そく‐ぜん【×惻然】例文一覧 1件

  1. ・・・ 惻然として浜辺へと堤を下りた。砂畑の芋の蔓は掻き乱したように荒らされて、名残の嵐に白い葉裏を逆立てている。沖はまだ暗い。ちぎれかかった雨雲の尾は鴻島の上に垂れかかって、磯から登る潮霧と一つになる。近い岬の岩間を走る波は白い鬣を振り乱し・・・<寺田寅彦「嵐」青空文庫>