いっこけいせい【一顧傾城】
美女がちらりと流し目をおくるだけで、一つの町を支配する男が夢中になって我を忘れ、町が滅んでしまうという意から、絶世の美女のたとえ。
うさいかんもく【于思睅目】
ひげが多く、目の大きなさま。
かいごのはな【解語之花】
美女のたとえ。
かじんはくめい【佳人薄命】
美人はとかく薄幸であること。美人は美しく生まれついたため数奇な運命にあって、とかく幸せな一生が送れないものであること。また、美人はとかく短命であること。立派な人について言う場合もある。▽「薄命」は不運のこと。運命に恵まれないこと。また、短命の意にも用いる。
かりょうびんが【迦陵頻伽】
美しい声のたとえ。また、声の非常に美しいもののたとえ。あるいはヒマラヤ山中にいる想像上の鳥の名で、まだ殻にあるときに美しい声で鳴くともいい、極楽浄土にすみ、比類なき美声で鳴く想像上の鳥ともいう。浄土曼陀羅じょうどまんだらの絵などでは上半身は美女、下半身は鳥の姿で描かれている。▽仏教語。梵語ぼんごkalavinkaの音写で、仏典では「好声鳥」「逸音鳥」「妙声鳥」などと訳されており、この鳥の比類のない美声を仏の声にたとえている。
きょくびほうきょう【曲眉豊頰】
美女のたとえ。
ぎゅうきだしん【牛鬼蛇神】
妖怪や鬼神。もとは怪しげでとりとめがなく、幻のような作風・作品のたとえ。どうにも奇妙でしまりがないさま。また、邪よこしまなことをするさまざまな悪人のたとえ。さらに容貌ようぼうの醜いたとえとして用いられることもある。▽「牛鬼」は頭が牛の形をした鬼神・怪物のこと。転じて、容姿が醜いたとえ。「蛇神」は顔が人で身体が蛇の姿をした神。
けいこくのびじょ【傾国美女】
絶世の美女のこと。
けいせいけいこく【傾城傾国】
絶世の美女のたとえ。また、日本では遊女のこと。
けいようここう【形容枯槁】
顔だちがやせ衰えて生気がないさま。やつれること。
けんしえんしつ【妍姿艶質】
豊満な美人のたとえ。
さいしかじん【才子佳人】
才知のすぐれた男子と、美人の誉れ高い女子。理想的な男女のこと。▽「才子」は才知のあるすぐれた人。「佳人」は美しい人。「佳人才子かじんさいし」ともいう。
さいしょくけんび【才色兼備】
すぐれた才能と美しい容姿の両方をもっていること。多くは女性についていう。▽「才色」は才知・才能と顔かたちのこと。「兼備」は兼ね備えること。「色」は「しき」「そく」とも読む。
しゅうかへいげつ【羞花閉月】
美人の容姿のすぐれてうるわしいこと。あまりの美しさに花を恥じらわせ、月も恥じらい隠れる意から。▽「羞」は恥じらう意。「閉月羞花へいげつしゅうか」ともいう。
しゅしんこうし【朱唇皓歯】
美人の形容。赤い唇と白い歯の意から。▽「皓」は白い意。「唇」は「脣」に同じ。
しゅんらんしゅうぎく【春蘭秋菊】
春の蘭と秋の菊。花の時期は異なるものの、どちらもそれぞれに美しいということ。転じて、いずれもすばらしく、優劣を付けがたいことのたとえ。
じびぜんもく【慈眉善目】
優しく柔和な顔つき。善良そうな人のこと。
たんしょうのうまつ【淡粧濃抹】
美しい女性の容貌ようぼうや装いのこと。▽「淡粧」は薄い化粧、「濃抹」は濃い化粧。どちらも趣があって美しいということ。「抹」は「沫」とも書き、「ばつ」とも読む。
ちんぎょらくがん【沈魚落雁】
魚や雁がんも恥じらって、身を隠すほどの美人。▽もともとは『荘子そうじ』斉物論せいぶつろんに見える逸話で、人間の基準での美人を見ても魚や鳥は逃げるだけだという、価値の相対性を表した語。「落雁沈魚らくがんちんぎょ」ともいう。
はっぽうびじん【八方美人】
だれに対しても、如才じょさいなく振る舞うこと。また、そのような人。どこから見ても欠点のない美人の意から。▽「八方」はあらゆる方向。この言葉は、悪い意味で用いられることが多い。
ひょうきぎょっこつ【氷肌玉骨】
美しい女性の形容。また、梅の花のたとえ。
びじんはくめい【美人薄命】
美しい人は、とかく病弱であったり、数奇な運命にもてあそばれたりして、短命な者が多いということ。▽「薄命」は不幸せの意。主に短命なことをいう。
びもくしゅうれい【眉目秀麗】
容貌ようぼうがすぐれ、たいへん美しいさま。男性に用いる語。▽「眉目」は眉まゆと目のこと。転じて、顔かたち。「秀麗」はすぐれてうるわしいさま。
ふんぱくたいぼく【粉白黛墨】
化粧をした美人のこと。
へいいはぼう【弊衣破帽】
破れてぼろぼろの衣服や帽子。身なりに気を使わず、粗野でむさくるしいこと。特に、旧制高校の学生が好んで身につけた蛮カラな服装。▽「弊衣」は傷み破れた衣服。「破帽」は破れてぼろぼろの帽子。「破帽弊衣はぼうへいい」ともいう。「弊」は「敝」とも書く。
ほうとうこうめん【蓬頭垢面】
身だしなみに無頓着むとんちゃくで、むさくるしいこと。また、疲れ切った貧しい様子。乱れた髪と垢あかまみれの顔の意から。▽「蓬頭」はよもぎのような、ぼさぼさに乱れた髪。「蓬」はよもぎの意。「垢面」は垢まみれの顔。「垢」は「く」とも読む。
めいぼうこうし【明眸皓歯】
美女の形容。美しく澄んだ目もとと、白く美しい歯並びの意から。非業の死を遂げた楊貴妃ようきひをしのんで、唐の詩人杜甫とほが作った詩の語で、もとは楊貴妃の美貌びぼうを形容した語。▽「眸」は瞳ひとみのこと。「皓」は白くきれいなこと。「皓」は「皎」とも書く。「皓歯明眸こうしめいぼう」ともいう。
ようしたんれい【容姿端麗】
顔や姿が整い、美しいさま。▽「端麗」はすらりとして美しいさま。整って美しいさま。
ようぼうかいい【容貌魁偉】
姿かたちが堂々として大きく立派なさま。▽「魁偉」は大きくて立派なさま。