そう‐かい〔サウ‐〕【×滄海/×蒼海】例文一覧 3件

  1. ・・・は、いつも、窓にも縁にも一杯の、川向うの山ばかりか、我が家の町も、門も、欄干も、襖も、居る畳も、ああああ我が影も、朦朧と見えなくなって、国中、町中にただ一条、その桃の古小路ばかりが、漫々として波の静な蒼海に、船脚を曳いたように見える。見えつ・・・<泉鏡花「絵本の春」青空文庫>
  2. ・・・ その夜はやがて、砂白く、崖蒼き、玲瓏たる江見の月に、奴が号外、悲しげに浦を駈け廻って、蒼海の浪ぞ荒かりける。明治三十九年年一月<泉鏡花「海異記」青空文庫>
  3. ・・・ 碧水金砂、昼の趣とは違って、霊山ヶ崎の突端と小坪の浜でおしまわした遠浅は、暗黒の色を帯び、伊豆の七島も見ゆるという蒼海原は、ささ濁に濁って、果なくおっかぶさったように堆い水面は、おなじ色に空に連って居る。浪打際は綿をば束ねたような白い・・・<泉鏡花「星あかり」青空文庫>