ぜん‐けん【全権】例文一覧 5件

  1. ・・・渠はその壮時において加賀の銭屋内閣が海軍の雄将として、北海の全権を掌握したりし磁石の又五郎なりけり。<泉鏡花「取舵」青空文庫>
  2. ・・・それでね、ひとり息子の鶴田君の嫁は、何とかして先生に、僕の事だよ先生というのは、その先生に捜してもらいたいと、本当だよ、つまり僕はその全権を委任されているような次第なのだ。」 しかし、かのおじさんは、いかにも馬鹿々々しいというような顔つ・・・<太宰治「未帰還の友に」青空文庫>
  3. ・・・また一方下級の技術官たちの間では実に明白に有効重要と思われる積極的あるいは消極的方策があっても、その見やすい事が、取捨の全権を握っている上長官に透徹するまでにはしばしば容易ならぬ抵抗に打ち勝つことが必要である。ことにその間に庶務とか会計とか・・・<寺田寅彦「自由画稿」青空文庫>
  4. ・・・家の用人と勘定所の俗吏と一場の争論となりて、ついに勘定奉行と大学頭と直談の大事件に及びたるときに、大学頭の申し分に、日本国中文字のことは拙者一人の心得にあり、米は米の字にてよろしとの一言にて、政府中の全権と称する勘定奉行も、これがために失敗・・・<福沢諭吉「学問の独立」青空文庫>
  5. ・・・ 主権在民ということは、最少限に考えて、人民自身が、行政、司法、立法の全権を有すという意味であろうし、議会の権能も、当然人民の内から選ばれた代表――議員によって掌握されなければならないものだろう。 この草案の発表された三月七日の新聞・・・<宮本百合子「矛盾とその害毒」青空文庫>