うんえんかがん【雲烟過眼】
雲やかすみが目の前を過ぎ去ってとどまらないように、物事に深く執着しないたとえ。物事に心をとめないで淡泊なたとえ。また、物事の過ぎ去ってとどまらないことのたとえ。▽「雲烟」は雲とかすみ。雲とけむり。「過眼」は目の前を過ぎ去ること。「烟」は「煙」とも書く。「過眼雲烟かがんうんえん」ともいう。
うんしんげっせい【雲心月性】
名声や利益を求めず、雲や月のように清らかな心や性質をもつ人のこと。
きょしんたんかい【虚心坦懐】
心になんのわだかまりもなく、気持ちがさっぱりしていること。心にわだかまりがなく、平静に事に望むこと。また、そうしたさま。▽「虚心」は心に先入観やわだかまりがなく、ありのままを素直に受け入れることのできる心の状態。「坦懐」はわだかまりがなく、さっぱりとした心。平静な心境。
きょせいてんたん【虚静恬淡】
心静かでわだかまりがなく、さっぱりしているさま。もと道家の修養法の語。▽「虚静」は心に先入観やわだかまりがなく、静かで落ち着いていること。「恬淡」は欲がなく心にわだかまりがないこと。
くうくうじゃくじゃく【空空寂寂】
空虚で静寂なさま。執着や煩悩ぼんのうを除いた静かな心の境地。無心。転じて、何もなく静かなさま。また、思慮や分別のないさま。▽仏教語。「空」はこの世の有形・無形の一切のものは、固定した実体がないこと。「寂」はひっそりと静かな意。煩悩や執着のない静寂なあり方が本性であること。
けいみょうしゃだつ【軽妙洒脱】
軽やかでしゃれていること。俗っぽくなく、さわやかで洗練されて巧みなこと。また、そのさま。▽「軽妙」は軽やかでたくみなさま。「洒脱」は俗気がなくさわやかなさま。さっぱりしていてこだわらないさま。
こぎゅうこば【呼牛呼馬】
相手の言うのにまかせて、自分では逆らわないことのたとえ。相手が自分を牛と呼べば自分は牛だと思い、馬だと呼ばれれば自分は馬だと思う意。▽「牛うしと呼よび馬うまと呼よぶ」と訓読する。
こぼくかんがん【枯木寒巌】
世俗に超然とした悟りの境地のたとえ。枯れた木と冷たい岩の意から。仏教、特に禅宗で「枯木」「寒巌」を、情念を滅却した悟りの境域にたとえる。また、情味がなく冷淡で取っつきにくい態度・性質などのたとえに用いられることもある。▽「巌」はいわお。高く大きな石。「寒巌枯木かんがんこぼく」ともいう。
しゃしゃらくらく【洒洒落落】
さっぱりとして物事にとらわれないさま。人の性格や態度などについていう。▽「洒落」のそれぞれの語を重ねて語意を強めた語。「灑灑落落」とも書き、「さいさいらくらく」とも読む。
たいぎゅうだんきん【対牛弾琴】
牛に対して琴を弾いて聞かせる意から、何の効果もなく無駄なこと。愚かな人に深遠な道理を説いて聞かせること。せっかくの好意や努力が無駄に終わること。▽「牛うしに対たいして琴ことを弾だんず」と訓読する。
てんたんかよく【恬淡寡欲】
心安らかであっさりとし、欲のないこと。
ばじとうふう【馬耳東風】
他人の意見や批評に注意を払わず、聞き流すことのたとえ。もとは春風が馬の耳に吹く意。人が心地よいと感じる春風が吹いても、馬は何も感じないように見えることからいう。▽「東風」は東から吹く風。春風のこと。「東風、馬耳を射る」の略。
むよくてんたん【無欲恬淡】
淡泊で欲がなく、物に執着しないさま。▽「無欲」はあれこれ欲しがらないこと。「恬淡」はこだわりがなく、あっさりしている意。「欲」は「慾」また、「淡」は「澹」「憺」とも書く。