せい‐みょう〔‐メウ〕【精妙】例文一覧 7件

  1. ・・・余もこの経を拝見せしに、その書体楷法正しく、行法また精妙にして―― と言うもの即これである。 ちょっと或案内者に申すべき事がある。君が提げて持った鞭だ。が、遠くの掛軸を指し、高い処の仏体を示すのは、とにかく、目前に近々と拝まるる・・・<泉鏡花「七宝の柱」青空文庫>
  2. ・・・ツルゲーネフを愛読したのも文章であって、晩年余りに感服しなくなってからもなお修辞上の精妙を嘖々し、ドストエフスキーの『罪と罰』の如きは露国の最大文学であるを確認しつつもなお、ドストエフスキーの文章はカラ下手くそで全で成っていないといってツル・・・<内田魯庵「二葉亭余談」青空文庫>
  3. ・・・この問題を追究すればその結果は必ず映画製作者にとってきわめて重要な幾多の指針を与えうるであろうと考えられるのである。 ウェルズの小説に「時の器械」というのがある。この精妙なる器械によってわれわれは自由に過去にも未来にも飛んで行くことがで・・・<寺田寅彦「映画時代」青空文庫>
  4. ・・・ごまかしの八百倍の顕微鏡でのぞいたものをツァイスのでのぞいて見るような心持ちがした。精妙ないいものの中から、そのいいところを取り出すにはやはりそれに応ずるだけの精微の仕掛けが必要であると思った。すぐれた頭の能力をもった人間に牛馬のする仕事を・・・<寺田寅彦「蓄音機」青空文庫>
  5. ・・・しかしまた人間の言語というものがあらゆる音響現象のうちで最も精妙を極めた機巧を具備したものだという事を意味するかもしれない。音楽の方はかなりまで好い加減に色々に変化させても、やはり同じものとして認め得られるが、人間の言語はそれがただほんのご・・・<寺田寅彦「ラジオ雑感」青空文庫>
  6. ・・・そして、その眼が精妙な仕組みのなかに私たちの愛するものの姿を映したとき、あるいは美しいものを映したとき、私たちの全心に流れわたる愉悦の感覚は、眼そのものにさえつやと輝きとを増す肉体と精神の溌剌可憐な互のいきさつを、ひしひしと自覚しているので・・・<宮本百合子「幸福の感覚」青空文庫>
  7. ・・・舞台で見たあの活き活きとした狐がどんなに精妙な製作であろうかを問題として彼は見に来たのであった。そこで人形使いはやむなく立って柱から狐を取りそれを使って見せた。西洋人は驚喜して、それだそれだと叫び出したというのである。西洋人は彫刻的に完成せ・・・<和辻哲郎「文楽座の人形芝居」青空文庫>