そば‐だ・つ【×峙つ/×聳つ】例文一覧 2件

  1. ・・・右に峙つ丸櫓の上より飛び来る矢が戞と夜叉の額を掠めてウィリアムの足の下へ落つる。この時崩れかかる人浪は忽ち二人の間を遮って、鉢金を蔽う白毛の靡きさえ、暫くの間に、旋る渦の中に捲き込まれて見えなくなる。戦は午を過ぐる二た時余りに起って、五時と・・・<夏目漱石「幻影の盾」青空文庫>
  2. ・・・少し行くと左手に鐘塔が峙つ。真鉄の盾、黒鉄の甲が野を蔽う秋の陽炎のごとく見えて敵遠くより寄すると知れば塔上の鐘を鳴らす。星黒き夜、壁上を歩む哨兵の隙を見て、逃れ出ずる囚人の、逆しまに落す松明の影より闇に消ゆるときも塔上の鐘を鳴らす。心傲れる・・・<夏目漱石「倫敦塔」青空文庫>