たい‐てん【退転】例文一覧 4件

  1. ・・・ 蔦屋は、若主人――お米さんの兄――が相場にかかって退転をしたそうです。お米さんにまけない美人をと言って、若主人は、祇園の芸妓をひかして女房にしていたそうでありますが、それも亡くなりました。 知事――その三年前に亡くなった事は、私も・・・<泉鏡花「雪霊記事」青空文庫>
  2. ・・・それでも一粒種、いい月日の下に、生れなすったんですけれど、廃藩以来、ほどなく、お邸は退転、御両親も皆あの世。お部屋方の遠縁へ引取られなさいましたのが、いま、お話のありました箔屋なのです。時節がら、箔屋さんも暮しが安易でないために、工場通いを・・・<泉鏡花「縷紅新草」青空文庫>
  3. ・・・僕は聴きながら考えた、この画はともかくもわがためには紀念すべきものである、そして、この老爺もわがためには紀念すべき人である、だからこの画をこの老爺にくれてやって八幡に奉納さすれば、われにもしこの後また退転の念が生じたとき、その八幡に行ってこ・・・<国木田独歩「郊外」青空文庫>
  4. ・・・ プロレタリア文学の運動は、昨今、非常に意味ぶかい第二次的な発展的時期に入っているということは、広い目で見ると、逆に大宅、杉山両氏によって摘発されたもとの指導的評論家の退転という事実そのもののうちにも察しられるように思う。急激なテンポで・・・<宮本百合子「冬を越す蕾」青空文庫>