せっ‐きゃく〔セキ‐〕【隻脚】例文一覧 2件

  1. ・・・(僕は突然K君の夫人に「先達それからもう故人になった或隻脚の飜訳家もやはり銀座の或煙草屋に第二の僕を見かけていた。死は或は僕よりも第二の僕に来るのかも知れなかった。若し又僕に来たとしても、――僕は鏡に後ろを向け、窓の前の机へ帰って行った。・・・<芥川竜之介「歯車」青空文庫>
  2. ・・・それを呼び止めて三輪車上の紳士が何か聞いている。隻脚の青年は何か一言きわめてそっけない返事をしたまま、松葉杖のテンポを急がせて行き過ぎてしまった。思いなしか青年の顔がまっかになっているように思われた。 呼び止めた歩行不能の中年紳士の気持・・・<寺田寅彦「藤棚の陰から」青空文庫>