そう‐れい〔サウ‐〕【壮麗】例文一覧 16件

  1. ・・・『大いなる事業』ちょう言葉の宮の壮麗しき台を金色の霧の裡に描いて、かれはその古き城下を立ち出で、大阪京都をも見ないで直ちに東京へ乗り込んだ。 故郷の朋友親籍兄弟、みなその安着の報を得て祝し、さらにかれが成功を語り合った。 しかる・・・<国木田独歩「河霧」青空文庫>
  2. ・・・そこここに高く聳ゆる宏大な建築物は、壮麗で、斬新で、燻んだ従来の形式を圧倒して立つように見えた。何もかも進もうとしている。動揺している。活気に溢れている。新しいものが旧いものに代ろうとしている。八月の日の光は窓の外に満ちて、家々の屋根と緑葉・・・<島崎藤村「並木」青空文庫>
  3. ・・・唖は、自然が持っているような、寂しい壮麗さを持っているのです。其故、他の子供達は、スバーをこわがる位でした。決して彼女とは遊びませんでした。彼女は、丁度人が暑さに恐れて皆家へ入っているインドの真昼間のように、静かで独りぼっちなのでした。・・・<著:タゴールラビンドラナート 訳:宮本百合子「唖娘スバー」青空文庫>
  4. ・・・彼の被案内者は第一室の壮麗に酔わされてその奥に第二室のある事を考えるものはまれであった。つい、近ごろにアインシュタインが突然第二の扉を蹴開いてそこに玲瓏たる幾何学的宇宙の宮殿を発見した。しかし第一の扉を通過しないで第二の扉に達し得られたかど・・・<寺田寅彦「案内者」青空文庫>
  5. ・・・たとえば古来の数学者が建設した幾多の数理的の系統はその整合の美においておそらくあらゆる人間の製作物中の最も壮麗なものであろう。物理化学の諸般の方則はもちろん、生物現象中に発見される調和的普遍的の事実にも、単に理性の満足以外に吾人の美感を刺激・・・<寺田寅彦「科学者と芸術家」青空文庫>
  6. ・・・ また数日たって某大学の構内を通ったら壮麗な図書館の屋上に立ってただ一人玄関前の噴水池を見おろしている人がある。学生であるか巡視であるか遠いのでよくわからなかったが、少し変な気持ちがした。その後さらに数日たって後、同じ大学の中央にそびえ・・・<寺田寅彦「LIBER STUDIORUM」青空文庫>
  7. ・・・祠宇壮麗。祠辺一区ノ地、之ヲ曙ノ里ト称シ、林泉ノ勝ニ名アリ。丘陵苑池、樹石花草巧ニ景致ヲ成ス。而シテ園中桜樹躑躅最多ク、亦自ラ遊観行楽ノ一地タリ。祠前ノ通衢、八重垣町須賀町、是ヲ狭斜ノ叢トナス。此地ノ狭斜ハ天保以前嘗テ一タビ之ヲ開ク。未ダ幾・・・<永井荷風「上野」青空文庫>
  8. ・・・n leur noble dfaiteDe ce qui fut jadis un spectacle enchant.わが歩みヴェルサイユを訪ひわが眼ヴェルサイユを観んと欲するはそが壮麗と光栄のためならず。数知れぬ神と・・・<永井荷風「霊廟」青空文庫>
  9. ・・・竜動に巍々たる大廈石室なり、その市街に来往する肥馬軽車なり、公園の壮麗、寺院の宏大、これを作りてこれを維持するその費用の一部分は、遠く野蛮未開の国土より来りしものならん。ただに遠国のみならず、現に両国境を接する日耳曼と仏蘭西との戦争において・・・<福沢諭吉「教育の目的」青空文庫>
  10. ・・・第一次欧州大戦が終ったばかりで、人道的な英雄としてベルギーの皇帝・皇后がコロンビア大学に招待された初夏の光景は壮麗に思い出される。勇敢な看護婦・皇后エリザベスは小柄で華奢で、しかも強靭な身ごなしで、歩道によせられた自動車から降り立った。その・・・<宮本百合子「女の学校」青空文庫>
  11. ・・・ ロストフ市の郊外に新しくプロレタリア文化の壮麗な城のような「セルマシストロイ」の大工場都市がある。これは純然たる社会主義都市計画によってつくられた町だ。 明るい、電化された大工場を中心に共同食堂がある。消費組合売店ではラシャの布地・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」青空文庫>
  12.  我々のように、二人とも机に向って仕事をする者は、若し理想を実現し得るなら、先ず静かなよい書斎を持ちたいのが希望です。 何も、壮麗でなく、材料が素晴らしいのではなくてよいから、各自の性格と、仕事の種類とに適応した勉強部屋・・・<宮本百合子「書斎を中心にした家」青空文庫>
  13. ・・・ 冬宮を占領したボルシェヴィキーは、密集した列をつくって壮麗な広間へと通り抜けた。歴史的瞬間であった。誰かが手をのばして広間に飾ってある置時計を盗んだ。すぐ続いて次の手、次の手、たちまち熱く叫ぶ声が前方からおちて来た。 ――タワーリ・・・<宮本百合子「スモーリヌイに翻る赤旗」青空文庫>
  14. ・・・あの壮麗らしく人工の結晶を積みあげた街をつぶして呉れよう。斯う三叉でくじって、先ず屋体に罅を入らせる。一ふきふいごで火をかける。――どうだ。美事な、自然らしい悪意には、我ながら感服の外はない。ミーダ 愉しめ! 愉しめ! 押しこめに会って・・・<宮本百合子「対話」青空文庫>
  15. ・・・然し、壮麗な一種の歴史の錆をとどめている「奈良」だけは、この我儘な私を充分満足させて呉れました。 都の焦々した空気の中にあった私を、ほんとに、ゆったりと落ちつかせて呉れた「奈良」の天地、そこには、北国に於て見るあの寂寥の影が何処にも見出・・・<宮本百合子「「奈良」に遊びて」青空文庫>
  16. ・・・ わたしは今、この時刻に、モスクワの全市を赤旗と音楽と飛行機の分列式とでおおいながら、壮麗極まるデモで行進しているソヴェトの労働者の有様を思い、ゲンコを握って、このひどい反動的空気をなぐりつけたい気になった。 実にひどい違いだ。・・・<宮本百合子「ワルシャワのメーデー」青空文庫>