ぞう‐さつ【増刷】例文一覧 4件

  1. ・・・出る尻から本が無くなるので、出版屋は首をひねりながら、ともかく増刷していたのだ。増刷の本が出ると、またお前が買い占める。出版屋はまた増刷する。……この売りと買いの勝負は、むろんお前の負けで、買い占めた本をはがして、包紙にする訳にも思えば参ら・・・<織田作之助「勧善懲悪」青空文庫>
  2. ・・・は初版が二千で、それが二箇年経って、やっと売切れて、ことしの初夏には更に千部、増刷される事になった。「晩年」は、昭和十一年の六月に出たのであるから、それから五箇年間に、千五百冊売れたわけである。一年に、三百冊ずつ売れた事になるようだが、する・・・<太宰治「「晩年」と「女生徒」」青空文庫>
  3. ・・・こんなありふれた本でさえ増刷を制限しているものだからこの始末です。楠書店はまだはっきりしたことがわからないので、明日でもまた電話してみます。 この間手紙で申しあげたように、ああちゃんの入院を機会に注射をやめようと思ったので、目白の先生に・・・<宮本百合子「獄中への手紙」青空文庫>
  4. ・・・ 政府がそこをめざした論より証拠は、こんどの帰還者を迎える準備として『国のあゆみ』『民主主義』を数万部増刷したということは発表したが、どこの誰も、ただのひとことも、引揚者の就職は保証されているとは云わなかった。肉親の顔がみられるうれしさ・・・<宮本百合子「肉親」青空文庫>