だいぎ‐し【代議士】例文一覧 30件

  1. ・・・そう云う中にたった一人、蟹のために気を吐いたのは酒豪兼詩人の某代議士である。代議士は蟹の仇打ちは武士道の精神と一致すると云った。しかしこんな時代遅れの議論は誰の耳にも止るはずはない。のみならず新聞のゴシップによると、その代議士は数年以前、動・・・<芥川竜之介「猿蟹合戦」青空文庫>
  2. ・・・文人が公民権が無くとも、代議士は愚か区会議員の選挙権が無くとも、社会的には公人と看做されないで親族の寄合いに一人前の待遇を受けなくとも文人自身からして不思議と思わなかった。寧ろ文人としては社会から無能者扱いを受けるのを当然の事として、残念と・・・<内田魯庵「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」青空文庫>
  3. ・・・西洋では詩人や小説家の国務大臣や商売人は一向珍らしくないが、日本では詩人や小説家では頭から対手にされないで、国務大臣は魯か代議士にだって選出される事は覚束ない。こういう国に二葉亭の生れたのは不運だった。 小説家としても『浮雲』は時勢に先・・・<内田魯庵「二葉亭追録」青空文庫>
  4. ・・・シカシ世間が早稲田を認めるのは、政治科及び法律科が沢山の新聞記者や代議士や実業家を輩出したにも関らず、政治科でも法律科でもなくて文学科である。何といっても日本の最高学府たる帝国大学に対しては民間私学は顔色なき中に優に大学と拮抗して覇を立つる・・・<内田魯庵「明治の文学の開拓者」青空文庫>
  5. ・・・左り側に彼が曾て雑誌の訪問記者として二三度お邪魔したことのある、実業家で、金持で、代議士の邸宅があった。「やはり先生避暑にでも行ってるのだろうが、何と云っても彼奴等はいゝ生活をしているな」彼は羨ましいような、また憎くもあるような、結局芸術と・・・<葛西善蔵「子をつれて」青空文庫>
  6. ・・・父は代議士にいちど、それから貴族院にも出たが、べつだん中央の政界に於いて活躍したという話も聞かない。この父は、ひどく大きい家を建てた。風情も何も無い、ただ大きいのである。間数が三十ちかくもあるであろう。それも十畳二十畳という部屋が多い。おそ・・・<太宰治「苦悩の年鑑」青空文庫>
  7. ・・・いつか、鉄道の参与官か何かやっていた。代議士だよ。」「知らないね。」私は、なぜだか、いらいらして来た。どうも私は、人の身の上話を聞く事は、下手である。われに何の関りあらんや、という気がして来るのである。黙って聞いているうちに、自分の肩に・・・<太宰治「乞食学生」青空文庫>
  8. ・・・長兄が代議士に当選して、その直後に選挙違犯で起訴された。私は、長兄の厳しい人格を畏敬している。周囲に悪い者がいたのに違いない。姉が死んだ。甥が死んだ。従弟が死んだ。私は、それらを風聞に依って知った。早くから、故郷の人たちとは、すべて音信不通・・・<太宰治「東京八景」青空文庫>
  9. ・・・ 君は、代議士にでも出ればよかった。その厚顔、自己肯定、代議士などにうってつけである。君は、あの「シンガポール陥落」の駄文その中で、木に竹を継いだように、頗る唐突に、「謙譲」なんていう言葉を用いていたが、それこそ君に一番欠けている徳であ・・・<太宰治「如是我聞」青空文庫>
  10. ・・・それでも、代議士に出るとか、民選の知事になるとかの噂がもっぱらである。家の者たちは、兄のからだを心配している。 いろいろの客が来る。兄はいちいちその人たちを二階の応接間にあげて話して、疲れたとは言わない。きのうは、新内の女師匠が来た。富・・・<太宰治「庭」青空文庫>
  11. ・・・ 娘はひとり東京へ帰り、母方の親戚の進歩党代議士、そのひとの法律事務所に勤めているのだという。 母が死んだという事を、言いそびれて、どうしたらいいか、わからなくて、とにかくここまで案内して来たのだという。 私が母の事を言い出せば・・・<太宰治「メリイクリスマス」青空文庫>
  12. ・・・科学的な知識などは一つも持ち合わせなくても大政治家大法律家になれるし、大臣局長にも代議士にもなりうるという時代が到来した。科学的な仕事は技師技手に任せておけばよいというようなことになったのである。そうしてそれらの技術官は一国の政治の本筋に対・・・<寺田寅彦「自由画稿」青空文庫>
  13. ・・・また、国民の選良であるところの代議士達でこういう問題にいくらかでも理解をもっている人の如何に少数であったかということも知る人は知っている通りである。 凶作の原因となる気温異常には他にも色々な原因はあるとしても一つの因子としてこれと東北沿・・・<寺田寅彦「新春偶語」青空文庫>
  14. ・・・そうして国民の選良たる代議士でだれ一人として山火事に関する問題を口にする人はないようである。 数年前山火事に関する若干の調査をしたいと思い立って、目ぼしい山火事のあったときに自分の関係の某官衙から公文書でその山火事のあった府県の官庁に掛・・・<寺田寅彦「函館の大火について」青空文庫>
  15. ・・・頭髪にチックをつけている深水は、新婚の女房も意識にいれてるふうで、「――わしも応援するよ、普選になればわれわれ熊連は市会議員でも代議士でも、ドンドンださんといかん」 いいながら、こんどは三吉を仲間にいれようとする。「君ァどうかね・・・<徳永直「白い道」青空文庫>
