せい‐せき【成績】例文一覧 30件

  1. ・・・格別勉強するとも見えざれども、成績は常に首席なる上、仏蘭西語だの羅甸語だの、いろいろのものを修業しいたり。それから休日には植物園などへ、水彩画の写生に出かけしものなり。僕もその御伴を仰せつかり、彼の写生する傍らに半日本を読みし事も少からず。・・・<芥川竜之介「恒藤恭氏」青空文庫>
  2. ・・・この頃では、日本、英吉利、独逸、墺太利、仏蘭西、露西亜、伊太利、西班牙、亜米利加、瑞典、諾威などから来る作品が、皆、一度はかけられるそうですが、どうも日本の物は、あまり成績がよくないようですよ。我々のひいき眼では、日本には相当な作家や画家が・・・<芥川竜之介「MENSURA ZOILI」青空文庫>
  3. ・・・「まずこれなら相当の成績でございます。私もお頼まれがいがあったようなものかと思いますが、いかがな思召しでしょう」 矢部は肥っているだけに額に汗をにじませながら、高縁に腰を下ろすと疲れが急に出たような様子でこう言った。父にもその言葉に・・・<有島武郎「親子」青空文庫>
  4. ・・・もとより開墾の初期に草分けとしてはいった数人の人は、今は一人も残ってはいませんが、その後毎年はいってくれた人々は、草分けの人々のあとを嗣いで、ついにこの土地の無料付与を道庁から許可されるまでの成績を挙げてくれられたのです。 この土地の開・・・<有島武郎「小作人への告別」青空文庫>
  5. ・・・り居らぬが、種々な方面より知り得たる処では、吾国の茶の湯と其精神酷だ相似たるを発見するのである、それはさもあるべき事であろう、何ぜなれば同じ食事のことであるから其興味的研究の進歩が、遂に或方向に類似の成績を見るに至るは当然の理であるからであ・・・<伊藤左千夫「茶の湯の手帳」青空文庫>
  6. ・・・民子の事を思って居ればかえって学課の成績も悪くないのである。これらも不思議の一つで、如何なる理由か知らねど、僕は実際そうであった。 いつしか月も経って、忘れもせぬ六月二十二日、僕が算術の解題に苦んで考えて居ると、小使が斎藤さんおうち・・・<伊藤左千夫「野菊の墓」青空文庫>
  7. ・・・ 凡そ何に由らず社会に存在して文明に寄与するの成績を挙げ得るは経済的に独立するを得てからである。誰やらが『我は小説家たるを栄とす』と声言したのは小説家として立派に生活するを得る場合に於て意味もあり権威もあるので、若し小説家がいつまでも十・・・<内田魯庵「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」青空文庫>
  8. ・・・学校にいる中は、成績はいいほうでありましたけれど、やはり友だちをいじめたり、先生のいうことをきかなかったりして先生を困らしました。しかし小学校を卒業すると、家がどちらかといえば貧しかったので、それ以上学校へやることができなかったのであります・・・<小川未明「海へ」青空文庫>
  9. ・・・彼等の関心は試験に良い点を取ることであり、東京帝国大学の法科を良い成績で出ることであり、昭和何年組の秀才として有力者の女婿になることであった。そのため彼等はやがて高等文官試験に合格した日、下宿の娘の誘惑に陥らないような克己心を養うことに、不・・・<織田作之助「髪」青空文庫>
  10. ・・・間もなく、彼は三十軒の支店長へ手紙をだして曰く、――支店の成績をあげるためには、それ相当に店舗を飾る必要がある。この意味に於いて、総発売元は各支店へ戸棚二個、欅吊看板二枚、紙張横額二枚、金屏風半双を送付する。よって、その実費として、二百円送・・・<織田作之助「勧善懲悪」青空文庫>
  11. ・・・試験の時は、早く外へ出て吸いたい気持にかられて、いい加減に答案を書いて出してしまった。試験の成績など煙草の魅力にくらべると、ものの数ではなかった。いつか私は「朝、眼をさましてから、床の中でぐずついているような男は、配偶者としては、だめである・・・<織田作之助「中毒」青空文庫>
  12. ・・・の人気は、温順しい志村に傾いている、志村は色の白い柔和な、女にして見たいような少年、自分は美少年ではあったが、乱暴な傲慢な、喧嘩好きの少年、おまけに何時も級の一番を占めていて、試験の時は必らず最優等の成績を得る処から教員は自分の高慢が癪に触・・・<国木田独歩「画の悲み」青空文庫>
  13. ・・・学校における成績も中等で、同級生のうち、彼よりも優れた少年はいくらもいた。また彼はかなりの腕白者で、僕らといっしょにずいぶん荒れたものである。それで学校においても郷党にあっても、とくに人から注目せられる少年ではなかった。 けれども天の与・・・<国木田独歩「非凡なる凡人」青空文庫>
  14. ・・・県立中学に多分合格しているだろうが、若し駄目だったら、私立中学の入学試験を受けるために、成績が分るまで子供は帰らせずに、引きとめている。ということだった。「もう通らなんだら、私立を受けさしてまで中学へやらいでもえいわやの。家のような貧乏・・・<黒島伝治「電報」青空文庫>
  15. ・・・ 採鉱成績について、それが自分の成績にも関係するので、抜目のない課長は、市三が鉱車で押し出したそれで、既に、上鉱に掘りあたっていることを感づいていた。「糞ッ!」井村は思った。 課長のあとから阿見が、ペコ/\ついて来た。課長は、石・・・<黒島伝治「土鼠と落盤」青空文庫>
