たいしゃく【帝釈】例文一覧 6件

  1. ・・・「そうかい。じゃ忘れないでね、――私も昨日あたりまでは、死ぬのかと思っていたけれど、――」 母は腹痛をこらえながら、歯齦の見える微笑をした。「帝釈様の御符を頂いたせいか、今日は熱も下ったしね、この分で行けば癒りそうだから、――美・・・<芥川竜之介「お律と子等と」青空文庫>
  2. ・・・いつかおれはあの男が、海へ卒塔婆を流す時に、帰命頂礼熊野三所の権現、分けては日吉山王、王子の眷属、総じては上は梵天帝釈、下は堅牢地神、殊には内海外海竜神八部、応護の眦を垂れさせ給えと唱えたから、その跡へ並びに西風大明神、黒潮権現も守らせ給え・・・<芥川竜之介「俊寛」青空文庫>
  3. ・・・ 道祖神は、ちょいと語を切って、種々たる黄髪の頭を、懶げに傾けながら不相変呟くような、かすかな声で、「清くて読み奉らるる時には、上は梵天帝釈より下は恒河沙の諸仏菩薩まで、悉く聴聞せらるるものでござる。よって翁は下賤の悲しさに、御身近・・・<芥川竜之介「道祖問答」青空文庫>
  4. ・・・かかる道なれども釈迦仏は手を引き、帝釈は馬となり、梵王は身に立ちそひ、日月は眼に入りかはらせ給ふ故にや、同十七日、甲斐国波木井の郷へ着きぬ。波木井殿に対面ありしかば大に悦び、今生は実長が身に及ばん程は見つぎ奉るべし、後生をば聖人助け給へと契・・・<倉田百三「学生と先哲」青空文庫>
  5. ・・・に厳格で、非常に規則立った、非常に潔癖な、義務は必らず果すというような方でしたから、種善院様其他の墓参等は毫も御怠りなさること無く、また仏法を御信心でしたから、開帳などのある時は御出かけになり、柴又の帝釈あたりなどへも折々御出でになる。其時・・・<幸田露伴「少年時代」青空文庫>
  6. ・・・「今夜積るぞ。」「一尺は積るな。」「帝釈の湯で、熊また捕れたってな。」「そうか。今年は二疋目だな。」 その時です。あの蒼白い美しい柱時計がガンガンガンガン六時を打ちました。 藁の上の若い農夫はぎょっとしました。そして・・・<宮沢賢治「耕耘部の時計」青空文庫>