ぞう‐もつ〔ザウ‐〕【臓物】例文一覧 2件

  1. ・・・汚い臓物で張り切っていた腹は紙撚のように痩せ細っている。そんな彼らがわれわれの気もつかないような夜具の上などを、いじけ衰えた姿で匍っているのである。 冬から早春にかけて、人は一度ならずそんな蠅を見たにちがいない。それが冬の蠅である。私は・・・<梶井基次郎「冬の蠅」青空文庫>
  2. ・・・看板に「火酒」。臓物屋の店先で女子供が押し合った。 ピカデリー広場行の乗合自動車はかなくそでつまったような黒いロンドンを一方から走って来てビショップ町の出入口から心配げな顔つきをした僅の男女をしゃくい上げた。そして再び場末のごたごた中に・・・<宮本百合子「ロンドン一九二九年」青空文庫>