりせず、気持ちがふだんと変わらず平静なさま。▽「意気」は気持ち・心持ちの意。「自如」は平気で落ち着いたさま。
いきそそう【意気阻喪】
意気込みや元気がくじけ弱ること。▽「阻喪」は気力がくじけ、勢いがなくなること。「阻」は「沮」とも書く。
いきとうごう【意気投合】
互いの気持ちや考えなどが、ぴったりと一致すること。気が合うことをいう。▽「投合」はぴったりと合う意。「投」も合う、かなう意。
いきょくどうこう【異曲同工】
⇒ どうこういきょく(同工異曲)
いきようよう【意気揚揚】
得意げで威勢のよいさま。いかにも誇らしげに振る舞うさま。▽「揚揚」は得意な様子。
いきんかんきょう【衣錦還郷】
きらびやかな衣服を着て故郷に帰ることから、立身出世して、故郷へ帰ることのたとえ。
いきんのえい【衣錦之栄】
立身出世して、富貴になり、きらびやかな衣服を着て故郷に帰る栄誉のたとえ。
いくいくせいせい【郁郁青青】
青々と生い茂り、よい香りを漂わせているさま。もと水際に生えたよろい草やふじばかまの様子をいった語。▽「郁郁」は香りのよいさま。「青青」は生い茂るさま。
いくどうおん【異口同音】
多くの人がみな口をそろえて、同じことを言うこと。また、みんなの意見が一致すること。▽「口」は「こう」とも読む。
いけんいっせつ【夷険一節】
平和で順調なときも逆境にあるときも、節操を変えないこと。▽「夷険」は土地の平らな所と険しい所の意。太平と乱世、また、順境と逆境のたとえ。「節」は節操の意で、節義を守って変えないこと。
いげんのはい【韋弦之佩】
身に帯びたなめし革と弓づる。自分の性格上の欠点を戒め、改めようとすることのたとえ。
いこくじょうちょ【異国情緒】
いかにも外国らしい風物がかもしだす、わが国のものとは異なる雰囲気や趣。エキゾチシズム。▽「情緒」は「じょうしょ」とも読み、その周囲をとりまく雰囲気や気分。また、ある場所や物に接したときに受ける、しみじみとした情趣や雰囲気。
いしきふめい【意識不明】
意識を失った状態。失神。「—の重体」
いしきもうろう【意識朦朧】
意識が薄れ、心の働きがぼんやりとかすんでいるさま。意識不明の手前の状態。
いしはくじゃく【意志薄弱】
意志が弱くて決断することができなかったり、物事を我慢する気持ちの弱いさま。また、一度決めたことを、人の意見ですぐ翻す場合にも用いる。
いしひょうじ【意思表示】
心で思っていることを、他人にわかるように明らかにすること。また、法律用語で、一定の法律上の効果を発生させるために、意思を外部に表示する行為のこと。
いしべきんきち【石部金吉】
まったく融通のきかない堅物を、石と金を重ねて人名めかしてたとえることば。
いしょうさんたん【意匠惨憺】
詩文・絵などを創作するときに思いわずらいながらする工夫。転じて、物事に工夫を凝らすために、あれこれと苦心すること。
いしょくどうげん【医食同源】
病気を治す薬と食べ物とは、本来根源を同じくするものであるということ。食事に注意することが病気を予防する最善の策である、また、日ごろの食生活も医療に通じるということ。▽「医食」は医薬と食事、「同源」は根源が同じ意。
いしょくれいせつ【衣食礼節】
日常の生活が満ち足りて、安定していればこそ、人は礼儀を知り節度をわきまえることができるということ。
いしんでんしん【以心伝心】
文字や言葉を使わなくても、お互いの心と心で通じ合うこと。▽もとは禅宗の語で、言葉や文字で表されない仏法の神髄を、師から弟子の心に伝えることを意味した。「心こころを以もって心こころに伝つたう」と訓読する。
いたいどうしん【異体同心】
肉体は違っても、心は一つに固く結ばれていること。関係がきわめて深いたとえ。身体は異なるが、心は同じという意から。特に、夫婦や非常に親しい人の間柄に多く用いる。
いたいふかい【衣帯不解】
あることに非常に専念すること。衣服を着替えることもせず、不眠不休で仕事に熱中すること。▽「衣帯」は着物と帯。「衣帯いたい解とかず」と訓読する。また、「不解衣帯ふかいいたい」ともいう。
いたんじゃせつ【異端邪説】
正統でないよこしまな思想・信仰・学説。▽「異端」は正統でなく、正道に反する教説。また思想・信仰・学説などで、多数の人に一般的に認められた正統に対して、特殊な少数の者に信じられ、主張されているものをいう。もとこの語は『論語ろんご』為政いせいから出たもの。「邪説」はよこしまな議論、不正な主張の意。「邪説異端じゃせついたん」ともいう。
いだてんばしり【韋駄天走】
足の非常に速い人。また、その走りぶり。
いちいこうく【一意攻苦】
いちずに心身を苦しめて努力すること。▽「一意」はいちずに、一心にの意。「意」は心の意。「攻苦」は苦難と戦う、苦しい境遇と戦う意。
いちいせんしん【一意専心】
他に心を動かされず、ひたすら一つのことに心を集中すること。▽「一意」はいちずに、一つのことに心を注ぐこと。「専心」は心を一つのことに集中すること。「専」は「摶」とも書く。「意いを一いつにし心こころを専もっぱらにす」と訓読する。また、「専心一意せんしんいちい」ともいう。
いちいたいすい【一衣帯水】
一筋の帯のように、細く長い川や海峡。転じて、両者の間に一筋の細い川ほどの狭い隔たりがあるだけで、きわめて近接しているたとえ。▽「衣帯」は衣服の帯。細く長いたとえ。「水」は川や海などをいう。
いちいんいったく【一飲一啄】
鳥がちょっと飲み、ちょっとついばむように、人がおのれの分に安んじて多くを求めないことのたとえ。また、自然とともに自由に生きることのたとえ。
いちえいいちじょく【一栄一辱】
人は社会の状況などによって、栄えることもあれば、恥辱にまみれることもあること。栄えているときは戒めとして、衰えているときは慰めの語として用いる。また、人の世のはかなさをいう。▽「辱」ははずかしめを受けること。「一」はあるときは、の意。
いちおういちらい【一往一来】
行ったり来たりすること。行き来すること。▽「一…一…」は「あるときは…あるときは…」の意。
いちおくいっしん【一億一心】
日本国民全員が心を一つに合わせ、結束するということ。
いちがつさんしゅう【一月三舟】
仏道は一つであるのに、衆生しゅじょうの受け止め方で、種々の意味に解釈されるたとえ。止まっている舟から見る月は動かず、南へ行く舟から見る月は南に動き、北へ行く舟から見る月は北へ動くように見えるということ。▽「月」は「げつ」とも読む。
いちぎゅうめいち【一牛鳴地】
一頭の牛の鳴く声が聞こえる土地の意から、非常に近い距離のたとえ。また、のどかな田園風景の表現。
いちぎょうざんまい【一行三昧】
仏道修行のうち、一つの修行法に決めて、それに専念して励むこと。
いちげんいっこう【一言一行】
一つの言葉と一つの行為。ちょっとした言葉とちょっとした行い。ふとしたわずかな言行。