ぜっ‐たん【舌端】例文一覧 3件

  1. ・・・まして上行菩薩を自覚してる彼が、国を憂い、世を嘆いて、何の私慾もない熱誠のほとばしりに、舌端火を発するとき、とりまく群衆の心に燃えうつらないわけにはいかなかったろう。彼の帰依者はまし、反響は大きくなった。そこで弘長元年五月十二日幕吏は突如と・・・<倉田百三「学生と先哲」青空文庫>
  2. ・・・その床几の上に、あぐらをかいて池の面を、ぼんやり眺め、一杯のおしるこ、或は甘酒をすするならば、私の舌端は、おもむろにほどけて、さて、おのれの思念開陳は、自由濶達、ふだん思ってもいない事まで、まことしやかに述べ来り、説き去り、とどまるところを・・・<太宰治「乞食学生」青空文庫>
  3. ・・・それまでは、私は、あまりの驚愕に、動顛して、震えることさえ忘却し、ひたすらに逆上し、舌端火を吐き、一種の発狂状態に在ったのかも知れない。「たしかに、いたのだ。たしかに。まだ、いるかも知れない。」 家内は、私が、畳のきしむほどに、烈しく震・・・<太宰治「春の盗賊」青空文庫>