いたいどうしん【異体同心】
肉体は違っても、心は一つに固く結ばれていること。関係がきわめて深いたとえ。身体は異なるが、心は同じという意から。特に、夫婦や非常に親しい人の間柄に多く用いる。
いちぞくろうとう【一族郎党】
血のつながりのある者と、その従者や家来。また、家族や関係者の全員、有力者とその周りにいる利益を同じくする者をもいう。▽「郎党」は家臣の意で、「ろうどう」とも読み、また「郎等」とも書く。
いっかけんぞく【一家眷属】
家族および家族と血縁関係にある者。一族。家臣・従者を含めることもある。またある流派に属する人々。
いっかだんらん【一家団欒】
家族が集まり、楽しく談笑すること。▽「団」「欒」はともに丸い意で、「団欒」は丸く輪のようになって座る、集まってむつまじくする意。
いっしそうでん【一子相伝】
学問や技芸などの秘伝や奥義を、自分の子供の一人だけに伝えて、他には秘密にして漏らさないこと。▽「相伝」は代々伝えること。
いっしんどうたい【一心同体】
二人、または多くの人が心を一つにして、あたかも一人の人のように固く結びつくこと。
えんおうのちぎり【鴛鴦之契】
オシドリのように一生なかむつまじく連れ添うという夫婦の契り。夫婦のきずながきわめて強いことのたとえ。夫婦仲がよいことの形容。
かいろうどうけつ【偕老同穴】
夫婦が仲むつまじく添い遂げること。夫婦の契りがかたく仲むつまじいたとえ。夫婦がともにむつまじく年を重ね、死後は同じ墓に葬られる意から。▽「偕」はともにの意。「穴」は墓の穴の意。
かんしょのか【関雎之化】
夫婦仲がよく、家庭がうまく治まることのたとえ。
きんしつそうわ【琴瑟相和】
人と人の仲、特に夫婦の仲がむつまじいことのたとえ。
ぎょっこんきんゆう【玉昆金友】
他人の兄弟をほめていう語。すぐれた兄弟の意。▽「昆」は兄、「友」は弟。「玉」「金」は珠玉と黄金。すぐれていることの形容。「金友玉昆きんゆうぎょっこん」ともいう。
けいえいいちにょ【形影一如】
仲むつまじい夫婦のたとえ。また、心の善し悪しがその行動に表れるたとえ。からだとその影は常に離れず寄り添い、同じ動きをすることからいう。▽「形影」はからだとその影。互いに離れることがないことから、密接な関係のたとえ。「一如」は一体である、不可分である意。
げんぷじぼ【厳父慈母】
わが子に対して厳しい父親と愛情の深い母親のこと。
こつにくそうしょく【骨肉相食】
親子兄弟など肉親同士が争うこと。
こつにくのしん【骨肉之親】
親や兄弟など血筋のつながっている人のこと。また、それらの間の深い愛情のたとえ。
ごうかんちゅうびゅう【合歓綢繆】
男女が親しく愛し合うさま。▽「合歓」は喜びをともにすること。男女が交わること。「綢繆」はもつれ合う、まつわる意。
さいしけんぞく【妻子眷族】
妻や子など、家族と血縁にある親族のこと。また、一族とその従者や部下。▽「眷族」は血のつながりのあるもの。一族。また、従者や部下。「族」は「属」とも書く。
さいしりさん【妻子離散】
家族がばらばらになること。一家離散。
さいほうずいあ【彩鳳随鴉】
女性が、自分より身分などが劣る人に嫁ぐこと。また、妻が夫をぞんざいに扱うこと。美しい鳳おおとりが、黒いカラスのところへ嫁に行くという意味。
ししそんそん【子子孫孫】
末代まで。孫子まごこの代まで。代々。子孫の続く限りの意。▽「子孫」を重ねて強めた語。「孫孫」は「そんぞん」とも読む。
しとくのあい【舐犢之愛】
親牛が子牛をなめまわすように、親が子どもを溺愛できあいすること。
しゅうしんせいか【修身斉家】
