そく‐てい【測定】例文一覧 24件

  1. ・・・現に、最近、教授連が考案した、価値測定器の如きは、近代の驚異だと云う評判です。もっとも、これは、ゾイリアで出るゾイリア日報のうけ売りですが。」「価値測定器と云うのは何です。」「文字通り、価値を測定する器械です。もっとも主として、小説・・・<芥川竜之介「MENSURA ZOILI」青空文庫>
  2. ・・・私は、ご存じのように距離の測定が下手なので、何丁程とも申し上げられませんが、なんでも二十分ちかく歩きました。新潟の街は、へんに埃っぽく乾いていました。捨てられた新聞紙が、風に吹かれて、広い道路の上を模型の軍艦のように、素早くちょろちょろ走っ・・・<太宰治「みみずく通信」青空文庫>
  3. ・・・時間の測定には必ずしも時計はいらない。短い時間には脈搏が尺度になり、もう少し長い時間の経過は腹の減り方や眠けの催しが知らせる。地下の坑道にいて日月星辰は見えなくてもこれでいくぶんの見当はわかるであろう。質量と力の計測にも必ずしも秤はいらない・・・<寺田寅彦「映画の世界像」青空文庫>
  4. ・・・今度のレコードは食った量のほかに所要時間を測定してあるのが進歩である。時間が無制限ならば百や二百の生玉子をのむのは容易である。 ウィーンのある男は厳重なる検閲のもとにウインドボイテルを六十九個平らげた。彼の敵手は決勝まぎわに腹痛を起こし・・・<寺田寅彦「記録狂時代」青空文庫>
  5. ・・・そうしてちょうど振動感覚の限界に相当する振幅を測定する。次には週期を変えて、また同じ事をする。そういうふうにしていろいろな週期に対する感覚限界の振幅を求めてみると、おもしろいことには被試験者のそれぞれに固有な一定の週期のところで感覚が最も鋭・・・<寺田寅彦「空想日録」青空文庫>
  6. ・・・バンベルヒの天頂儀をすえ付けて天頂近く子午線を通過する星を観測してこの地点の緯度をできるだけ精密に測定しておく、そうして他日また同じ観測を繰り返して、この地点が火山活動の影響のためにいくらかでも移動するかどうかを験出しようというのである。・・・<寺田寅彦「小浅間」青空文庫>
  7. ・・・いかなる測定をなす際にも直接間接に定め得る数量の最後の桁には偶然が随伴す。多くの世人は精密科学の語に誤られてこの点を忘却するを常とす。 一層偶然の著しき場合は、例えば鉛筆を尖端にて直立せしめ、これがいずれの方向に倒るるかという場合、ある・・・<寺田寅彦「自然現象の予報」青空文庫>
  8. ・・・近着のアメリカ地理学会の雑誌の評論欄にわが国の地球物理学者の仕事を紹介してあるその冒頭に「地殻変動の測定に関してはいかなる国民も日本人に匹敵するものはない」と書いてある。 この重要な研究の基礎となる実測資料は実にことごとくわが陸地測量部・・・<寺田寅彦「地図をながめて」青空文庫>
  9. ・・・と言われるので、それは少し困りますと言ったら、それなら何か他の実験の話をしろというので、偶然そのころ読んでいたニコルスという学者の「光圧の測定」に関する実験の話をした。それをたった一ぺん聞いただけで、すっかり要領をのみ込んで書いたのが「野々・・・<寺田寅彦「夏目漱石先生の追憶」青空文庫>
  10. ・・・従来はただ二つの物質間の摩擦係数さえ測定されればそれで万事が解決したと考えられていたようであるが、分子物理学の立場からすれば摩擦の問題はまだほとんど空白として残されているようである。もっとも最近における物質表面層の分子状態に関する研究の成果・・・<寺田寅彦「日常身辺の物理的諸問題」青空文庫>
  11. ・・・ 近ごろは海の深さを測定するために高周波の音波を船底から海水中に送り、それが海底で反響するのを利用する事が実行されるようになった。これを研究した学者たちが、どの程度まで上記の問題に立ち入ったか私は知らない。しかしこの鸚鵡石で・・・<寺田寅彦「化け物の進化」青空文庫>
  12. ・・・つまり、最初にまず水面の所在を測定し確かめておいてから開花の準備にとりかかるというのである。 なるほど、睡蓮には目もなければ手もないから、水面が五寸上にあるか三尺上にあるかわからない。もしか六尺も上にあったら、せっかく花の用意をしてもな・・・<寺田寅彦「藤棚の陰から」青空文庫>
