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せい‐しん【精神】例文一覧 41件

  1. ・・・もっとも恋愛の円満に成就した場合は別問題ですが、万一失恋でもした日には必ず莫迦莫迦しい自己犠牲をするか、さもなければもっと莫迦莫迦しい復讐的精神を発揮しますよ。しかもそれを当事者自身は何か英雄的行為のようにうぬ惚れ切ってするのですからね。け・・・<芥川竜之介「或恋愛小説」青空文庫>
  2. ・・・終わりに臨んで諸君の将来が、協力一致と相互扶助との観念によって導かれ、現代の悪制度の中にあっても、それに動かされないだけの堅固な基礎を作り、諸君の精神と生活とが、自然に周囲に働いて、周囲の状況をも変化する結果になるようにと祈ります。・・・<有島武郎「小作人への告別」青空文庫>
  3. ・・・自然主義を捨て、盲目的反抗と元禄の回顧とを罷めて全精神を明日の考察――我々自身の時代に対する組織的考察に傾注しなければならぬのである。     五 明日の考察! これじつに我々が今日においてなすべき唯一である、そうしてまたす・・・<石川啄木「時代閉塞の現状」青空文庫>
  4. ・・・返事は折返し届いて、お前の筆端には自殺を楽むような精神が仄見える。家計の困難を悲むようなら、なぜ富貴の家には生れ来ぬぞ……その時先生が送られた手紙の文句はなお記憶にある……其の胆の小なる芥子の如く其の心の弱きこと芋殻の如し、さほどに・・・<泉鏡花「おばけずきのいわれ少々と処女作」青空文庫>
  5. ・・・夫婦の者が深くあいたよって互いに懐しく思う精神のほとんど無意識の間にも、いつも生き生きとして動いているということは、処世上つねに不安に襲われつつある階級の人に多く見るべきことではあるまいか。 そりゃ境遇が違えば、したがって心持ちも違うの・・・<伊藤左千夫「去年」青空文庫>
  6. ・・・僕の胸があまり荒んでいて、――僕自身もあんまり疲れているので、――単純な精神上のまよわしや、たわいもない言語上のよろこばせやで満足が出来ない。――同情などは薬にしたくも根が絶えてしまった。 僕は妻のヒステリをもって菊子の毒眼を買い、両方・・・<岩野泡鳴「耽溺」青空文庫>
  7. ・・・椿岳が一生の大作として如何にこの画に精神を注いだかは想像するに余りがある。幸いこの画は地震の禍いをも受けずに今なお残っているが、画が画だからマジメに伝統の法則を守った作で、椿岳独自の画境を見る事は出来ない。が、椿岳の画の深い根柢や豪健な筆力・・・<内田魯庵「淡島椿岳」青空文庫>
  8. ・・・それでもしわれわれにジョン・バンヤンの精神がありますならば、すなわちわれわれが他人から聞いたつまらない説を伝えるのでなく、自分の拵った神学説を伝えるでなくして、私はこう感じた、私はこう苦しんだ、私はこう喜んだ、ということを書くならば、世間の・・・<内村鑑三「後世への最大遺物」青空文庫>
  9. ・・・類を愛する信念の何れ程迄に真実であるかを疑わなければならないが、そして、このたびの軍備縮小などというが如き、其の実、戦争を予期しての企てに対して、却って、其の正義人道を看板に掲げた底に潜む、資本主義的精神の狡猾を憎まざるを得ないが、ヒューズ・・・<小川未明「芸術は革命的精神に醗酵す」青空文庫>
  10. ・・・立ち話もそんな場所ではできず、前から部屋を頼んでおいた近くの逢坂町にある春風荘という精神道場へ行こうとすると、新聞の写真班が写真を撮るからちょっと待ってくれと言いました。それで、私たちは、秋山さんが私の肩に手を掛け、私は背の高い秋山さんの顔・・・<織田作之助「アド・バルーン」青空文庫>
  11. ・・・横井はそれを「精神統一」と呼んだ。「……でな、斯う云っちゃ失敬だがね、僕の観察した所ではだ、君の生活状態または精神状態――それはどっちにしても同じようなもんだがね、余程不統一を来して居るようだがね、それは君、統一せんと不可んぞ……。精神・・・<葛西善蔵「子をつれて」青空文庫>
  12. ・・・そういう俗悪な精神になるのは止し給え。 僕の思っている海はそんな海じゃないんだ。そんな既に結核に冒されてしまったような風景でもなければ、思いあがった詩人めかした海でもない。おそらくこれは近年僕の最も真面目になった瞬間だ。よく聞いていてく・・・<梶井基次郎「海 断片」青空文庫>
  13. ・・・には紀念すべき人である、だからこの画をこの老爺にくれてやって八幡に奉納さすれば、われにもしこの後また退転の念が生じたとき、その八幡に行ってこの画を見て今日のことを思い出せば、なるほどそうだとまた猛進の精神を喚起さすだろう。そうだとこう考えて・・・<国木田独歩「郊外」青空文庫>
  14.  一人の男と一人の女とが夫婦になるということは、人間という、文化があり、精神があり、その上に霊を持った生きものの一つの習わしであるから、それは二つの方面から見ねばならぬのではあるまいか。 すなわち一つは宇宙の生命の法則の・・・<倉田百三「愛の問題(夫婦愛)」青空文庫>
  15. ・・・それに戦争は、体力と精神力とを急行列車のように消耗させる。 胸が悪い木村は、咳をし、息を切らしながら、銃を引きずってあとからついて来た。 表面だけ固っている雪が、人の重みでくずれ、靴がずしずしめりこんだ。足をかわすたびに、雪に靴を取・・・<黒島伝治「橇」青空文庫>
