そつぎょう‐せい〔ソツゲフ‐〕【卒業生】例文一覧 20件

  1. ・・・入口に近い机の上では、七条君や下村君やその他僕が名を知らない卒業生諸君が、寄附の浴衣やら手ぬぐいやら晒布やら浅草紙やらを、罹災民に分配する準備に忙しい。紺飛白が二人でせっせと晒布をたたんでは手ぬぐいの大きさに截っている。それを、茶の小倉の袴・・・<芥川竜之介「水の三日」青空文庫>
  2. ・・・そうしてそう着実になっているにかわらず、毎年何百という官私大学卒業生が、その半分は職を得かねて下宿屋にごろごろしているではないか。しかも彼らはまだまだ幸福なほうである。前にもいったごとく、彼らに何十倍、何百倍する多数の青年は、その教育を享け・・・<石川啄木「時代閉塞の現状」青空文庫>
  3. ・・・ね、竹内君は御存知ですが僕はこう見えても同志社の旧い卒業生なんで、矢張その頃は熱心なアーメンの仲間で、言い換ゆれば大々的馬鈴薯党だったんです!」「君が?」とさも不審そうな顔色で井山がしょぼしょぼ眼を見張った。「何も不思議は無いサ、そ・・・<国木田独歩「牛肉と馬鈴薯」青空文庫>
  4.          一      給仕人は電気 今春米国モンタナの工科大学で卒業生のために祝宴を開いた時、ボーイの代りに電気を使って御馳走した。一列に並べた食卓の真中に二条のレールを据え付け、この上を御馳走を満・・・<寺田寅彦「話の種」青空文庫>
  5. ・・・家内は社会の学校なり、社会にありて専制を働く者は、この学校の卒業生なり。故に曰く、社会の有様を改革せんと欲せば、先ずその学校を改革すべきなり。 前条に記したる鬼蛇父母なり、また公務家なり、いやしくも上等社会に列して銭に不自由なき人なれば・・・<福沢諭吉「教育の事」青空文庫>
  6. ・・・「いいえ、私はエステル工学校の卒業生です。」「エステル工学校。ハッハッハ。素敵だ。さあどうです。一杯やりましょう。チュウリップの光の酒。さあ飲みませんか。」「いや、やりましょう。よう、あなたの健康を祝します。」「よう、ご健康・・・<宮沢賢治「チュウリップの幻術」青空文庫>
  7. ・・・実は本年は不思議に実業志望が多ございまして、十三人の卒業生中、十二人まで郷里に帰って勤労に従事いたして居ります。ただ一人だけ大谷地大学校の入学試験を受けまして、それがいかにもうまく通りましたので、へい。」 全く私の予想通りでした。 ・・・<宮沢賢治「茨海小学校」青空文庫>
  8. ・・・そういう学校からの方たちも、あるいは、新しい卒業生としてきょうの会に御出席かもしれません。それを思うと、一層ひとこと御挨拶をしたい心持がして、これをかいております。 みなさまはこの数日来、卒業し、送別会、上級学校の新入生としての歓迎・・・<宮本百合子「新しい卒業生の皆さんへ」青空文庫>
  9. ・・・ 師範卒業生佐田の安直ぶりが、階級的発展の端緒としての意味をもつ未熟さ、薄弱さとして高みから扱われているのではなく、作者須井自身にとっても弱い一点であることは、「幼き合唱」のところどころの文章にうかがわれる。大体作者はいわゆる筆が立つと・・・<宮本百合子「一連の非プロレタリア的作品」青空文庫>
  10. ・・・ 一九二七年度の技術学校卒業生を、産別、出身、ロシア共産党所属率とわけて見るとこういう工合だ。 産別    労働者出身率 ロシア共産党及青年同盟への組織率工業  二四・六   二〇・七〃   七二・五   四〇・〇農・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」青空文庫>
  11. ・・・ ペトログラード士官学校の急進的卒業生によって組織されたのだろうか? そうではなかった。グラトコフの「セメント」でわれわれがよんだように、工場の赤衛兵の発達したものであったろうか? そうでもない。ブジョンヌイという一人の農民出身で、戦術にか・・・<宮本百合子「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」青空文庫>
  12. ・・・ 事変以来、様々の勤労の場面に小学校の卒業生の求められている勢は殆どすさまじいばかりで、三月末の日曜日、東京の各駅には地方から先生に引率された「産業豆戦士」が、行李だの鞄だのを手に手に提げて、無言の裡に駭きの目を瞠りながら続々と到着して・・・<宮本百合子「国民学校への過程」青空文庫>
  13. ・・・実業学校の卒業生は上級学校へ入れないことになったという事実には、それらの少年たちへのむごさがあると思う。 今日の世界の歴史が切迫し激動しているということから割り出されて来る社会的な必要と云われるもので目前説明されても、やはり世人のうけた・・・<宮本百合子「今日の耳目」青空文庫>
  14. ・・・ わたしは何となくいつも心に苦しさのある生徒だったが、卒業してからは、謝恩的な感情に支配されるのが普通とされている卒業生の雰囲気にとって、一つのとげのような存在となってしまった。わたしは一度ならず、女学校時代の思い出の痛苦をかいたから。・・・<宮本百合子「歳月」青空文庫>
  15. ・・・日本の国民学校六年の卒業生の実力が四年修業程度しかないことが、アメリカの教育視察団によって報告された。民主日本建設のために人民一般の知能水準の向上のために義務教育の年限を長くしなければならないとされ、文部省は六・三制ということをきめた。九年・・・<宮本百合子「女性の歴史」青空文庫>
  16. ・・・フランス婦人の間に組織された大学卒業生の団体は、ナチスに占領されたフランスにおいて民主国の兵士を保護し、その人々を虐殺から救い国外に逃亡させてやるために大規模に活動した。ナチスに追われアメリカにいた各国の芸術家たちは、平和とファシズムに反対・・・<宮本百合子「それらの国々でも」青空文庫>
  17. ・・・同じ年の卒業生は一つの組で三十二人ほどであったが、そのなかで現在何か仕事をもって生きている人というのは、あるかしら。 却って、その時代には先生であった方のうち、二人ほどの方々が今も私の先輩として、友達として、つき合いも保たれ、生活感情も・・・<宮本百合子「なつかしい仲間」青空文庫>
  18. ・・・この二三年来、日本の女の力はおびただしく生産の場面に進み出しているのだが、とくに来年の春からは、全日本の女学校、専門学校卒業生に対して、職業紹介所を通じての勤労への動員が行われることになった。一昨年あたりから、小学校を卒業した少年少女たちが・・・<宮本百合子「働く婦人の新しい年」青空文庫>
  19. ・・・硯友社時代の師匠、その弟子という関係でかためられた流派的存在、対立が、各学校の文科卒業生たちが文化面での活動分子として数に於ても増大して来たと同時に、出版事業の形態も拡大し、より広汎な、各流派を包括する文壇が形成された。 歳月を経るにつ・・・<宮本百合子「文学の大衆化論について」青空文庫>
  20. ・・・日本女子大学卒業生型の日本女性代表だ。――が、大体これらの写真はおかしい。一枚の成人教育課程終了者群の写真も無い。淑女紳士の写真だけである。足の下には敷かぬ絨毯を前景に拡げ、背後の蔦とともに綺麗に並んだトインビー・ホール居住人――数ヵ月の社・・・<宮本百合子「ロンドン一九二九年」青空文庫>