  16. ・・・彼は、成績がよかった。 中学を出ると、再び殆んど無断で、高商へ学校からの推薦で入学してしまった。おしかは愚痴をこぼしたが、親の云いつけに従わぬからと云って、息子を放って置く訳にも行かなかった。他にかけかえのない息子である。何れ老後の厄介・・・<黒島伝治「老夫婦」青空文庫>
  17. ・・・学校の成績は、あまりよくなかった。卒業後は、どこへも勤めず、固く一家を守っている。イプセンを研究している。このごろ人形の家をまた読み返し、重大な発見をして、頗る興奮した。ノラが、あのとき恋をしていた。お医者のランクに恋をしていたのだ。それを・・・<太宰治「愛と美について」青空文庫>
  18. ・・・私が中学校で少しでも佳い成績をとると、おどさは、世界中の誰よりも喜んで下さいました。 私が中学の二年生の頃、寺町の小さい花屋に洋画が五、六枚かざられていて、私は子供心にも、その画に少し感心しました。そのうちの一枚を、二円で買いました。こ・・・<太宰治「青森」青空文庫>
  19. ・・・そのころは、私も学校の成績が悪くなかったので、この兄の一ばんのお気に入りであった。父に早く死なれたので、兄と私の関係は、父子のようなものであった。私は冬季休暇で、生家に帰り、嫂と、つい先日の御誕生のことを話し合い、どういうものだか涙が出て困・・・<太宰治「一燈」青空文庫>
  20. ・・・ 彼の学校成績はあまりよくなかった。特に言語などを機械的に暗記する事の下手な彼には当時の軍隊式な詰め込み教育は工合が悪かった。これに反して数学的推理の能力は早くから芽を出し初めた。計算は上手でなくても考え方が非常に巧妙であった。ある時彼・・・<寺田寅彦「アインシュタイン」青空文庫>
  21. ・・・ それでは大学入学の資格はどうしてきめるかとの問に対して、「偶然に支配されるような火の試練でなく、一体の成績によればいい。これは教師にはよく分るもので、もし分らなければ罪はやはり教師にある。教案が生徒を圧迫する度が少なければ少ないほ・・・<寺田寅彦「アインシュタインの教育観」青空文庫>
  22. ・・・こんな成績の好いのは軍隊でも珍らしいというでね…… それだから秋山大尉を捜すについちゃ、忰も勿論呼出されて、人選に加わったと云う訳なんで…… それで三十人の兵士は一度に河へ飛び込んだ。けど何しろ時間が経っている。それに河巾も広い、深・・・<徳田秋声「躯」青空文庫>
  23. ・・・事業の成績は必ずしも問うところでない。最後の審判は我々が最も奥深いものによって定まるのである。これを陛下に負わし奉るごときは、不忠不臣のはなはだしいものである。 諸君、幸徳君らは時の政府に謀叛人と見做されて殺された。諸君、謀叛を恐れては・・・<徳冨蘆花「謀叛論(草稿)」青空文庫>
  24. ・・・少年が夢中で昨日済んだ学期試験の成績を話し出す。突然けたたましく泣き出す赤児の声に婆芸者の歯を吸う響ももう聞えなくなった。乗客は皆な泣く子の顔を見ている。女房はねんねこ半纏の紐をといて赤児を抱き下し、渋紙のような肌をば平気で、襟垢だらけの襟・・・<永井荷風「深川の唄」青空文庫>
  25. ・・・更に生徒の学年成績に匹敵すべきものである。僅一行の数字の裏面に、僅か二位の得点の背景に殆どありのままには繰返しがたき、多くの時と事と人間と、その人間の努力と悲喜と成敗とが潜んでいる。 従ってイズムは既に経過せる事実を土台として成立するも・・・<夏目漱石「イズムの功過」青空文庫>
  26. ・・・当初の計画通りを実行してそうして旨く見込に違わない成績をふり返って見て、なるほどと始めて合点して納得の行ったような顔をするのは、いくら綺麗に形だけが纏っていても実際の経験がそれを証拠立ててくれない以上は大いに心細いのであります。つまり外形と・・・<夏目漱石「中味と形式」青空文庫>
  27. ・・・色々実験の成績もございますから後でご覧を願います。又病弱者老衰者嬰児等の中には全く菜食ではいけない人もありましょう、私どもの派ではそれらに対してまで菜食を強いようと致すのではありません。ただなるべく動物互に相喰むのは決して当然のことでない何・・・<宮沢賢治「ビジテリアン大祭」青空文庫>
  28. ・・・をつくり都会の大工場で同じ機械を使って造り出す能率の二倍以上の成績を、農村の子女によってあげている。智能と資本とを縦横に駆使して、イギリスの良品高価に対する良品廉価生産・高賃銀低コストを目ざす科学主義工業という呼び名が、これらの人々によって・・・<宮本百合子「新しい婦人の職場と任務」青空文庫>
  29.  この間日比谷の公会堂であった自由学園の音楽教育成績発表会へ行って、それについての様々な感想につれて、自分たちが小さかった頃の生活のうちに、音楽がもたらしたあれこれの情景をなつかしく思いおこした。 もうふた昔三昔のことで・・・<宮本百合子「きのうときょう」青空文庫>
  30. ・・・佐野も東京には出て見たが、神経衰弱の為めに、学業の成績は面白くなく、それに親戚から長く学費を給してくれる見込みもないから、お蝶が切に願うに任せて、自分は甘んじて犠牲になる。」書いてある事は、ざっとこんな筋であったそうだ。 川桝へ行く客に・・・<森鴎外「心中」青空文庫>