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しょう‐ぶ【勝負】例文一覧 30件

  1. ・・・綱利は彼の槍術を賞しながら、この勝負があった後は、甚不興気な顔をしたまま、一言も彼を犒わなかった。 甚太夫の負けざまは、間もなく蔭口の的になった。「甚太夫は戦場へ出て、槍の柄を切り折られたら何とする。可哀や剣術は竹刀さえ、一人前には使え・・・<芥川竜之介「或敵打の話」青空文庫>
  2. ・・・もっとも目録以下のものの勝負だけを見届けたのでございまする。数馬の試合を致した時にも、行司はやはりわたくしでございました。」「数馬の相手は誰がなったな?」「御側役平田喜太夫殿の総領、多門と申すものでございました。」「その試合に数・・・<芥川竜之介「三右衛門の罪」青空文庫>
  3. ・・・掛引きで腹を立てたら立てたほうが敗け勝負だよ。貸し越しもあったので実はよけい心配もしたのだが、そんなものを全部差し引くことにして報酬共に五千円で農場全部がこちらのものになったのだ。これでこの農場の仕事は成功に終わったといっていいわけだ」・・・<有島武郎「親子」青空文庫>
  4. ・・・ 吐き出すように良人がこういった時勝負はきまっていた。妻は争い負けて大部分を掠奪されてしまった。二人はまた押黙って闇の中で足しない食物を貪り喰った。しかしそれは結局食欲をそそる媒介になるばかりだった。二人は喰い終ってから幾度も固唾を飲ん・・・<有島武郎「カインの末裔」青空文庫>
  5. ・・・出た処勝負に石段の上に立ちおったで。」「己は、魚の腸から抜出した怨霊ではねえかと思う。」 と掴みかけた大魚腮から、わが声に驚いたように手を退けて言った。「何しろ、水ものには違えねえだ。野山の狐鼬なら、面が白いか、黄色ずら。青蛙の・・・<泉鏡花「貝の穴に河童の居る事」青空文庫>
  6. ・・・「それでも、君、戦争でやった真剣勝負を思うたら、世の中でやっとることが不真面目で、まどろこしうて、下らん様に見えて、われながら働く気にもなれん。きのうもゆう方、君が来て呉れるというハガキを見てから、それをほところに入れたまま、ぶらぶら営所の・・・<岩野泡鳴「戦話」青空文庫>
  7. ・・・ば、発明家の苦辛にも政治家の経営にもまた必ず若干の遊戯的分子を存するはずで、国事に奔走する憂国の志士の心事も――無論少数の除外はあるが――後世の伝記家が痛烈なる文字を陳ねて形容する如き朝から晩まで真剣勝負のマジメなものではないであろう。ある・・・<内田魯庵「二葉亭四迷」青空文庫>
  8. ・・・……この売りと買いの勝負は、むろんお前の負けで、買い占めた本をはがして、包紙にする訳にも思えば参らず、さすがのお前もほとほと困って挙句に考えついたのが「川那子丹造美談集」の自費出版。 しかし、これはおかしい程売れず、結果、学校、官庁、団・・・<織田作之助「勧善懲悪」青空文庫>
  9. ・・・三番といえばまるで勝負にならぬ位貧弱な馬で、まさかこれが穴になるとは思えなかったが、やはりその男の風体が気になる、といって二十円損をするのも莫迦らしく、馬の片脚五円ずつ出し合って四人で一枚の馬券を買う仲間を探しているのだった。あの男はこの競・・・<織田作之助「競馬」青空文庫>
  10. ・・・でまあ、このうちで勝負をするという奴は蕭伯の、大物という順序から一本一本出して行った。「周文ですかな……」ちょっと展げて見たばかしで、おやおやと言った顔して、傍に畏まっている弟子の方へ押してやる。弟子は叮嚀に巻いて紐を結ぶ。 中には・・・<葛西善蔵「贋物」青空文庫>
  11. ・・・人力車が六台玄関の横に並んでいたが、車夫どもは皆な勝手の方で例の一六勝負最中らしい。 すると一人の男、外套の襟を立てて中折帽を面深に被ったのが、真暗な中からひょっくり現われて、いきなり手荒く呼鈴を押した。 内から戸が開くと、「竹・・・<国木田独歩「牛肉と馬鈴薯」青空文庫>
  12. ・・・この老人と自分、外に村の者、町の者、出張所の代診、派出所の巡査など五六名の者は笊碁の仲間で、殊に自分と升屋とは暇さえあれば気永な勝負を争って楽んでいたのが、改築の騒から此方、外の者はともかく、自分は殆ど何より嗜好、唯一の道楽である碁すら打ち・・・<国木田独歩「酒中日記」青空文庫>
  13. ・・・その方がよく廻って勝負をすると強いのだ。もう十二三年も前に使っていたものだが、ひびきも入っていず、黒光りがして、重く如何にも木質が堅そうだった。油をしませたり、蝋を塗ったりしたものだ。今、店頭で売っているものとは木質からして異う。 しか・・・<黒島伝治「二銭銅貨」青空文庫>
  14. ・・・「イヤ割が悪いどころでは無い、熔金を入れるその時に勝負が着くのだからネ。機嫌が甚く悪いように見えたのは、どういうものだか、帰りの道で、吾家が見えるようになってフト気中りがして、何だか今度の御前製作は見事に失敗するように思われ出して、それ・・・<幸田露伴「鵞鳥」青空文庫>
  15. ・・・毎日真剣勝負をするような気になって、良い物、悪い物、二番手、三番手、いずれ結構上じょうじょうの物は少い世の中に、一ト眼見損えば痛手を負わねばならぬ瀬に立って、いろいろさまざまあらゆる骨董相応の値ぶみを間違わず付けて、そして何がしかの口銭を得・・・<幸田露伴「骨董」青空文庫>
