おんこうとくじつ【温厚篤実】
温かで情が厚く、誠実なさま。人の性質をいう語。▽「温厚」は穏やかでやさしく、情が深いこと。「篤実」は人情に厚く実直なさま。誠実で親切なこと。「篤実温厚とくじつおんこう」ともいう。
おんじゅうとんこう【温柔敦厚】
穏やかでやさしく、情が深いこと。もと、孔子が儒教の基本的な古典で、中国最古の詩集である『詩経しきょう』の教化の力を評した語。『詩経』の詩篇は古代の純朴な民情が素直に歌われたもので、人を感動させ、教化する力をもっていると説いたもの。▽「温柔」は穏やかで柔和なこと。「敦厚」はねんごろで人情深いこと。
おんぶんじが【温文爾雅】
心がおだやかで礼儀にかない、文章、言語、風俗などのかどがとれて美しいこと。
きげんきこう【危言危行】
言語や行いを厳しくすること。また、言行を清く正しく保つこと。▽「危」は前者のとき、言動を厳しくして俗に従わない、また、厳正にする意。後者のとき、高くする、正しく気高くする意。よって前者は「言げんを危はげしくし行おこないを危はげしくす」、後者は「言げんを危たかくし行おこないを危たかくす」と訓読する。別な訓読もある。
きこうくほ【規行矩歩】
心や行動がきちんとして正しいこと。品行方正なこと。また、古いしきたりや決まりごとにとらわれて融通のきかないこと。歩き方がきちんとした法則にかなっている意から。
きょうきんしゅうれい【胸襟秀麗】
考え方や心構えが正しく立派なさま。▽「胸襟」は胸のうち・心の中の意。「襟」も心・胸の意。「秀麗」はすぐれて美しいさま。
きょくこうのたのしみ【曲肱之楽】
清貧に甘んじて学問に励み、正しい道を行う楽しみ。また、貧しさの中にある楽しみ。
きんげんじっちょく【謹厳実直】
きわめて慎み深く、まじめで正直なさま。▽「謹厳」は慎み深く厳格なこと。「実直」はまじめで正直なさま。
けんりょうほうせい【賢良方正】
賢く善良で行いが正しいこと。また、その人。また、漢唐以降の官吏登用試験の科目の名。▽「賢良」は賢く善良なこと。「方正」は行いが正しいこと。
こうぎせっせい【巧偽拙誠】
どんなに巧たくみに偽りごまかしても、下手でも誠意や真心のある言動にはかなわないということ。
こうめいせいだい【公明正大】
私心をさしはさまず、公正に事を行うこと。また、そのさま。▽「公明」は公平で私心のないこと。不正や隠し立てがないこと。「正大」は態度や行動などが正しくて堂々としていること。
こっきふくれい【克己復礼】
私情や私欲に打ち勝って、社会の規範や礼儀にかなった行いをすること。▽「克」は勝つ意。また、抑える、約す意。「克己」は自分の欲望や私情に勝つこと。また、わが身を慎むこと。「復」は返る意。「復礼」は礼の道に立ち返る、従うこと。「己おのれに克かちて礼れいに復ふくす」と訓読する。もと、孔子が重んじた「仁」について、弟子の顔淵がんえんに答えた語。
ごうきちょくりょう【剛毅直諒】
意志が強く、正直で誠実なこと。また、そのさま。
しつじつごうけん【質実剛健】
中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。▽「質」は質朴、「実」は誠実の意で、「質実」は飾り気がなく、まじめなこと。「剛健」は心やからだが強く、たくましいこと。「剛健質実ごうけんしつじつ」ともいう。
しんじついちろ【真実一路】
偽りのない真心をもって一筋に進むこと。▽「真実」はまこと・ほんとうのこと。「一路」は一筋の道、一筋の道をまっすぐに、ひたすらの意。
せいしんせいい【誠心誠意】
このうえないまごころ。まごころのこもるさま。打算的な考えをもたず、まごころこめて相手に接する心をいう。▽「意」は考え・気持ち。
せいせいどうどう【正正堂堂】
態度や手段が正しくて立派なさま。▽「正正」は軍旗が正しく整うさま。「堂堂」は陣構えの勢いが盛んなさま。「正正の旗、堂堂の陣」の略。
せいれいかっきん【精励恪勤】
力の限りを尽くして学業や仕事に励むこと。▽「精励」は力を尽くして努めること、「恪」はつつしむ意で、「恪勤」はまじめに一生懸命勤めること。「恪勤精励かっきんせいれい」ともいう。
せいれんけっぱく【清廉潔白】
心が清くて私欲がなく、後ろ暗いことのまったくないさま。▽「廉」は私欲がなく、けじめがついているさま。「潔白」は心や行いがきれいで正しく、やましいところがないさま。
たくげんたくこう【択言択行】
善悪を区別して選び抜かれるべき言葉と行いのこと。「択言択行無し」と用いられ、善悪の区別をつける必要のない言行の意で、すべて道理にかなった立派な言行のこと。また、選択された言葉や行い。▽「択」は善悪を区別して、よいものを選びとる意。
てんじんめいごう【天人冥合】
天意と人の言行が自然と一致すること。人の言行が正しければ、おのずとそれは天意であること。
ひんこうほうせい【品行方正】
心や行いが正しく立派なさま。▽「品行」は行い・振る舞い・行状のこと。「方正」は心や行いが、正しくきちんとしているさま。
ふかいてんち【不愧天地】
心や行いに、はずかしく気がひけるところのないこと。生き方にやましさがないこと。