  16. ・・・ば人間の一生は連続している、嬰児期幼児期少年少女期青年処女期壮年期老年期とまあ斯うでしょう、ところが実はこれは便宜上勝手に分類したので実は連続しているはっきりした堺はない、ですから、若し四十になる人が代議士に出るならば必ず生れたばかりの嬰児・・・<宮沢賢治「ビジテリアン大祭」青空文庫>
  17. ・・・去年の春の選挙に婦人代議士がどっさり出て、そのことは、知識階級の婦人たちをかえって失望させもした。そして、その騒々しさからは幾歩か身をはなしておいて、政治的には発展せず、政治屋ふうになった一部の婦人のうごきを眺めている気分も感じられる。・・・<宮本百合子「明日の知性」青空文庫>
  18. ・・・タフト・ハートレー法に賛成し、非アメリカ委員会のゆきすぎの活動を放任した代議士がそのなかにふくまれている民主党が、タフト・ハートレー法の撤廃を第一にかかげて労働組合員の投票をあつめ、進歩的な男女の票をあつめなければならなかったところにこそ、・・・<宮本百合子「新しい潮」青空文庫>
  19. ・・・だから、たとえば日本の婦人の社会的地位の進歩という場合、婦人代議士、特殊な芸術家、科学者などの業績をはかることばかりでは一面的です。日本においては、繊維産業に働く女の子の生活と意識の水準がどの辺にあるかということが、必ずみられなければなりま・・・<宮本百合子「新しい抵抗について」青空文庫>
  20. ・・・ 山下春江代議士の日ごろの態度にもすきがあったことはたしかでしょう。婦人代議士があれほど、「婦人の問題は婦人の手で」といって立候補しながら議会開会の全期間をつうじてその議場の演壇からもっとも雄弁にうったえることができたのが今日の醜態事件・・・<宮本百合子「泉山問題について」青空文庫>
  21. ・・・婦人立候補者の四割八分ほどは当選して、二十八歳から六十六歳まで、三十九名の婦人代議士が、新しい明日に向って選び出されたのである。しかも、これらの婦人代議士の中には、それぞれの選挙区で最高点を得た人が五名もあった。棄権率のすくなかったこと、予・・・<宮本百合子「一票の教訓」青空文庫>
  22. ・・・数ばかりは多い婦人代議士の質の粗末さを目の前にみて、誰しもこれには同感であろうとおもう。〔一九四六年四月〕<宮本百合子「大町米子さんのこと」青空文庫>
  23. ・・・ 目下の日本で、最も切迫した公の問題は、食糧危機をどう突破するかということですが、代議士たちの大多数は、これに対してどういう態度をとっているでしょうか。つい先頃の総選挙のとき、三合配給などを公約した候補者について、選挙が終ってからす・・・<宮本百合子「公のことと私のこと」青空文庫>
  24. ・・・女らしさを標語にした婦人代議士たちにしても、それはさぞうるさく迷惑なことであったろう。女は「女らしく」婦人代議士クラブというのをこしらえた。女らしく、お茶を立てて飲んだりしたが、政党間の利害は女らしさにも現実に作用して、こわれてしまった。そ・・・<宮本百合子「「女らしさ」とは」青空文庫>
  25.  新聞に、ぽつぽつと婦人代議士として立候補を予測される人々の写真などがのりはじめた。自分ではっきり立候補の計画をもっている婦人たちは、ふさわしいと判断した政党に入党手続をしたと報道されているし、立候補を予測されている人の中で・・・<宮本百合子「現実に立って」青空文庫>
  26. ・・・当時の代議士たちは、議会の白い建物の中で、一人のこらず夢のように巨額な軍事予算に賛成の手をあげて来たのであった。 国民経済は全くうちこわされ、各家庭の経済は、ひどいやりくりももうこれぎりという際まで来た。モラトリアムが、インフレ防止の非・・・<宮本百合子「現実の必要」青空文庫>
  27. ・・・この頃いろいろなことで、女子が出ても、選挙の問題や婦人の問題ばかりでなく、刑法・民法のように、まだまだ差別のあることを御承知でしょうし、婦人は公民権をもっておりませんし、代議士になって、いろいろよい施策をやるとしても、いろいろな役割をするに・・・<宮本百合子「幸福について」青空文庫>
  28. ・・・そうすると私共がどんなに良心的によい代議士を選んでも、たったひとりの人が議会を解散するといって、それを書いた紙をもって捧げて読めば解散になってしまう。それほど簡単です。私達がこれほど長い間苦痛を忍びたくさん血を流し犠牲を払ってきた。あなた方・・・<宮本百合子「幸福の建設」青空文庫>
  29. ・・・ 彼女たちは、百五十三名の、共産党代議士を選び出して、共産党を第一党としました。その中には十七名の婦人代議士が加っており、他のどの政党よりも、多くの婦人が当選しました。何人かの未亡人があるというのも、何と意義深いことでしょう。 フラ・・・<宮本百合子「幸福のために」青空文庫>
  30. ・・・たといそういう政治家が官僚の中から出たとしても、すでに議会が開けた以上は、代議士さえ聖旨にかなうような人であれば、そういう違勅の政治家を駆逐することができたはずである。しかるに同じく聖勅に違背するような不忠な代議士が選出された。明治大帝は「・・・<和辻哲郎「蝸牛の角」青空文庫>