  16. ・・・ そんなことを言って見ている三郎たちのそばで、また二人は勝負を争った。健康そのものとも言いたいお徳が肥った膝を乗り出して、腕に力を入れた時は、次郎もそれをどうすることもできなかった。若々しい血潮は見る見る次郎の顔に上った。堅く組んだ手も・・・<島崎藤村「嵐」青空文庫>
  17. ・・・全くのその日暮し、その時勝負でやっているのだろうか。あながちそうでもないようである。事実、自分の日常生活を支配しているものは、やっぱり陳い陳い普通道徳にほかならない。自分の過去現在の行為を振りかえって見ると、一歩もその外に出てはいない。それ・・・<島村抱月「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」青空文庫>
  18. ・・・一篇の小説で、勝負をきめようという意識は捨てなさい。自分たちは、ルビコン河を渡る英雄ではないのです。こんどの君の小説は、面白そうです。四十年の荒野の意識は、流石に、たっぷりしています。君の感興を主として、濶達に書きすすめて下さい。君ほどの作・・・<太宰治「風の便り」青空文庫>
  19. ・・・ 青扇は、勝負中は全く無口であった。しっかとあぐらの腰をおちつけて、つまり斜めにかまえていた。「おなじくらいですな。」彼は駒を箱にしまいこみながら、まじめに呟いた。「横になりませんか。あああ。疲れましたね。」 僕は失礼して脚をの・・・<太宰治「彼は昔の彼ならず」青空文庫>
  20. ・・・ 最後にデンプシーの審判で勝負が決まった時介添に助けられて場の中央に出て片手を高く差上げ見物の喝采に答えた時、何だか介添人の力でやっと体と腕を支えているような気がした。これに反してマックの方は判定を聞くと同時にぽんと一つ蜻蛉返りをして自・・・<寺田寅彦「映画雑感6[#「6」はローマ数字、1-13-26]」青空文庫>
  21. ・・・ とにかく体力と知力との戦いとして見るときに、自分のような素人にもこの勝負の特別な興味が感ぜられるのであった。 カルネラは体重一一九キロ身長二・〇五メートル、ベーアは九五キロと一・八八メートルだそうで、からだでは到底相手になれないの・・・<寺田寅彦「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」青空文庫>
  22. ・・・靴磨が女の靴をみがきながら、片足を揚げた短いスカートの下から女の股間を窺くために、足台をだんだん高くさせたり、また、男と女とがカルタの勝負を試み、負ける度びに着ているものを一枚ずつぬいで行き、負けつづけた女が裸体になって、遂に危く腰のものま・・・<永井荷風「裸体談義」青空文庫>
  23. ・・・兜に捲いて勝負せよとの願なり」とかの袖を押し遣る如く前に出す。男は容易に答えぬ。「女の贈り物受けぬ君は騎士か」とエレーンは訴うる如くに下よりランスロットの顔を覗く。覗かれたる人は薄き唇を一文字に結んで、燃ゆる片袖を、右の手に半ば受けたる・・・<夏目漱石「薤露行」青空文庫>
  24. ・・・旗幟の鮮明ならざること夥しい誰に聞いたって、そんな事が分るものか、さてもこの勝負男の方負とや見たりけん、審判官たる主人は仲裁乎として口を開いて曰く、日はきめんでもいずれそのうち私が自転車で御宅へ伺いましょう、そしていっしょに散歩でもしましょ・・・<夏目漱石「自転車日記」青空文庫>
  25. ・・・どいつから先に蹴っ飛ばすか、うまく立ち廻らんと、この勝負は俺の負けになるぞ、作戦計画を立ってからやれ、いいか民平!――私は据えられたように立って考えていた。「オイ、若えの、お前は若え者がするだけの楽しみを、二分で買う気はねえかい」 ・・・<葉山嘉樹「淫賣婦」青空文庫>
  26. ・・・ 国家と国家と戦争して勝負をつけるように、プロレタリアートとブルジョアジーも、戦って片をつける。 その暁に、どちらが正しいかが分るんだ。 だが、第三金時丸は、三千三十噸の胴中へ石炭を一杯詰め込んだ。 彼女はマニラについた。・・・<葉山嘉樹「労働者の居ない船」青空文庫>
  27. ・・・丁度、撃劒で丁々と撃合っては居るが、つまり真劒勝負じゃない、その心持と同なじ事だ。こんな風だから、他人は作をしていねば生活が無意味だというが、私は作をしていれば無意味だ、して居らんと大に有意味になる。この相違を来すにゃ何か相当の原因が無くば・・・<二葉亭四迷「私は懐疑派だ」青空文庫>
  28. ・・・いろはには正方形にして十五間四方なり。勝負は小勝負九度を重ねて完結する者にして小勝負一度とは甲組が防禦の地に立つ事と乙組が防禦の地に立つ事との二度の半勝負に分るるなり。防禦の地に立つ時は九人おのおのその専務に従い一、二、三等の位置を取る。但・・・<正岡子規「ベースボール」青空文庫>
  29. ・・・「勝負はスターリンにしてやられ」民衆は悉くスターリンの犠牲者であると声を振りしぼって叫んでいる。その事実の裏づけとしてソヴェト生産並施設の不充分な点について討論しているプラウダやイズヴェスチアの統計が夥しく引用されているのである。 もと・・・<宮本百合子「こわれた鏡」青空文庫>
  30. ・・・それは、負けても賞金の貰える勝負に限って、すがめの男が幾度となく相手関わず飛び出して忽ち誰にも棹のように倒されながら、なお真面目にまたすがめをしながら土俵を下って来る処であった。彼は安次だ。安次は両親と僅に残された家産を失くすると、間もなく・・・<横光利一「南北」青空文庫>