ずぶ の意味

  1. [副]
  1. 《日葡辞書では「づぶ」と表記》まったく。まるっきり。全然。現代では多く、「ずぶの」の形で用いられる。「ずぶの素人」
    • 「―働かないでいる訳にも行かないでね」〈秋声・足迹〉
  1. 全身水にぬれるさま。全体を水につけるさま。また、その時の音を表す語。
    • 「海に―と落ち入りぬ」〈発心集・三〉
  1. [接頭]動詞の連用形から転化した名詞に付いて、はなはだしく、すっかり、などの意を添える。「ずぶぬれ」「ずぶ酔い」
  • ずぶの例文

    出典:青空文庫

    • ・・・李小二は丁度、商売から帰る所で、例の通り、鼠を入れた嚢を肩にかけながら、傘を忘れた悲しさに、ずぶぬれになって、市はずれの、人通りのない路を歩いて来る――と、路傍に、小さな廟が見えた。

      芥川竜之介「仙人」

    • ・・・……真白な腹をずぶずぶと刺いて開いた……待ちな、あの木戸に立掛けた戸は、その雨戸かも知れないよ。

      泉鏡花「絵本の春」

    • ・・・驚いて猿臂を伸し、親仁は仰向いて鼻筋に皺を寄せつつ、首尾よく肩のあたりへ押廻して、手を潜らし、掻い込んで、ずぶずぶと流を切って引上げると、びっしょり舷へ胸をのせて、俯向けになったのは、形も崩れぬ美しい結綿の島田髷。

      泉鏡花「葛飾砂子」