  13. ・・・例えば穀物の研究でも少し詳細にするとすれば、米粒の堅さとか、比重とかを測定する必要が起る。また穀物の生長に及ぼす、光、熱、電気等の影響とか、土壌の物質的性質とかいう問題でも、一つとして物理学の応用を待たぬものはない。また農具の研究並びにその・・・<寺田寅彦「物理学の応用について」青空文庫>
  14. ・・・ 測定という事が可能であり、測定した量の間に幾分でも普遍な関係が見出され簡単な言葉で方則が述べ得られるのは、畢竟孤立系というものが考えられるという事にもなる。また無限の項から成る級数の初めの数項以下を省略しても、吾人の官能上差別を感じな・・・<寺田寅彦「方則について」青空文庫>
  15. ・・・その中の数隊は極北の島々にそれぞれの観測所を設けて地磁気や気象の観測をしたり、あるいは火薬の爆発によって人工地震波を作りそれを地震計で観測した結果から氷盤の厚さを測定したり、あるいはまた近ごろ学界の問題になっている宇宙線に連関して空気の電離・・・<寺田寅彦「北氷洋の氷の割れる音」青空文庫>
  16. ・・・ 量的というだけならば古代民族の天文学的測定ははなはだ量的なものであった。しかし彼らは実験はあまりしなかった。上記の科学の黎明期におけるこれら実験の中のあるものはいくらか量的と言われうるものであったが、しかしこれらのすべては必ずしも今ご・・・<寺田寅彦「量的と質的と統計的と」青空文庫>
  17. ・・・今もしこの三つの能力が測定の可能な量であると仮定すれば、LSKの三つのものを座標として、三次元の八分一空間を考え、その空間の中の種々の領域に種々の科学者を配当する事ができるであろう。 ヘルムホルツや、ケルヴィンやレイノルズのごときはLS・・・<寺田寅彦「ルクレチウスと科学」青空文庫>
  18. ・・・自身の文学を、左翼から、できるだけ隔離すれば、少くともこっちは、そして自分なんかは安全だ、という誤った測定がされていた。作家の中で、執筆禁止について、発言し、なにかの意味で正しくふれた人々は、ごく少数であった。ましてや、温和なチェホフが、壮・・・<宮本百合子「ある回想から」青空文庫>
  19. ・・・星と星との距離の測定についても、祖先たちは観測の条件の素朴さからさまざまの間違いもした。コフマンがその成果に立って示している数字が私たちの記憶の基礎にあって初めて、昔の人の示した数字にある面白い誤りも生々と私たちに今日までの研究の意義を知ら・・・<宮本百合子「科学の常識のため」青空文庫>
  20. ・・・で為る生活との間には、殆ど時間が測定する事の出来ない差がございます。眼が少しは物象を見るようになりました。耳が微かながら、箇々の声を聴くようになりました。つまり、私は漸々自分に生きて来たのでございましょう。真個に足を地につけて、生き物として・・・<宮本百合子「C先生への手紙」青空文庫>
  21. ・・・は当日の暴風と濃霧によって進路測定に誤差が生じたことを遭難の原因として詳細に地理的に報告した。そして「民間航空発展の貴い人柱」となった人々への哀悼、遺族への慰問の責任を表明した。けれども、当時あの新聞をよんだ一般市民は、阿佐操縦士の妹きくえ・・・<宮本百合子「市民の生活と科学」青空文庫>
  22. ・・・ この微妙な日本知性のコンプレックスの特色は、さそりの知恵をもつファシストによって今日ふたたび実に巧妙に測定されつつある。心理学的に、統計的に、社会的世論をつくりあげてゆくための暗示の可能性とその方向の指針として。さもなければ、今日の日・・・<宮本百合子「世紀の「分別」」青空文庫>
  23. ・・・それだから我々より余程自分がどこにいるかということの地位の測定とか、それから距離との関係、都会と田舎との関係、そこにある生産というものをよく知っている。そうしてそういうことをさせる習慣をつくらせる。だから今のソヴェトの子供が本当に新しい時代・・・<宮本百合子「ソヴェト・ロシアの素顔」青空文庫>
  24. ・・・もとよりその詳細な測定や記述の仕事は、今後に残されているでもあろうが、しかしわれわれのような素人が、推古仏の源流を求めていろいろと考えてみるというような場合には、これで十分である。寸法が精確に測定されていながら、写像がぼんやりしているよりも・・・<和辻哲郎「麦積山塑像の示唆するもの」青空文庫>