自分の行いを修め正して、家庭をととのえ治めること。▽「斉」はととのえ治める意。「身みを修おさめ家いえを斉ととのう」と訓読する。儒教の基本的な政治観を表す「修身、斉家、治国、平天下」(身を修め、家庭をととのえ、国を治め、天下を平和に導く)の中の語。
しょうちゅうのたま【掌中之珠】
自分のいちばん大事なたからもの。手の中に握りしめている大切な珠玉という意味。最愛の妻や子どもをさす場合が多い。
しんせきちき【親戚知己】
親族と知人のこと。親類、一族に加えて、友人や知り合いなど。
じぼはいし【慈母敗子】
教育は時には厳しさが必要であることのたとえ。母親が慈愛にあふれて甘すぎると、かえって放蕩ほうとうな子ができる意から。▽「慈母」は慈愛に満ちた母で、ここでは度を過ぎて甘い母のこと。「敗子」は家をやぶる子の意で、放蕩な子のこと。「慈母じぼに敗子はいし有あり」の略。
そうこうのつま【糟糠之妻】
貧しいときから一緒に苦労を重ねてきた妻。▽「糟糠」は酒かすと米ぬか。貧しい食事の形容。「糟糠の妻は堂より下さず」とも常用される。貧しさを共にしてきた妻は、自分が富貴になっても大切にするという意。
そくはつふうはく【束髪封帛】
妻が貞操をかたく守ること。
だんきのいましめ【断機之戒】
学問は中途で放棄してしまっては何の価値もないという戒め。
ていしゅかんぱく【亭主関白】
夫(亭主)が一家あるいは夫婦間の支配者として絶大な権力をもち、君臨していること。
とうしょうりふ【桃傷李仆】
桃が傷つき、兄弟分のスモモが倒れることから、兄弟が互いに反目して、相争うことのたとえ。
どうぼうかしょく【洞房花燭】
新婚のこと。また、新婚の夜のこと。
にくじきさいたい【肉食妻帯】
僧侶そうりょが肉を食べ、妻をめとること。▽僧侶は殺生をしてはならず、禁欲生活を送るべきものであるという考え方から、かつて浄土真宗以外の宗派ではこれを禁じていた。「食」は「しょく」とも読む。
はくいしゅくせい【伯夷叔斉】
高潔な人物のたとえ。伯夷と叔斉という古代中国の清廉潔白な兄弟の名から。
はくちゅうしゅくき【伯仲叔季】
兄弟の順序の呼び名。年長の順に伯、仲、叔と呼び、末弟を季という。
ひよくれんり【比翼連理】
男女の情愛の、深くむつまじいことのたとえ。相思相愛の仲。夫婦仲のむつまじいたとえ。▽「比翼」は比翼の鳥のことで、雌雄それぞれ目と翼が一つずつで、常に一体となって飛ぶという想像上の鳥。「連理」は連理の枝のことで、根元は別々の二本の木で幹や枝が途中でくっついて、木理が連なったもの。男女の離れがたく仲むつまじいことのたとえ。
ふしそうでん【父子相伝】
学問や技芸などの奥義を、父から子だけに伝えていくこと。▽「相伝」は代々伝えること。
ふしょうふずい【夫唱婦随】
夫婦の仲が非常によいこと。夫が言い出し妻がそれに従う意から。▽「唱」は言い出すこと。提唱。「唱」は「倡」とも書く。
ふばいびでん【不買美田】
肥えた田んぼを買わないこと。転じて、子孫を甘やかし安楽な生活ができるような遺産を残さないこと。
ほうおううひ【鳳凰于飛】
①おおとりの雌雄のように、夫婦が仲むつまじいこと。②鳳凰が飛ぶと他の鳥も従って飛ぶ意から、聡明な天子のもとに、賢者が多く集まることのたとえ。
ほうとうむすこ【放蕩息子】
ほしいままに振る舞う、全く役立たずの息子。酒や女におぼれて身持ちがおさまらない息子。
もうぼさんせん【孟母三遷】
子供は周囲の影響を受けやすいので、子供の教育には環境を選ぶことが大切であるという教え。▽「孟母」は孟子の母。「遷」は移る、転居すること。
りょうさいけんぼ【良妻賢母】
夫に対してはよい妻であり、子供に対しては養育に励む賢い母であること。また、そのような人。