  16. ・・・かつて貴堂において貴鼎を拝見しました時、拙者はその大小軽重形貌精神、一切を挙げて拙者の胸中に了りょうりょうと会得しました。そこで実は倣ってこれを造りましたので、あり体に申します、貴台を欺くようなことは致しませぬ」といった。丹泉は元来毎つねづ・・・<幸田露伴「骨董」青空文庫>
  17. ・・・今後、幾百年かの星霜をへて、文明はますます進歩し、物質的には公衆衛生の知識がいよいよ発達し、一切の公共の設備が安固なのはもとより、各個人の衣食住もきわめて高等・完全の域に達すると同時に、精神的にもつねに平和・安楽であって、種々の憂悲・苦労の・・・<幸徳秋水「死刑の前」青空文庫>
  18. ・・・ずっと以前に一度、根岸の精神病院に入れられた時の厭わしい記憶がおげんの胸に浮んだ。旦那も国から一緒に出て来た時だった。その時にも彼女の方では、どうしてもそんな病院などには入らないと言い張ったが、旦那が入れと言うものだから、それではどうも仕方・・・<島崎藤村「ある女の生涯」青空文庫>
  19. ・・・ いうまでもなくこの大災害は、精神的にも物質的にも、全日本そのものの心臓をつきさされたにひとしい大被害です。単に物質だけの百一億円の損害でも、日露戦争の費用の五倍以上にあたり、全国富の十分の一を失ったわけです。われわれはおたがいに協同努・・・<鈴木三重吉「大震火災記」青空文庫>
  20. ・・・ 秋になると、蜻蛉も、ひ弱く、肉体は死んで、精神だけがふらふら飛んでいる様子を指して言っている言葉らしい。蜻蛉のからだが、秋の日ざしに、透きとおって見える。 秋ハ夏ノ焼ケ残リサ。と書いてある。焦土である。 夏ハ、シャンデリヤ。秋・・・<太宰治「ア、秋」青空文庫>
  21. ・・・ そこへ行けば、精神上の修養を心掛けていると云う評を受ける。こう云う評は損にはならない。そこには最新の出来事を知っていて、それを伝播させる新聞記者が大勢来るから、噂評判の源にいるようなものである。その噂評判を知ることも、先ず益があって損・・・<著:ダビットヤーコプ・ユリウス 訳:森鴎外「世界漫遊」青空文庫>
  22. ・・・ アインシュタインは「芸術から受けるような精神的幸福は他の方面からはとても得られないものだ」と人に話したそうである。ともかくも彼は芸術を馬鹿にしない種類の科学者である。アインシュタインの芸術方面における趣味の中で最も顕著なものは音楽であ・・・<寺田寅彦「アインシュタイン」青空文庫>
  23. ・・・何事もすべて小器用にやすやすとし遂げられているこの商工業の都会では、精神的には衰退しつつあるのでなければ幸いだというような気がした。街路は整頓され、洋風の建築は起こされ、郊外は四方に発展して、いたるところの山裾と海辺に、瀟洒な別荘や住宅が新・・・<徳田秋声「蒼白い月」青空文庫>
  24. ・・・元田は真に陛下を敬愛し、君を堯舜に致すを畢生の精神としていた。せめて伊藤さんでも生きていたら。――否、もし皇太子殿下が皇后陛下の御実子であったなら、陛下は御考があったかも知れぬ。皇后陛下は実に聡明恐れ入った御方である。「浅しとてせけばあふる・・・<徳冨蘆花「謀叛論(草稿)」青空文庫>
  25. ・・・双方の理解が、一等大切だと思います。双方の精神的理解、これがないというと、それはつまり野合の恋愛であって――」 石の卓に片肘をついている深水の演説口調を、三吉はやめさせたいが、彼女は上体をおこして真顔できいている。たかい鼻と、やや大きな・・・<徳永直「白い道」青空文庫>
  26. ・・・何も彼も時世時節ならば是非もないというような川柳式のあきらめが、遺伝的に彼の精神を訓練さしていたからである。身過ぎ世過ぎならば洋服も着よう。生れ落ちてから畳の上に両足を折曲げて育った揉れた身体にも、当節の流行とあれば、直立した国の人たちの着・・・<永井荷風「妾宅」青空文庫>
  27. ・・・太十は精神の疲労から其夜うとうととなった。悪戯な村の若い衆が四五人其頃の闇を幸に太十の西瓜を盗もうと謀った。太十の西瓜はこれまで一つも盗まれなかったのである。彼等の手筈はこうであった。二三人は昼間見ておいた西瓜をひっ抱えてすぐ逃げる。他のも・・・<長塚節「太十と其犬」青空文庫>
  28. ・・・しかし人間精神上の生活において、吾人がもし一イズムに支配されんとするとき、吾人は直に与えられたる輪廓のために生存するの苦痛を感ずるものである。単に与えられたる輪廓の方便として生存するのは、形骸のために器械の用をなすと一般だからである。その時・・・<夏目漱石「イズムの功過」青空文庫>
  29. ・・・無論、古語というものは我々の言語の源であり、我民族の成立と共に、我国語の言語的精神もそこに形成せられたものとして、何処までも深く研究すべきはいうまでもない。しかし言語というものは生きたものということを忘れてはならない。『源氏』などの中にも、・・・<西田幾多郎「国語の自在性」青空文庫>
  30. ・・・単にそればかりでなく、日本の詩人や文学者は、一般に言つて「哲学する精神」を所有して居ない。そしてこれが、ニイチェを日本の理解からさまたげてる最も根本の原因である。近頃日本の文壇では「日常性の哲学」といふことが言はれて居るが、元来文学者の生活・・・<萩原朔太郎「ニイチェに就いての雑感」青空文庫>