ぜん‐く【前駆】 の意味

  1. [名](スル)
  1. 《古くは「せんぐ」「ぜんぐ」とも》行列などの前方を騎馬で進み、先導すること。また、その人。さきのり。さきばらい。先駆。
    • 「あのかたのお召車らしいのが…―させながらお近づきになって」〈堀辰雄・かげろふの日記〉
  1. 物事の起こる前ぶれ。
  • 名詞

ぜん‐く【前駆】の慣用句

  1. ぜんくさいぼう【前駆細胞】
    • 幹細胞から特定の体細胞生殖細胞に分化する途中の段階にある細胞。幹細胞は体のさまざまな組織・臓器に分化する能力をもつが、前駆細胞の分化能力は限られている。例えば、造血前駆細胞は造血幹細胞から分化し、赤血球白血球血小板などに変化する。
  1. ぜんくしょうじょう【前駆症状】
    • ある病気の起こる前兆として現れる症状。
  1. ぜんくたい【前駆体】
    • 化学反応などで、ある物質が生成される前の段階にある物質。前駆物質。先駆物質。プレカーサー。
  1. ぜんくぶっしつ【前駆物質】
  • ぜん‐く【前駆】の例文

    出典:青空文庫

    • ・・・旋風の起るのも、目に見えぬ眷属が擁護して前駆するからの意味である。

      幸田露伴「魔法修行者」

    • ・・・そのうち行列の前駆に騎兵が来ました。

      寺田寅彦「先生への通信」

    • ・・・自ら生得の痴愚にあき人生の疲れを予感した末世の女人にはお身の歓びは 分ち与えられないのだろうか真珠母の船にのりアポロンの前駆で生を双手に迎えた幸運のアフロディテ     *ああ、劇しい嵐。

      宮本百合子「海辺小曲(一九二三年二月――)」